コンテンツ

A collection of 107 posts

コンテンツ

ラベルデザインから読み解くコンテンツ設計の課題

色やタイポグラフィだけでなく、言葉でプロダクトの雰囲気が決まることがあります。早期からダミー文字を避けてコンテンツをデザインするべきですが、簡単に作れるものではありません。 良い事例を探そうとすると必ず辿り着くのが Mailchimp の Voice and Tone 。「Mailchimp らしさ」が明文化されているだけでなく、ライティングの基礎も書かれている優良コンテンツです。しかし、英語の壁がありますし、文化の違いもあるのでそのまま真似するのは困難です。 そこで今回はラベルのライティングというミクロの視点と、出来上がるまでのプロセスを把握するマクロの視点からコンテンツの課題と対策を紹介します。 ラベルデザインにある3つの特徴 UI のラベルをどのようにデザインすれば良いのかを考える上で、 Airbnb アプリは好例です。ローカライズの視点も加えるとさらに面白いので今回は日本語のインターフェイスで紹介します(デザインの良し悪しや使い勝手ではなく、コンテンツのみ注目しました)。 シンプルな UI の所々に『Airbnb 色』を伺うことができます。ブランドで使われている言葉を大事にしつつ、アプリの使い勝手を失わないためのバランスが考慮されています。デジタルで紙媒体の装いがないにも関わらずあえて「ガイドブック」と呼んでいますが、旅を体験するための情報が手に入るかもしれないというユーザーの想像を駆り立てるラベルです。 UI デザインを増幅させるラベルは大きく分けて 3 つあります。 ビジネスに直結する表記

コンテンツ

Q&A 文章のトーン&マナーや文章構造で気をつけていること

文体のトンマナづくりについて実践されていること、意識されていることがあれば教えてください。 @mjmjsachi ライターを雇うのが理想的ですが、予算の都合上それが難しい場合があります。ライターを雇わなかったとしても、複数人でコンテンツを作ることもあるので、それぞれトーン&マナーがバラバラになることがあります。私はライターと呼べるほどのスキルも経験もないですが、以下のようなことを気をつけています。 構造が意味を生み出す 大学時代ジャーナリズムを受講した際に「逆ピラミッド」というメタファーを学びました。どのような優先順位をつけて構造化するべきかを考える際に逆ピラミッドの考え方が役立ちます。逆ピラミッドは以下のような情報構造を持っています。 最も価値のある情報 その情報に関する詳細 その他、知っておきたい情報 重要な情報を最優先に掲載することで、使いやすさも向上するとヤコブ・ニールセン博士も提唱しています。重要な情報が真っ先に見えるだけで、ユーザーは次に何をしたら良いのか判断しやすくなります。 このサイトをデスクトップから見ると、タイトルのすぐ下に内容がおおよそ把握できる概要が書かれています。長い文章を読まなくても、内容がすぐ理解できるようにするための工夫で、一種の逆ピラミッド式です。ジャーナリズムの考え方だけあって、逆ピラミッド構造の参考は、新聞から見つけることができます。新聞だけでなく、論文も逆ピラミッドで書かれることがほとんどです。 Web やアプリのデザインを経験している方であれば、重要な情報を真っ先に掲載することは当たり前だと思います。ただ、多くの方は逆ピラミッドではなく、「ピラミッド式」で書く傾向があります。つまり、

コンテンツ

Q&A 運用の重要性を伝えたい

「運用」の重要性を説く場合、やはり企業内部の担当者を始めとする運用側の方たちに伝えたい/理解してもらいたいこともあると思います。 運用側に直接メッセージを届けられない場合、制作側の方やデザインシステム/スタイルガイドなどを通して、メッセージを伝える何か工夫をされているでしょうか? @SawadaStdDesign 最近は運用側に直接メッセージが伝えられない環境で働いていないこともあり、的確なアドバイスができないかもしれません。ただ、運用について誰かに伝えるとき以下のようなことを考えて企画・提案するようにしています。 運用を考えないと、どのような課題が生まれるか 組織に合う運用はどのような体制で、何から始めることができるか 運用をすることで、成果があったと言えるものは何か 簡単なことでも実践していると言える コンテンツ運用の重要性は何度も書いていますし、「自分も今すぐやってみたい」と思う方も少なくないはずです。ただ、「運用はするべきではない」と否定的に捉える人はいません。決裁権を持っている方も「できればやりたい」と考えているはずですが、優先順位が低かったり予算をかけて出来ないという課題があると思います。 まず「やる価値がある」と前向きな姿勢をもってもらう必要がありますが、本格的な運用を考え出すと、ワークフローだけでなく CMS の見直しまで考えることになり、いつまで経ってもスタートできなくなります。コンテンツインベントリーですら難しい場合もあるでしょう。書籍や事例を見ても、運用には最低これだけ必要みたいな表現がされていることもあり、余計前へ踏み出せない方もいるはずです。 例えば、

