Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。

デザイン

道具の選び方、関わり方を考えるためのヒント

間違ったツールの選び方 ペーパープロトタイプは、紙に書き込むというアナログなアプローチであることから、作るための敷居が低いだけでなく、アウトプットも早く改善がしやすいです。メリットが多いペーパープロトタイプですが、 時間の無駄 [http://www.gv.com/lib/paper-prototyping-is-a-waste-of-time] という意見もあります。紙で作られていることから再現性が低く、的確なフィードバックを利用者から得るには難しいからです。 それでは、ペーパープロトタイプが使えないのかといえば、こたえは「No」になります。こうした「○○は使えるのか?」という疑問は制作の方からよく聞かれる質問ですが、回答に困ることがあります。ペーパープロトタイプだけではありませんが、手法や技術そのもので使えるかどうかの判断はできません。採用する前に以下の 4 点を考慮して選ばないと上手くいかないですし、手法や技術へ責任転換をしてしまう恐れがあります。 誰とつくるのか 誰がその手法を使うことになるのか。自分ひとりだけなのか、それとも組織外の方も関わる可能性があるのか。彼らの背

コンテンツ

シングルカラムから始める情報設計

横並びは複雑化の第一歩 Webサイトの設計をする際、必ずといっていいほど縦にコンテンツを並べて構成を考えるようにしています。どのような人が、何を求めて Web サイトに訪れているのかというシナリオを基に構成を考えていく [http://www.yasuhisa.com/could/article/content-we-need/] わけです。詳細なレイアウトを考えるのではなく、情報の流れが適切であるかどうかを判断するための工程にしています。 パソコン向けの Web サイトデザインの悪い癖 [http://www.yasuhisa.com/could/article/wd101-pc-brain/] のひとつに、「同じくらい重要だったら、横に並べる」というのがあります。広いスペースがあったパソコンが主流の時代ならではのアプローチですが、今は状況が大きく異なります。配信者側にとっての『重要』を出すことは間違っていません。しかし、あれこれ重要だからという理由で隣り合わせにしてしまうと、様々なデメリットが生まれます。 訪問者に迷いが生じる 直接関係のないコンテンツが横に並ぶことで視点の

デザイン

クリエイティブとデータの間にあるもの

危ういバランス Webサイト制作でも、アプリの開発でも、いつも気にしているのがデータとクリエイティブのバランスです。この 2 つの理解が、デザインには不可欠だと考えています。いずれも「重要」と言われていますが、企業の規模や、文化によって重きを置くバランスが異なると思います。 データを重要視する企業成熟したプロダクトやサービスをもつ企業。エンジニア文化が浸透しているところや、営業の力が強いところ。クリエティブを重要視する企業 発展途上のプロダクトやサービスをもつ企業。起業家の文化や、戦略としてのデザインに強く感心があるところ。Google Analytics のようなツールを使えば手軽にデータを解析できるようになりましたし、A/Bテストをするのも難しいことではありません。データから最適だと思われる改善策を提案することができますし、とても説得力のあるように見えます。 講演 [http://www.yasuhisa.com/could/tag/%E8%AC%9B%E6%BC%94/] で「数字はストレートで分かりやすいから、多くの人に理解してもらえる」と話すことがありますが、すべてを数

google

Material Designから学ぶデザインと技術の共通項

Google I/O 2014 [https://www.google.com/events/io] では様々なデバイスが発表されて、ますます Google が日々の生活へ入り込んでいくのだなという印象を受けました。幾つかのプロダクトは興味深かったですが、プロダクトより気になったのが Material Design [http://www.google.com/design/] の発表です。現在 Android L [http://developer.android.com/preview/index.html] と称されている次期バージョン Android で採用されているデザイン言語のガイドラインです。 Skeuomorphism [http://www.yasuhisa.com/could/article/design-issues-2012/] が全面的に使われていたときは、画面上にあるオブジェクトを触っているような感覚を見た目で演出していましたが、Material Design ではアニメーションを通して触れているような感覚を作り出しています。

