COULD
すぐに使えるノウハウではなく、「なぜそうなっているのか」を考える記事を書いています。デザインの仕事で感じるモヤモヤに、構造から向き合いたい人のための場所です。
次世代デザインツールはどこへ向かうのか 中編
実装を考えながら作れなかった従来のツール 6年前になりますが、 web のデザインは枠のない世界である [http://www.yasuhisa.com/could/article/wd101-no-edge/] と説明したことがあります。様々なスクリーンサイズのことを考慮して作らなければならないと頭で分かっていても、デザインツールでそれを実現するのが困難でした。10年以上大きな変化がなかったデザインツールに対して、実装側はどんどん進化し続けていました。Web だとフロントエンド技術とワークフローに大きな進展がありましたし、ネイティブアプリも 1 年おきに OS と周りの開発環境がアップグレードしています。 開発は目まぐるしいスピードで変化しているのに対して、デザイン環境は大きく変わっていなかったことが、今私たちが抱えているデザインと開発の溝の根源ではないかと考えています。2010年代は デザインツールの革命期 [http://www.yasuhisa.com/could/article/design-tools-revolution/] と呼んでも良いくらい様々なデザインツール
ユーザーデータの先にあるデザインの闇
ようこそ、ブラックミラーへ ユーザーデータは今のデザインに欠かせない存在です。レコメンデーションや操作の省略など、ユーザー体験の向上に役立っています。また、デザインを提案するときもデータがあるとないとでは説得力が違います。 「ユーザーのため」と耳障りの良い言葉を添えてユーザーデータを集めた先には何があるのでしょうか。それは本当にユーザーのためになっているのでしょうか。Google 社員向けに作られた「The Selfish Ledger」というビデオがユーザーデータを集めた先の世界を描いています。 2016年に作られたこのビデオは Google のプロダクトビジョンを描いたものではなく、Google のデザイナーの教育向けに作られたそうです。このビデオで描かれている世界を目指すべきなのか、それとも別の道や考え方を模索すべきなのか。見る人によって様々な意見が生まれそうです。 ビデオでは全人類のデータを集めることで今までにない体験をユーザーに提供できるとしています。データはユーザーのプロフィールや行動という表層的なところに留めず、DNA にも及んでいます。生まれてくる子供達
次世代デザインツールはどこへ向かうのか 前編
「考え方を変えましょう」「プロセスを変えていきましょう」と唱えるのではなく、ツール周りの環境を変えていくことで考え方やプロセスも次第に変わることがあります。
Q&A デザインへの課題や不満をどう捉えますか?
> デザインが理解されない、という問題点と、デザイナーの存在価値を認めてもらえない、という不満を混在させると厄介なのかな、と感じているのですが、それら二つはやっぱりイコールでつながるものでしょうか。 匿名 同じ言葉 != 同じ意味 「デザインはビジネスに貢献する重要なポジションになってきている」 デザイナーとそれ以外の方でこの言葉の受け取り方が異なります。私たちデザイナーであれば、重要な存在になることで本来すべき理想的な工程と成果物が作れるようになると考えるでしょう。しかし、その考え方はデザイナー視点であって、他の役職の方が同じように捉えているわけではありません。デザインというものを『導入』すれば儲かるから重要なポジションだと捉えている人もいます。 同じ言葉でもまったく違う捉え方ができるわけですから、誤解も生じます。「デザインは重要」と言われているからといって、デザイナーが想像する重要な存在になったときの世界とは異なります。理想と現実とのギャップが「理解されない」「存在価値を認めてもらえない」という不満に繋がるのではないかと考えています。 デザイナーに対して「デザインは重
透明かつ自動化するUIデザイン
上図は、Facebook, Instagram, Snapchat をはじめとしたサービスが提供している「ストーリー」でよく見かける動きです。ストーリーはここ 1, 2 年で一気に広まりましたし、毎日観覧している人もいると思います。 UIデザインも成熟期に入ってきて [http://www.yasuhisa.com/could/article/ui-design-system/] 、ベストプラクティスと呼ばれるものが出揃ってきました。タイムラインのUI、ナビゲーションのUI、ギャラリーのUI など、様々なコンポーネントがどのアプリを見ても大して変わらなくなりましたし、そこから大きく外れたものは「使いにくい」と言われる場合もあります。 ストーリー式 UI も他のコンポーネントと同様、似たり寄ったりになってきていますが今までの UI になかった特徴的なところがあります。 * 操作のための UI が極めて少ない: 従来であればスキップしたり次の動画を見るための操作 UI があったところが、ストーリー式 UI にはそれらがほとんどない。スワイプのようなジェスチャーを使うことを