コンテンツ

ソーシャルメディアで変わったwebサイトの役割

Webサイトが起点? 利用者のニーズを考えて web サイトを設計し、ゴールまで導く。 Web サイトに限らずアプリケーションにも言える基本的な考え方です。昔から言われている当たり前の事ではあるものの、「Web サイトへ訪れる」という利用者の行動を大前提にしていることに疑問を感じています。 ブランド名など、何かキーワードが思い付けば検索をするでしょう。人によっては、ふと思い出して訪問することもあるかもしれません。しかし、そういったタイミングが 1 日でどれくらいあるでしょうか。Web サイトへわざわざ訪れるのが面倒と感じることもあるくらいです。 ターゲットにしている市場によっては検索が強かったり、わざわざブックマークしてサイトを訪れる人が多いかもしれません。しかし、そうした能動的な行動ではなく、ニュースフィードで偶然見かけた情報をキッカケに行動する人は少なくありません。ジャストシステムによる「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査」によると、10代のスマートフォン利用者のうち、7割はソーシャルメディアやニュースアプリから情報収集しています。 Web サイトのトップページが入り口であり、利用者の行動の起点として考えることがありますが、本当にそうでしょうか。Web サイトが検索結果に表示されないのは存在していないのと同じと考えるように、ソーシャルメディアに現れない Web サイト(ブランド)は存在していないのと同じかもしれません。利用者がブランドと触れる起点は

コンテンツ

必要なコンテンツを発見するための簡単調査方法

コンテンツ発見のために必要な調査 現存コンテンツの課題を発見するためにコンテンツ・イベントリーは欠かせない存在です。スプレッドシートにひたすらデータを入力するという地味な作業が伴いますが、コンテンツを一望することで「なんとなく」と察していた課題を目に見える形にして共有できるようになります。コンテンツを気軽に作って配信できるようになりましたが、それが利用者にとって意味のあるものなのか評価も必要ですし、そもそも現存コンテンツは誰がどう管理しているか把握しておかなければ改善すらできない場合があります。 自分たちが持つコンテンツから課題を発見するだけでなく、利用者が求めるコンテンツは何かも知る必要があります。そのためにユーザー調査があるわけですが、調査を通してコンテンツに関わる以下の課題を解決することができます。 言葉 : 配信側の言葉遣いや分類の仕方が、利用者と同じとは限りません。ニュアンスが似ているだけでまったく違う言葉を使っている可能性があります。 メンタルモデル : モノ・コトの見方や行動は、固定概念や前提に大きく影響されています。利用者のもつ概念や期待は何でしょうか。 ニーズ : 配信側になると「伝えたい」「売りたい」という気持ちが先立つことがあります。伝えることは重要ですが、利用者が必要としているものを提供できなければすれ違いになります。 優先順位 : 作りたいコンテンツ、導入したい機能はたくさんあります。何をどの順番に作れば良いのかを決める判断基準としてユーザー調査が役に立ちます。 どのプロジェクトでもユーザー調査をするべきですが、予算や時間が限られている場合、十分な調査ができない場合があります。しかし、だからといって調査をまったくしないのは良くありません。調査ゼロより、何かしらの調査があるほうがデザインへの理解が格段に上がるからです。書籍などで書かれているような調査ができないからといって諦めず、簡単にできることからスタートすると良いでしょう。 時間をかけなくても利用者が求めるコンテンツを見つける方法は幾つかあります。

