デザインが優れている「政治の見える化」の現在

オバマ政権では情報の透明化を目指して、様々な情報を Web で入手出来るようになりました。例えば Data.gov では、教育、エネルギー、治安など様々なデータ検索できるだけでなく CSV や XML 形式で入手することが出来ます。以前 builder by ZDNet で紹介した IT Dashboard を使えば、公開されている政府関連のデータをグラフ化することが出来ます。もちろん、こうしたデータによる政治の見える化はオバマ政権以前からあって、有名なのだと OpenCongress という政治家や法案のデータを観覧できるサイトがあります。RSSも充実しており、特定のテーマの法案のみ購読するといったことが可能です。政治家のデータシートも様々な情報ソースから集めて掲載しているマッシュアップページですが、読みやすく統一感があるデザインです。

上記に紹介したサイトをみると分かるように、最近はデータを使った情報の視覚化がニュースだけでなく政治分野にも広がっています。データを自由に使える環境が整ったことにより開発者が様々な可能性を模索するようになっただけでなく、デザイナーも参加してデータに新たな価値を与えています。こうした中、Sunlight Labs は非常に興味深いサイトとして今注目しています。ここがコミュニティハブとなり、政治の見える化に関わるプロジェクトが幾つか立ち上がっています。プロジェクトのステータスも公開されており、常に開発者やデザイナーを募集しています。また、アイデア募集も行っており、人気のアイデアはプロジェクトとして開発が進められるとのこと。

幾つかあるプロジェクトの中でもお気に入りなのを紹介:

This We Know
汚染率、失業率、犯罪状況など街情報を数字で一目でみれます
Know Thy Congressman
名前を選択して Bookmarklet をクリックすると、政治家の情報が一挙に見ることが出来ます
Quakespotter
地震の発生を 3D の地球儀で見ることができます
Watchdog
政治家の詳細情報を見るならこちら。お金の動きもグラフで表示されるので分かりやすいです

紹介したサイトの多くは同じ情報ソースを使っています。しかし、情報の見せ方や切り口はそれぞれ異なりますし、新たな視点を与えてくれるものも少なくありません。Webだから与えられる価値といえると同時に、開発者とデザイナーが一緒になって何か社会貢献をするためのひとつの答えといえるでしょう。

Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。