アンビエントライフのもつ可能性と課題
未来を思い描くことは、短期的には成果が出ないことかもしれませんが、長期的にデザインやテクノロジーへの理解を深めることが出来る大事なプロセスだと思います。先月行った WebSigのワークショップは、アクティビティとして具体化した一例といえます。未来が描かれたコンセプトワークやビデオをネット上でたくさん見つけることが出来ますが、Freeband Communicationというオランダにあるリサーチプログラムが制作した The Ambient Life というビデオは最近見つけた中でおもしろいなと思った作品のひとつです。
アンビエントライフで提案されている様々なシーンで共通しているのが、人からのインタラクションは限りなく少ないという点です。ボタンを押すというアクションはあるものの、押した後に行われるデータのインタラクションはすべてシステムが行っています。人からシステムというより、システムが自ら人や環境にインタラクションをしているように見えます。システムが認識したデータが、他のシステムと情報交換が行われ、結果的に人へフィードバックされる流れがあります。必要なときに自然な成り行きで人の周りに現れるスマートなシステムが「アンビエントライフ」なのかもしれません。
あまりこの路線を突き進め過ぎると、システムが人をコントロールしているような気にもなりますね。偶然の出会いと思った物事も実はシステムが提示しているに過ぎないとか・・・。しかし、ある程度の自動化や、なるべく自然な形で情報を提示するというのは、今ウェブサイトデザインだけでなく、ハイテクデバイスにある課題ではあります。人の生活や仕事へのちょっとした演出をどう見せるかなのかなぁ。