ガイドライン

コンテンツ運用に役立つツールあれこれ

意外と忘れがちな運用向けツール Web サイトは作ってからが本番と言われて久しいですが、運用は簡単なことではありません。 CMS を実装することでコンテンツ入力の敷居は下がりますが、誰かがコンテンツを作らない限り何も始まりません。また、コンテンツ設計・制作・配信・分析の各ステージで必要になるツールが異なることがあります。例えば設計時であれば、ペルソナや運用ガイドラインが必要ですが、配信時であればエディトリアルカレンダーやソーシャルメディアガイドラインが求められます。 デザインもイラストも文章もひとりで作って出せる場合があります。しかし、こうした個に頼る運用では成長が難しくなります。コンテンツが作れたとしても、何か基準がなければ「我が社として適切なコンテンツを出している」と言い切れないですし、配信を躊躇することもあるでしょう。チームで役割分担した場合でも課題はあります。デザインチームがグラフィックを作るまで何もできないという状態はなるべく避けたい一方、不本意な見た目のまま公開されるのも困ります。 日々の運用に役立つツールを揃えるのは、短期的には効果が見難いですが、コンテンツ制作の量と質を向上するために欠かすことができません。Word や PDF といった印刷物に適した形式ではなく、オンラインツールを活用したほうが、共有だけでなく、情報の更新がしやすくなります。 コンテンツ運用のためのツール一覧 簡単なところだと、言葉を合わせるための『辞書』を作ることができます。Google スプレッドシート で共有するのも手段ですし、

コンテンツ

次へ繋げるためのコンテンツファーストなプロセス

7月2日 Web Creators Kochi 主催で「コンテンツ設計から考えるUXデザイン基礎講座」が開催されました。これは、金沢や高松など数カ所で開催したワークショップのアップデート版。以前はカスタマージャーニーマップを活用して必要なコンテンツを見つけ出すというワークがありましたが、今回はコンテンツインベントリを使うなど、現状を監査しながらニーズを見つけ出すという内容に調整しました。 抽象的なデザイン手法の課題 私は「利用者」と「コンテンツ」は鶏と卵のような関係だと考えています。利用者のことを考えなければ良いコンテンツは作れないですし、良いコンテンツが作れる体制がないまま理想の利用者体験を考えていても仕方ないわけです。 デザインプロセスにおいて、利用者ニーズを調査することは必須。しかし、以下の課題をプロジェクトに関わる人たちと共有できないのであれば、「利用者体験の理想は分かったが、さてどうしよう」ということになります。 ニーズに合うコンテンツはどこにあるのか? それが適切な構造になっているか? ニーズの先にあるものは?具体的な行動になるものか? 正確、かつ十分なコンテンツが用意されているか? 人を理解すること。特に最初は「自分は何も分かっていない」という姿勢で取り組む必要があります。しかし、デザイナーの役割は何かを作ることであり、調査が主な仕事ではありません。つまり、具体的なアクションで繋げるための調査でなければ、理想を語るだけの場になる可能性があります。ここが「

コンテンツ

リニューアルやCMS導入前に解決したいコンテンツの課題

2016年6月25日、仙台市で MTDDC Meetup TOHOKU 2016 が開催されました。本イベントは、Web 解析、パフォーマンス、セキュリティなど「Movable Type」という言葉を一度も聞かないセッションが半分以上占めていました。イベント運用チームに伺ってみたところ、Movable Type を開発している Six Apart も製品に止めず幅広いトピックを扱ってほしいと助言しているそうで、それが講演者のラインナップにも影響しているのかなと思いました。 ツールやプログラミング言語のイベントだと、同じ言葉、同じ趣向をもった人達が集まる傾向があります。コミュニティを育てるという意味で深く学ぶキッカケを作るのは大切なことですが、内向化してしまう恐れもあります。どちらが良いとは言えないですが、新しい人にも興味を持ってもらうためにトピックの幅を特定のツールや言語を超えるのは有効な手段でしょう。 私は「2020年以降を見据えたコンテンツ設計」という題名で、コンテンツデザインを扱った話をしました。MTDDC Meetup TOHOKU 2016 のテーマが「自治体 Web サイト」だったので、地元の自治体

