Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。

UI

意外と難しいボタンのお話

ボタン?それともリンク? 昨年からデザインシステム [http://www.yasuhisa.com/could/article/what-is-design-system/] をテーマにしたセミナーやワークショップを何度か開催していますが、ワークショップに参加した方から「ボタンは難しい」という感想をいただくことがあります。ボタンの見た目を作ることも奥深いですが、もっと難しいのが、 いつ、どこで、どのように使うかを共有すること。考え始めると「そもそもボタンとは何か?」といった疑問が浮かび上がります。 フォーム要素と一緒にあれば、ボタンだと断言しやすいです。HTML であればマークアップも <button> になりますし、アプリでも iOS であれば UIButton を使えば良いと判断できるはずです。 文章のあとに「今すぐ始める」というラベルが付いた要素があるとしたら、これはボタンと呼べるでしょうか。角丸のような装飾、注目されやすい色が使われているので、ボタンと見なすことができます。見た目はボタンっぽいですが、果たして本当にボタンと呼べるでしょうか。ただ、見た目がボタン

アクセシビリティ

Webアクセシビリティがビジネスと付き合うための課題

5月18日、神戸でアクセシビリティの祭典 [http://accfes.com/]が開催されました。 Global Accessibility Awareness Day [http://globalaccessibilityawarenessday.org/] に合わせて開催されているイベントで、今回で 3 回目になります。Web サイト制作に留まらず、最新の支援技術の見学・体験ができたり、気軽に質問ができる場も用意されていました。今回は参加者として 1 日たっぷり勉強モード。当日の様子は Togetter のまとめ [https://togetter.com/li/1111823]を参照してください。 シフトレフトの課題 構築後の品質チェックの一環としてアクセシビリティを確認しているだけでは遅い場合が多々あります。設計段階から考慮されていないと、見た目だけでなく使い勝手に大きな影響を及ぼすからです。そこで、アクセシビリティも シフトレフトするべき [https://blog.motchie.com/accessibility/ja-shift-left-in-

デザインの価値を伝えるための発想転換
仕事

デザインの価値を伝えるための発想転換

どれも重要という現場で 「ビジネスにデザインが不可欠」「差別化になるのがデザイン」といった表現をつかってデザインの重要性を示す場合があります。デザイナーからすれば嬉しい言葉でもあり、責任の重大さを感じます。しかし、ビジネスにおいて不可欠なものはデザイン以外にもたくさんあります。開発はもちろん、マーケティングや営業も不可欠な存在。そもそも、あってもなくても良い部分を探すほうが難しいわけです。 ここ数年でデザイナーが創設した企業が幾つか買収されていますし、資金調達に成功したスタートアップのなかにデザイナーが共同創設者のところも少なくありません。また、 Airbnb [https://www.airbnb.jp/] のようにデザイナーが組織の責任者になって、デザインの文化を広げているところもあります。こうした状況をみると「ビジネスにデザインが不可欠」と考えるのも当然かもしれません。 ただ、だからといってデザイナーが「不可欠」という表現に酔いしれても望んでいるデザインを実践することはできません。そもそも周りからはデザインは装飾をする仕事と思われている場合もありますし、先述したように他の役

プロセス

デザインの過程を見せるのはスキルアップの近道になる理由

結果だけでなく過程も 途中経過を見せることはデザインへの誤解が生じると考える人はいるかもしれません。また、途中経過は『企業秘密』だから見せるべきではないと考える人もいるでしょう。そもそも恥ずかしいから見せたくない人も少なくありません。自分も最初は恥ずかしかったですし、そもそも途中経過は見せる必要ないと思っていたほうでした。 しかし、今は途中経過を見せなければ良いデザインが生まれないと考えるようになりました。手描きのものから、インタラクションがあるものまで様々な形状を作っては見せています。仕事現場だけでなく、 Twitter [https://twitter.com/yhassy] や Instagram [https://www.instagram.com/yhassy/] のような場でも見せることもありますし、このブログにしてもデザインにおける途中経過を文章として表していることが多いです。 完成されたモノをどう作るかというノウハウも重要ですが、デザインという『よく分からないもの』が生まれるまでのプロセスを見せるほうに興味があります。 > Anyone who influe

