ブラウンとアップル

ブラウンとアップルがつくりだした良いデザインの姿

Steve Jobs が他界したのがキッカケで、再度アップルのデザインが注目されていますが、忘れてはならないのが Dieter Rams(ディーター・ラムス)の存在。ドイツのインダストリアルデザイナーで Braun社から機能美溢れるシンプルな製品を出したことで知られています。Jonathan Ive も彼のデザイン思考に影響されたと言われていますし、Steve Jobs が、1996年にアップルへ戻ってきてからの製品群は Rams のデザインを彷彿させるものが少なくありません。

Rams & Ives が出演しているドキュメンタリー「Objectified」からのワンシーン

Rams は良いデザインを10の提案としてまとめています

  • 良いデザインは先進的
  • 良いデザインは製品を使いやすくする
  • 良いデザインには美的感覚がある
  • 良いデザインは製品を理解しやすくする
  • 良いデザインは控えめである
  • 良いデザインは正直である
  • 良いデザインは長持ちする
  • 良いデザインは細部の細部まで作り込まれている
  • 良いデザインは環境にやさしい
  • 良いデザインはデザインを最小限に抑えている

顧客が満足する製品は、製品そのものだけでなく、製品をとりまくサービスやエコシステムなど多岐にわたります。ただ TV をつくる、計算機をつくるというだけにはいかなくなった現在。しかし Rams が提示する良いデザインは今でも十分に響くものばかりです。むしろ複雑になりがちな現在だからこそ、立ち返らなければならない『チェックリスト』と呼べるかもしれませんね。

Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。