UI

UIガイドラインから学ぶライティングの基礎

言葉で決まるアプリの印象 2 年前に発表されて以来、細かな更新が続いている Material Design。最近、UI の動きに関するガイドが大幅に改変されたことで、感覚的なところも共有しやすくなってきました。Android アプリにおける UI デザインの基礎を固める上で、Material Design は非常に参考になりますが、このガイドラインは見た目のことばかり書かれているわけではありません。 Material Design の中には「Writing」と呼ばれる言葉遣いに関する項目があります。ボタンのような操作 UI のラベルはもちろん、エラーメッセージや、挨拶文など、アプリに表示されるテキストすべてに関してガイドラインが制定されています。言葉は大事なインターフェイスですから、きちんと項目をつくって紹介してあるのは素晴らしいことです。 以下、「Writing」項目で紹介されているガイドラインの意訳と私見の解説。項目が多く、英語に特化したものもあるので、気になるポイントをピックアップしました。 「You あなた」「My わたし」とは誰なのか明確にする 「あなたのマイアカウント…

コンテンツ

コンテンツに関わる5つ課題と発見の共有

人とコンテンツとの関係 コンテンツは既にあるから、デザインができる。 あとで流し込めば良いから、コンテンツ制作は先送りができる。 こうした考えが、自己主張ファーストなコンテンツになっていたり、後付けのマルチデバイス対応に繋がります。現存のコンテンツが十分利用可能だったとしても、一度立ち止まってコンテンツに関わる様々な課題の発見に時間を削ぐようにします。以下の 5 つの課題の洗い出しは、大幅なリニューアルから、ランディングページまで様々な規模のプロジェクトで必要になります。 訪問者(読者)が求めていること 配信側が求めていること 配信側が実際必要になるアクション いつ、何を配信するか どのチャンネルでコミュニケーションをとるか 例えば CMS の選択や、そこでのカスタマイズも、どのようなコンテンツが保管・管理がされて、どのように配信されるかをあらかじめ知っておくと大きく変わります。利用者のことを見るだけでなく、配信側(企業・団体)のニーズや規模感も考慮することは、UX デザインプロセスには欠かせない視点。さらに「実際、どこでどのように何を配信するのか?」という制作・運用までの戦略を考えるところがコンテンツデザインの面白いところです。 ペルソナやカスタマージャーニーマップといった UX

コンテンツ

デザイナーが見たオウンドメディアの課題と接点

4月21日に開催されたオウンドメディア勉強会に参加してきました。肩書きがデザイナーの参加者は私ひとりという個人的に珍しい環境での集まりでしたが、自身のサイトでもコンテンツに関わる記事を幾つか書いていますし、何か学べることがあると思って参加しました。バズワードと化したオウンドメディアやコンテンツマーケティングですが、第一線で活躍されている方たちの実態を知るという意味でも有意義な時間になりました。 バズることは重要なのか 毎回テーマを変えてディスカッションをしているオウンドメディア勉強会ですが、今回の議題は「バズ記事を生み出す編集会議」。バズ記事という言葉を聞くと、PV を稼ぐために釣り記事を作るための施策?と思う方もいるかもしれません。Yahoo! トピックスに載るという緩い目標も耳にしましたが、そもそも何をもって『バズ』と呼ぶのかといった根本的なところから意見交換ができました。具体的なビュー数を出すところもあれば、KPI や滞在時間といった別の指標を組み合わせて判断しているという方もいました。 バズという言葉は、今までリーチしなかった人々へどれだけ届けることができるのかという意味も含まれていると思います。そのようにバズを捉えるのであれば、初めて訪問された方の割合がどれくらいあるのか、今まで見られなかったサイトからの流入があったのかを調べるのも判断材料になるかもしれません。 今回のディスカッションはグループに分かれてされましたが、私が参加したグループで興味深かった傾向として、バズという現象に強い興味を示していなかった点。もちろんたくさんの方に見てもらうために日々努力しているわけですが、むしろお問い合わせといった KPI や、定期訪問者獲得のために何ができるのか模索しているようでした。 私も幾つかのメディアサイトのアクセス解析をしたことがありますが、バズる記事になればなるほど直帰率が上がったり、訪問時間も短くなるという傾向を見たことがあります。バズ記事を通してたくさんの方に見てもらったという事実は残るものの、それを中長期的な視点からメディアサイトを評価したときに利益になるのかどうか疑問が残りました。 やっていることはデザイン ページビューではなく、自社の利益のために何ができるのかを考えていることから、コンテンツもその目標のために作られています。