デザインが理解されないと言いますが
ビジネスと共生関係の中で 「デザインが理解されない」 「ユーザー調査させてくれない」 「時代に合う作り方を実践したい」 こうした声をオンライン、オフラインでよく耳にします。孤独の戦いを強いられているからこその悩みという場合もありますし、いろいろ模索した末の声ということも少なくありません。また、私自身試行錯誤しながら実践しているところはあります。「理解されない」という声を発する気持ちは共感できるものの、以下の質問にあなたならどう答えるでしょう。 * もし、デザインが『理解』されたらどうしますか? * 理想の作り方ができれば今よりビジネスに貢献できると言い切れますか? * 具体的な効果があることを証明することができますか? デザイナー視点の優先順位がビジネス側の優先順位とうまく噛み合っていないまま「デザインは重要」と言っても伝わりません。そもそもビジネスにおいて、デザインはもちろんエンジニアリングもセールスもマーケティングも経理も すべて重要です [http://www.yasuhisa.com/could/article/tell-some-values/] 。デザイナーはデ
Adobeとコラボレーションを始めました
今月から Adobe Creative Station [https://blogs.adobe.com/creativestation/] 編集部とのコラボレーション企画を進めています。Adobe Creative Station は、Adobe が公式で運用しているメディアで、製品の最新情報や使い方を紹介しています。そこでの寄稿、Creative Cloud 道場 [https://blogs.adobe.com/creativestation/category/ccdojo] のゲスト出演、ソーシャルメディアでのコンテンツ配信をやっていきます。週に 2 回以上は Adobe Creative Station 向けのコンテンツをどこかで見ることができるはずです。 今風Adobeツールとの付き合い方は? 長く Adobe 製品を利用していますが、Adobe のビジネスモデルに疑問を投げかけたり、使えないところはハッキリ言うこともあります。こうした言動に対して「アンチ Adobe ですね」と言われたこともありますが、足りていないところを口にしない(
Q&A 複数の企業の中で働くってどんなかんじ?
> 複数の企業に所属してデザインのお仕事をされていると伺ったのですが、複数の企業で働くメリット・デメリットを教えてください。 これから1つの組織にとらわれない働き方が広がっていくのではないかと思うのですが、デザイナーとしてどんな気づきがありましたでしょうか? 分人プレー 中から外部視点で働きかける 数年前から組織に片足を突っ込んで、中からデザインの進め方の提案と実践を行うという働き方にしています(外部コンサルみたいなかたちで入ることもあります)。制作をガッツリするということはありませんが、データ解析、企画立案、ライティング、コーディングなど現場の『穴』を見つけては、そこに入って仕事をすることもあります。うちのサイトで取り上げているトピックにバラつきがあるのも、私の仕事を映し出しているからかも。 外部の制作者としてクライアントと関わると、中からでは見つけ難い視点を提案できたり、社内政治から外れた思い切った意見も言えることがあります。ただ、それだと理想論になりがちですし、内部の人も理想の形、やりべきことは分かっていることが多いです。それでも実践できないのは何か理由(課題)があるわけ
Sketchから学ぶコンポーネントデザイン
部品から設計することに慣れる デザインツールとして Sketch [https://www.sketchapp.com/] や Figma [https://www.figma.com/] を推している理由のひとつにシンボルがあります。Adobe CC ライブラリ [http://www.adobe.com/jp/creativecloud/libraries.html] のアセット管理とは異なり、デザインした部品(コンポーネント)を拡張したり組み合わせることができるのが魅力。様々なスクリーンサイズに耐えられるように作るのはもちろん、 デザインを運用 [http://www.yasuhisa.com/could/article/governing-design/] していくには、部品からしっかりデザインできるのはこれからのツールでは必須です。 コードが書ける人、コードを書く思考が分かる人であれば、部品から作ってレゴブロックのように積み上げるという Atomic Design [http://patternlab.io/] 的な考え方は当然と思えるでしょう。