コンテンツワークシートを公開しました

デザインと同じくらいコンテンツには時間とコストがかかります。コンテンツの設計・開発を進めるためのチェックポイントや始め方をまとめた文書「コンテンツワークシート」を GitHub で公開しました。

課題が多いコンテンツ設計

昨年、マルチデバイスを見据えたコンテンツ設計というセミナー&ワークショップを全国5カ所で開催しました。未知のデバイスも考慮し、特定の見た目に捕われないコンテンツ設計と管理をするための考え方や手法を紹介した講座。参加者から高い評価をいただきましたが、幾つか課題が見えてきました。

  • マルチデバイス以前にコンテンツが設計できる状態とは言い難い
  • 制作ワークフローのどこからどのように始めるのか不透明
  • コンテンツ設計・開発には時間がかかるが理解されていない

受講者の中には、講座の内容は十分に理解できたものの、どのように活用すれば良いのかが分からない方がいました。特にビジュアルデザインから始める制作行程だと、コンテンツは(なぜか)あるものとして進んでいることがあります。実際につかうコンテンツを入れたあとに、細かなデザイン修正が何度も発生してしまうのも、原稿がないまま雑誌の表紙を作るような行程が原因ということがあります(もちろん、雑誌はそんなふうに作りません)。

もうひとつの課題が『啓蒙』です。受講者が新しいノウハウや考え方を学んで、その日は士気が上がりますが、次の日は制約や複雑な状況が入り交じった現場が待っています。「改善したい」と思っていても、ひとりで始めるのは大変ですし、長く活動を続けないと浸透しないので、長期戦になります。

こうした課題に少しでも役に立つ道具が必要だと考えて作ったのが コンテンツ ワークシート です。コンテンツの設計・開発を進めるためのチェックポイントや始め方をまとめた文書で、GitHub で公開しています。

GitHub : yhassy/Content_Worksheet

簡単に Gist にすることも考えましたが、ドキュメントの整理のしやすさ、参加しやすさ、今後 Web サイトっぽく作り直すかもしれないという理由でレポジトリにしてみました。今のところ Markdown ファイルのみの簡素なものですし、足りない情報もありますが、公開を優先しました。

未来のための準備を始めよう

詳しくはレポジトリにある README.md を参照してほしいですが、ワークシートは(今のところ)5 つの項目に分かれています。

  1. 利用者の理解
  2. 配信者側の理解
  3. 在庫確認
  4. コンテンツの評価
  5. コンテンツの設計

番号が割り当てられていますが、最初から順にすることはありません。コンテンツに関わる様々な課題を切り分けて解説されているので、気になる項目だけ取り組むということもできます。

このワークシートで誰がコンテンツの仕事をするのかという部分は解決できませんが、クライアントやチームメンバーと何について話したら良いのか、どういったツールが役に立つのかは分かると思います。文書で紹介されているツールやチェックリストには、他の役職と被る部分を幾つか見つけることができるはずです。実践していることがコンテンツ設計や開発にも役立つという気付きがあれば、より身近な存在になるかもしれません。

ますます進むマルチデバイス環境。マーケッターだけでなく、デザイナーからも「文脈(コンテキスト)に応じたコンテンツ提供」という声が聞こえるようになってきました。将来、それが必須になると思いますが、文脈に合わせてコンテンツを提供できるような仕組みもなければ、コンテンツそのものの準備が整っていないのが現状です。自動変換だけではできない課題が山のように残っています。

解決の第一歩として、コンテンツ設計・開発、そして運営を見据えたサイト制作の行程を生み出さなければならないと考えています。コンテンツがないなら、ページデザインもしないというくらい極端なほうが今は良いはず。今の自分の仕事のなかでできる「コンテンツ設計」は何か考えるキッカケとして、ワークシートが役に立てば幸いです。

今後少しずつ更新をしていきますし、フィードバックは常に募集しています。興味がある方はぜひご覧ください。

レポジトリのスクリーンショット

筆者について

Photo of Yasuhisa Hasegawa

組織の一員となるスタイルで一緒にデザインに関わる課題を解決するといった仕事をするなど、チームでデザインに取り組むためのお手伝いをしています。各地でデザインに関わる様々なトピックで講師をしています。