コンテンツ

Mediumでコンテンツ配信して気づいたこと

遠くなりはじめた Web サイト 2015年11月から12月にかけて Medium のほうでコンテンツ配信をしていました。 Medium は昨年から日本へ本格進出をしていることから、注目している方も少なくないと思います。Medium の人気の秘密は、使いやすくコンテンツの邪魔をしないライティング環境を提供している部分だけではありません。Twitter の創業者のひとりであり、現 Medium の CEO である Evan Williams を中心としたスタートアップ & テック界隈から徐々に Medium の文化が広がったという背景も魅力。こうした機能やデザインだけでは表現できないところまで日本語化されているわけではないですし、日本では昔からあるブログプラットフォームをはじめ、書く環境が豊富に揃っています。 私の場合、情報発信ができる環境が既にあるので Medium に魅力を感じていなかったわけですが、ある実験・検証をしたくて始めることにしました。 ここ 1, 2 年感じていることですが、自サイトのみでコンテンツ配信することの限界を感じています。以前であれば、記事を書いて、ソーシャルメディアで告知すれば人が集まっていましたが、今はそれだけでは通用しなくなりつつあります。

アクセシビリティ

コンテンツデザインから始めるWebアクセシビリティ

理解という名のアクセシビリティ Web アクセシビリティの課題には大きく分けて 2 種類あります。ひとつは、色、形状、動きといった視覚に関わること。そしてもうひとつは、マークアップをはじめとしたマシンリーダブルに関わることです。マークアップが正しく記述されていて、視覚的にも分かりやすいことは Web アクセシビリティの確保において必須ですが、これらとは別に『第三の課題』のようなものがあると考えています。 それは利用者が理解できるコンテンツを制作・配信するという課題です。正しくマークアップされていたとしても、そのマークアップされたコンテンツが人にとって理解しにくいものであればどうなるでしょう。利用者はタスクを達成することができないでしょうし、情報を求めて彷徨うことになるかもしれません。 単に情報へアクセスできるだけでなく、意味のある情報へアクセスできるようにする必要があります。利用者の目的が達成されないという結果になってしまえば、たとえ Web サイトに情報があったとしても、利用者の視点からは「情報へアクセスできなかった」という評価になります。JIS X 8341-3:2010 でも WCAG でも「理解しやすい情報を提供する」ことの重要性がガイドラインとして書かれているので無視できません。 では、どのように考え、

コンテンツ

コンテンツをデザインするということ

見た目はとても重要だけど 第一印象は Web サイトやアプリデザインでも重要です。見た目が良いということで、使い始めてくれる場合がありますし、製品やサービスの評価が中身ではなく見た目で判断されることがあります。人は 0.05 秒で Web サイトの良し悪しを判断する傾向にあるので、見た目は良くしておくべきでしょう。しかし、長く使われる要因がビジュアルではなく、コンテンツということは多々あります。 例えば Reddit はデザインが洗練されたサイトとは言えませんが、世界的に利用されているサイトです。 利用者が求めているコンテンツがそこにあれば、見た目が少し良くなくても人は戻ってきます。 しかし、これは良質のコンテンツがあれば、デザインは必要ないという意味ではありません。先述したように、見た目で印象が変えることができますし、使い勝手も向上すればコンテンツへアクセスしやすくなるはずです。 そこで「コンテンツをデザインする」という考え方が重要になります。 コンテンツデザイナーがすること 「コンテンツをデザインする」 この言葉を目にすると、タイポグラフィに細心の注意を払うことや、コピーライティングをすることのように見えますが、そうではありません。コンテンツをデザインするということは、利用者が求めている情報を利用者の文脈に適した形状で提示できるように設計することを指します。 コンテンツデザインにおける利用者の文脈は、以下の 3 つに分類することができます。

コンテンツ

Webサイトの成熟へ導くシンプルな視点

11月7日に Jimdo で作成された年間ベストページを決定する「Jimdo Best Pages 2015」が開催されました。このイベントで、株式会社ウェブライダーの松尾 茂起さん、株式会社インプレスの瀧川 正実さんと一緒にベストページの審査をしました。 個人的に文脈をきちんと理解していない Web サイトを評価することに躊躇がありました。漠然とした印象の評価にならないように、自分なりに情報収集をしたり、アワードとは別の視点から評価指標を設けるなど工夫をしました。手間のかかる作業になりましたが、Jimdo の枠を超えた課題を幾つか見つけることができました。CMS、画面設計、コンテンツ運用の課題が、表層的なデザインにも影響するものだと改めて思いました。 初めての次へどう進むか Jimdo のユーザー層で特徴的なのが、本サービスで初めて Web サイトを作ったという方が多い点。Jimdo は多くの方に「始めよう」と思えるキッカケを提供できているわけですが、作り手の「伝えたい」という気持ちが先立っている Web サイトが目立ちました。 Web サイトにある 3

