コンテンツ更新の課題と続けるためのヒント

現状を知ることは、Web サイトを「作って終わりにしない」だけでなく、「配信して終わりにしない」ことも重要ですし、続けていくための原動力になります。

組織として前へ進む

続けるための仕組みつくり

個人でも企業でも関係なくメディアカンパニーのように振る舞うことが必須になりつつある現在。SEO の観点でも、断片化する人々のライフスタイルをみても、ただ Web サイトを作って待っていても意味がないことが分かります。

Web サイトは利用者のためになるコンテンツを配信していくべきですが、言うのと実践するとでは大きな違いがあるのが Web サイトの更新。個人であれば、「がんばって書く」で良いかもしれませんが、企業になると、そうはいかなくなります。ちょっとした更新にも様々な課題が生じます。

更新のための施策が不透明
更新頻度だけでなく、どのような種類のコンテンツをどう更新するべきなのかが共有されていないことがあります。
受動的な更新
外圧があるまで、又はイベントが発生するまで更新しないという消極的な姿勢になりがちです。
確立されていないワークフロー
法律に関わる内容など、コンテンツによって承認のためのワークフローが複雑になることがあります。
責任者の不在
コンテンツによって内容が適切かどうかを判断する責任者が異なる場合がありますが、「これは自分の仕事ではない」と組織内でたらい回しになる可能性もあります。
古いコンテンツの放置
新しいサイトには予算があるだけでなく、担当者のモチベーションも高いです。しかし、古いコンテンツのケアが行き届いていないことがあります。そもそも古いサイトをどう扱えば良いのか分からず肥大することも。

このような人に関わる課題だけでなく、CMS にどのような形式でコンテンツを保管していくのかという設計部分も課題があります。多くの CMS は、タイトル、概要、本文、日付といった大枠が用意されていますが、組織が扱うコンテンツによって表示させるべき要素が異なることがあります。

例えば1日に何度も同じコンテンツが更新されるタイプは、「公開日」が日付として表示されているだけでなく、「更新日時」が明記されている必要があります。場合よっては、誰がどの部分を更新したのか分かるような仕組みが必要とされるかもしれん。組織ならではのコンテンツ要素を見つけ出して設計するのも、更新のしやすさに繋がります。

配信したら終わりにしない

CMS をつかってどのようにサイトが作られてるのかといったノウハウは書籍を含めてたくさんありますが、CMS をつかって、どのようにコンテンツが更新されているかが見えにくい現在。組織に応じて特殊なニーズがあるのは否めませんが、上記のような Web サイトの更新に関わる課題は、共有していると思います。

特に古いコンテンツの維持・管理は深刻な課題であると同時に、大きな可能性を秘めています。コンテンツ細分化のための基礎をしっかり抑えるのはもちろんですが、検索キーワードを振り返りながら、内容を調整するだけでも、読んでもらえるコンテンツへと進化することがあります。

Google Analytics 検索クエリ画面検索クエリを通して、何が求められているのか知るヒントを得ることができます。

コンテンツを作って、配信する敷居は下がりましたが、出したコンテンツはそのまま放置になりがちです。アクセス解析は、出したコンテンツを評価するための良いツールであると同時に、組織内でコンテンツを配信していかなければならないという、自発性を生み出す原動力になります。「競合がやっているから」という理由だけでは続きませんし、上記した更新に関わる課題が障壁になってしまいます。

今回は「Webサイトの更新」だけにフォーカスを当てましたが、誰が何を書くのか、その編集は誰がするのか、そのそも利用者が求めているコンテンツになっているのかといった、維持・管理していく上での課題もあります。しかし、課題がたくさんあるから始めない(始められない)のはもったいないです。始めてみないと分からないこと、始めてみたから良くなることもたくさんあります。配信を始めなければ、利用者が求めているコンテンツになっているのかすら分からないわけです(仮説はつくれますが)。

現状を知ることは、Web サイトを「作って終わりにしない」だけでなく、「配信して終わりにしない」ことも重要ですし、続けていくための原動力になります。「続けましょう」と号令するだけでなく、続けられるように手を差し伸べるのもコンテンツの仕事をする人の役割です。

筆者について

Photo of Yasuhisa Hasegawa

組織の一員となるスタイルで一緒にデザインに関わる課題を解決するといった仕事をするなど、チームでデザインに取り組むためのお手伝いをしています。各地でデザインに関わる様々なトピックで講師をしています。