コン親会が教えてくれたコンテンツの仕事の面白さ

Web コンテンツの作り方・指示の仕方・拡げ方・改善の仕方などを雑談する『コン親会』を開催しました。参加者それぞれの『コンテンツ観』が聞けたと同時に、幾つか課題も見つかりました。

第0回 コン親会

2月16日、Web コンテンツの作り方・指示の仕方・拡げ方・改善の仕方などを雑談する『コン親会』を開催しました。お付き合いが長い 株式会社エフシーゼロ@fuuri さんとした初めての企画です。

以前から、教える・教わるという関係を省いたかたちで、コンテンツやデザインの話がしたいと思っていました。特にコンテンツに関しては、明確なポジションが日本では確立されていないので、実際どのような取り組みがされているのか分かり難いところもあります。自分の知見だけではなく、様々な方の意見を耳にすることで、自分の仕事にフィードバックできるはず。今回は「第0回」と題して、現状把握のための場を設けました。

参加した何人の方がイベントレポートを書いてくださったので参照してください。


視点の切り替えから始まる

「利用者のために良いコンテンツを」という言葉。

誰もが『当たり前』と思うことですが、そもそもの認識が異なることがあります。上の数字はコラムニストで作家の James Surowiecki が独自で行ったカスターマーサービスに関する調査で導き出されたものです(参照記事)。調査対象になった企業のうち 80% が満足度の高いカスタマーサービスを提供していると応えたそうです。一方、満足のいくカスターマーサービスを受けていると答えた消費者は 8% だったそうです。

この大きな開きは、企業側と消費者側の認識の違いを表しています。カスタマーサービスは『コンテンツ』ではありません。しかし「我々はきちんとコンテンツを配信している」「お客様のために作っている」と思って作っているコンテンツも、実はそれほど必要とされていないものかもしれません。もしかすると自己主張ファーストなコンテンツになっている可能性もあります。

今回のコン親会では、出す側と受け取る側のギャップを埋めるための意見や施策が共有されました。Web担当者の思うがままに作ってもらったコンテンツを丁寧に作り直す方、穴埋め形式で情報を埋め込んでもらうようにしている方など、それぞれの仕事環境に合わせた工夫がありました。きめ細かなコンテンツへのケアが、自分視点ではなく、お客様視点のコンテンツに変えているのでしょう。

参加者の背景は Web プロフェッショナルという共通点を除いて様々でした。Web を触り始めた小さな会社から、大企業まで様々な規模の会社を相手にしています。そうした中でも、利用者のためのコンテンツになるような視点の切り替えに力を入れているという点で同じでした。

コンテンツの仕事は、コンテンツそのものをどう作るかだけでなく、利用者の姿や文脈を熟考しなけれれば成立しません。その辺はプレゼンテーションとも似ていて、自己満足・自己陶酔にならないように作ることを意識しなければ、利用者のために作っている『つもり』になってしまいます。

一方通行から対話の入り口へ

企業はメディアのように振舞わなければならないといった言葉を耳にするようになりました。私も4年前から書いていますが、動きのない Web サイトを作って放置しておけば良いという時代ではなくなりました。メディアのようにコンテンツ運営をするべきだと思いますが、従来のメディア(特にマスメディア)のように不特定多数に発信すれば良いわけではありません。

Web をマスメディアのように捉えている方は少なくありません。もちろん、そういった側面もあるので否定はできないものの、Web の最大の魅力はきめ細かな対話ができるところです。今まで声が届かなかったところ、少人数なので市場とは呼べなかったところ、ひとりの人間とも繋がることができます。

コンテンツを利用者視点になるよう調整するだけでなく、Web をビルボードやチラシのような、マスに向けて一方通行に情報を配信するものではないという理解を得ることも重要です。コン親会でも、幾つかの議題が挙がりました。

  • 定期的にコンテンツを配信していくための体制作り
  • モチベーションを維持するための工夫・施策
  • コミュニケーションの窓口の設計(Web以外も含)
  • 何をもってコンテンツが効果があったのかという評価

特に答えが出たというわけではありませんが、上記のような議題は今後深掘りできる重要なトピックだと思います。

気楽だけど真面目な時間

1時間半という短い時間でしたが、参加者それぞれのもつ『コンテンツ観』を聞くことができたのが収穫でした。文字通り懇親会のような雰囲気でしたが、話している内容な結構真面目。飲み会だとお酒が入ってしまうので、ついつい脱線してしまいがちですが、コン親会ではフォーカスを保ったまま楽しく仕事話ができました。

Facebook で「こんな集まりをしたい」と投稿したら、100名以上が Like を付けて参加表明してしまったため、申し込みフォームを作ったり抽選にしたりなど全然ユルくない企画になってしまいました。参加者全員が話せるような場にしたいので次回も少人数になりそうですが、続けていこうと思います。

コン親会の様子

筆者について

Photo of Yasuhisa Hasegawa

組織の一員となるスタイルで一緒にデザインに関わる課題を解決するといった仕事をするなど、チームでデザインに取り組むためのお手伝いをしています。各地でデザインに関わる様々なトピックで講師をしています。