ツール

Sketchが解決しようとしているデザインの課題

2017年4月22日、東京で「UIデザインのための「Sketch」1dayブートキャンプ [https://www.webprofessional.jp/sketch-seminar/]」が開催されました。セミナーとハンズオンがある全編 Sketch を扱ったイベント。ポッドキャストにも出演 [http://automagic.fm/post/143399744580/goma-apps] してくださったことがある UI デザイナーの山本麻美さん(@linen_beau [https://twitter.com/linen_beau/] )と、多数の執筆や登壇をしているデザイナー こもりまさあき [http://protean.im/]さん(@cipher [https://twitter.com/cipher])とご一緒させていただきました。当日の様子は Togetter のほうでまとまっている [https:

TV

ドキュメンタリー「Abstract」を観覧して抱いた違和感

Netflix オリジナル作品「Abstract: The Art of Design [https://www.netflix.com/title/80057883] 」を観覧しました。様々な分野で活躍するデザイナーをひとりずつ丁寧に扱った全8回のドキュメンタリーシリーズです。ただでさえ少ないデザイン系の番組なので楽しみにしていましたが、Inspiration(刺激)より Confusion(混乱)の想いが強く残りました。 どのデザイナーも第一線を走り続ける有名人ばかり。登場するデザイナー達が遠い存在に見えるのは当たり前なのですが、デザインですら遠い世界の何か別のものに見えました。トップクラスのクライアントを抱えるグラマラスなデザイナー達。「自己表現」という言葉がところどころに出てくる本編を見ていると、デザインとは一体何なのか余計分からなくなるかもしれません。 デザインは課題解決という定義をする場合もありますが、表現を無視するのはナンセンスです。視覚的な美しさが課題解決に繋がることもありますし、そこには作り手(デザイナー)による『ある視点』が含まれるのは当然だと思います。しか

ツール

XD vs Sketch みたいな比較は意味がない理由

エコシステムかプラットフォームか たまに「Adobe XD [http://www.adobe.com/jp/products/experience-design.html] と Sketch [https://www.sketchapp.com/] はどちらが良いですか?」という質問をいただくことがあります。Sketch 関連のコンテンツ [https://storify.com/yhassy/sketch-app-dede] を発信しているので、『Sketch 派』と思っている方もいるかもしれませんが、個人的に勝ち負けをつけるような比較はできないと考えています。いずれも UI デザインが得意なアプリケーションと分類できますが、コンセプトも違えば向かっている方向も違います。機能が多い方を選んだら良いというほど単純な話ではないわけです。 私のなかで、Adobe XD はエコシステムで、Sketch はプラットフォームと捉えています。 Adobe は製品同士の連携が最大の強みなので、XD もその特徴を最大限に活かしたアプリケーションへ成長するはずです。

UI

結局デザインシステムは何なのか

フロントエンドからの影響 昨年開催されたワークショップ「パターンラボ – 柔軟性と拡張性をデザインに取り込む方法 [http://www.yasuhisa.com/could/article/ui-pattern-workshop/]」をはじめ、記事やイベントを通して 維持・管理ができるデザインついて情報発信しています。CMS が広く普及して以来、コンテンツ配信を長く続けるための仕組み作りが模索されているものの、デザインは発展途上です。早く作る、効率よく作るまで議論されるものの、デザインをどう維持するのか、どうすれば最低限の品質を担保できるかまで発展しないことがあります。 1977 年に建築家クリストファー・アレグザンダーの著書「 Pattern Language [http://amzn.to/2gfm74M] 」で、パターンが街作りに柔軟性と拡張性を持たせると説いています。彼に異論を唱える人もいますし、街に個性が失われるという意見にも一理あります。しかし、彼の考え方が今の情報設計(IA)に多大な影響を及ぼしていることは間違いありません。情報や装いに一貫性を持たせることは、作