コンテンツ

Webサイトにある3つの成長段階

成長するWebサイトの違いはなにか 昔は立ち上げることだけで価値があった Web サイトですが、次第にそうではなくなりました。きちんとした戦略を立てなければ、ターゲットにしているお客様に届かなくなりましたし、関係を維持するための施策がなければ、すぐに関係が絶たれることもあります。今は Web サイトを作ったことだけで満足していては自己満足で終わってしまいます。 Web サイトはどのように成長していくのでしょうか。作っただけのサイトと、成長過程にあるサイトの違いは何でしょうか。Web サイトが成熟するための段階が 3 つあると考えられます。 まず最初の段階にあるのが、企業側(コンテンツ配信者側)が必要だと感じることを優先的に出す状態。自分たちが扱っている製品やサービスがどれだけ素晴らしいかをアピールしたり、短期的に利益を上げるための施策を重要視します。見せたいコンテンツがたくさんあるので、訪問者側が欲しいと思うコンテンツの優先順位が低かったり、見せたいコンテンツは訪問者も欲しいと思い込んでいる場合もあります。 Web サイトを初めて立ち上げる企業は、Web サイトは自分たちをアピールする広告スペースやパンフレットと見なすことがあります。程よい SEO と、Web 広告を出せば人が集まってくるので効果があるように見えますが、訪問者と意味のある関係を築くのは困難です。 自分たちが魅せたいコンテンツのすべてが、訪問者から求められているわけではないことに気付くことで、次の段階へ進むことができます。 次の段階にあるのが、企業側が必要だと感じるコンテンツを出しつつも、

コンテンツ

コンテンツタイプの理解と分類のコツ

コンテツタイプの把握が不可欠な理由 コンテンツモデルの基礎と活用メリットで、コンテンツをひとくくりにまとめるコンテンツタイプを紹介しました。コンテンツタイプには、ニュースリリース、レビュー、レシピ、チュートリアルなど様々な種類があります。これらがどのような項目で構成するのか考える前に、そもそもどのようなタイプのコンテンツが制作・管理されているのかを知る必要があります。 様々なコンテンツタイプがあるにも関わらず、CMS では「本文」という大きな枠にまとめて入力することがあります。カスタムフィールドやプラグインで解決するといった方法もありますが、五月雨式に項目を増やすよりコンテンツタイプごとに設計できたほうが維持・管理がしやすくなります。 CMS の設計のためにコンテンツタイプを把握するのも目的のひとつですが、それだけではありません。様々なコンテンツタイプがひとまとめで管理されていることのデメリットをクライアントに理解してもらう必要があります。コンテンツタイプ幾つか用意することで、構造化されたコンテンツが作りやすくなるだけでなく、利用者に関わる以下の課題の解決に繋がります。 利用者の期待 情報をただ分類すれば良いというわけではないのがコンテンツタイプの難しいところ。コンテンツがきちんと分類されていたとしても、ニーズに応えていなければ機能しないことがあります。利用者やコミュニティがもつ独自のニーズに合わせたコンテンツタイプを特別に設ける場合があります。 例えば文房具を販売にしているサイトであれば、製品情報を細かく入力できることはもちろんですが、利用者が主に法人であれば、一般消費者向けの製品情報にはない独自の項目を追加するべきでしょう。 業界の文法とのギャップ 業界として決まった言い回しや分類の仕方があるとしても、それが利用者の捉え方と同じとは限りません。赤ん坊向けの玩具の販売をしている場合、「赤ん坊」だけではキーワードとして不十分です。「赤ちゃん」「ベビー」でも見つかるべきですし、