デザイン

ペルソナ設計に人間像は重要ではない理由

人間像ではなく動機や文脈を明確に プロジェクトを本格始動する前にペルソナを設定することがあります。様々な背景の方がデザインプロセスに参加すると、何をもって『良い』と判断すれば良いのか分からなくなることがあります。ペルソナは、このプロジェクトにおいて適切な『良い』を判断する際に役立ちます。 ペルソナには「人/登場人物」という意味が含まれていることから、表層的な人間像(性別、年齢、出身地など)を描かなければいけないと考えがちです。しかし、それはペルソナを設定することにおいて、それほど重要ではないと思います。私はペルソナを1枚のシートにまとめることがありますが、見た目やライフスタイルといった属性は、詳細まで掘り下げていません。ほとんどの場合 2 〜 3 つくらいのリストにして省略しています。 代わりに「なぜ、人はプロダクトやサービスと触れ合うのか 」という部分を、ペルソナを通して語るように心がけています。その理由は、人口統計学的な属性によって、達成したい目的や道筋が大きく変わることがないからです。 例えば、ある人が アマゾン [http://www.amazon.co.jp/?_e

コンテンツ

データ解析で終わらない提案型分析のコツ

文脈で変わるデータの素顔 効果測定が必須の時代だからこそ、様々なデータをみて検証をする必要がでてきました。アクセス解析で難しいのは、データの切り口や、評価できる数値を見つけることではなく、次のアクションへ繋げることができる提案をすることだと思います。「 脱PVで見えてくるコンテンツの質 [http://www.yasuhisa.com/could/article/no-pageview/] 」という記事で、ページビュー(PV)だけでコンテンツの善し悪しを評価してはいけないという指摘をしました。PV だけでは、サイト訪問者の『質』を判断するのが難しいだけでなく、企業が求めている(ロイアリティの高い)顧客と接点を持てているのかも判断できません。分かりやすいからという理由で PV を評価指標の主軸にしていると、「ページビューを獲得する」という短期的かつ具体性のない目標を立ててしまうことになります。 意味のあるデータを見つけだすヒントは、アクセス解析から導き出された数字の外にあります。コンテンツの評価は、アクセスしている利用者の文脈によって大きく変わるからです。 例えば、中小企業で働く

デザイン

コードが教えてくれるデザイン思考

今プログラミングを教育に取り組もうという声が高まっています。CODE.org [http://code.org]のようなサイトも立ち上がっていますし、 Scratch [http://scratch.mit.edu] のような子供から楽しめるビジュアルプログラミングもあります。 デザイナーの中でもプログラミングを始めたい方もいると思います。WWDC 2014 で発表された Swift [https://developer.apple.com/swift/] は、スクリプト言語のような感覚でコードが書けるので、始めるには良い機会なのかもしれません。 ただ、デザイナーの立場からみると、プログラミングは遠い存在に見えることがあります。しかし、「問題解決のため」という視点からみると、デザインとプログラミングには共通点がたくさんあります。人間中心デザインに基づいた発想にも、実装可能なところまで落とし込んで模索しないと、夢心地なアイデアになることがあります(もちろん自由な発想が必要なときもありますが)。コードを書くひとの考え方を取り入れることで、アイデアを洗練させることができるようになり

デザイン

デザインの会話にあるぶつかり合いのメリット

ぶつかるから良くなる 文脈や話し手の背景により「デザイン」の意味合いが変わることがあります。先月のセミナー [http://www.yasuhisa.com/could/article/how-we-talk-about-design/]では、デザインには 葛藤やぶつかり合いが含まれていると話しました。ぶつかり合いと書くと、負のイメージが先立つかもしれませんが、デザインプロセスにおいて欠かせない要素だと思います。 デザインを語る場において、参加者が考えを述べることがアイデアを検証する(ぶつける)ことになります。『考えを述べる』ということは、自分の考え方がひとつの解になるということを証明しなければいけませんし、そうしなければ聞き手には理解できないことがあります。時には意見の相違がありますが、自然なことですし違いを歓迎するべきです。アイデアを出し合うからこそ見つかる課題もありますし、アイデアがより洗練することもあるからです。 良い会話ができたと思う瞬間は、誰のアイデアか分からないけど、皆が理解して先に進めることができる状態。「○○さんの意見が通った」「リーダーの意見でまとまった」と