コンテンツ

脱ダミー文字から始めるコンテンツデザイン

ダミー文字はリスク ユーザーは読まないと言われているものの、言葉はユーザーとコミュニケーションをするための基盤です。流し読みでも理解できるような設計がされているか。次のアクションへ結びつく動機が提供されているかは、言葉で決まることがあります。ビジュアルが注目されがちな UI デザインですら言葉が重要なデザイン要素になります。 デザインはコンテンツの価値を増幅したり、利用者の欲求を満たしたり目的達成の補助をするためにあります。もし、ダミー文字をつかってデザインすることは、ユーザーとのコミュニケーションを破棄した状態で彼等がもつ課題を解決しようとしているようにみえます。デザイナーはダミー文字をもっと敵視しても良いと思います。 ダミーの情報を入れるのは簡単です。Loren Ipsum のようなジェネレーターがありますし、日本語でも似たようなものはあります。今は文字だけでなく、ユーザーアイコンをはじめとしたダミー画像生成サービスも多数あります。これらは非常に便利ですし、こうしたサービスを利用することで早くデザインが提出できるというメリットもあります。しかし、便利さに甘えることで、作り手にとって都合のよいデザインを作ったり、様々な重要な課題を後回しにしていることがあります。 利用者が求めている情報が適切に表記されているか? 次の行動へ移るために重要な情報量が提示されているか? どれくらいの長さの文字が入るか? 長さが異なるコンテンツが並ぶとどうなるか? 誰が書くのか?その人はどれくらい書く能力があるのか? CMSやガイドラインで制定しているルールはあるか? 言葉のトーンはどのような感じか? コンテンツを考慮しないデザインは実装だけでなく運用も難しくします。制作の早い段階から実際につかうコンテンツがあるのが理想的ですが、そういったことはごく稀です。そこで、以下のような方法を用いて『本物に近いデザイン』を考えるようにしています。 自分で書く

コンテンツ

わたしが広告を掲載しない理由

このサイトに始めて訪れた方は、広告がないことに気付いたでしょうか? 以前から読者である方のなかには、このサイトにはなぜ広告がないのか不思議に思っている方もいるかもしれません。現在の Web 広告には以下 5 つの問題を抱えていると考えており、掲載を控えています。 技術の問題 ユーザー体験の問題 デザインの問題 コンテンツの問題 モラルの問題 読者の足を引っ張る広告たち 何度か広告ネットワークから掲載オファーをいただいたことがあります。多くの場合、複数の JavaScript を埋め込む必要があり、パフォーマンスへの多大な影響がでることから掲載を断っています。うちのような小さなサイトであれば大きな変化はないかもしれません。しかし、ちょっとしたパフォーマンスへの負債が積み重なれば読者への影響も多大なものになります。 上記の数値は、ある有名な日本のブログメディアのトップページのファイルサイズとリクエスト数です。広告ブロックを使うことで、ファイルサイズとリクエスト数が著しく変わるところからみても分かる通り、広告はパフォーマンスの大きな足かせになっています。サイトによってはトップページより記事ページのほうが広告が多いことがあるので、この差はさらに広がります。また、ビデオ広告になると10MB を超える転送量になるでしょう。 ただ「コンテンツが読みたい」と思っていても、これだけの足かせがあるわけです。高速回線のデスクトップでも「画面を読み込んでいるな」と感じるスピードなわけですから、回線が不安定な環境だとさらに不快なものになります。 そもそもなぜ

コンテンツ

コンテンツを見直すための魔法のシートが必要な理由

マーケティングとデザインの共通点 2015年6月27日大阪 Re:Creator’s Kansai 主催のイベント「基礎からきちんとマーケティング」に登壇しました。デザイナーとして働いているのでマーケティングは畑違いのように見えますが、以前からマーケティングを扱った記事をたくさん書いています。カスタマージャーニーマップのようなマーケティングの手法がデザインプロセスの一部として採用されていたり、デザイン思考がマーケティングに取り込まれているなど、共通するところが幾つかあります。 例えば UX を学んでいるうちに行動経済学に興味を持つ方もいるでしょう。行動経済学はデザインにも取り込める興味深い学問ですが、マーケッティングを深く知る上でも役立ちます。デザインとマーケティング両方に興味をもつことは、デザイナーとしてごく自然のことではないでしょうか。人のこと、市場のこと、社会のことを知らないとデザインできないことろが増えてきています。 デザイナー向けのセミナーでマーケティング寄りの話をすることは以前からありましたが、関係性をうまく伝えきれていませんでした。今回のイベントは、Webプロデュース / マーケッターとして活躍しているインターネットストラテジーの角掛健志さんと一緒にできたので、マーケティングとデザインの関係性がより明確になったと思います。 作る前に知るべきこと 今回「課題を導き出す魔法のシートの作り方」と題して講演しました。魔法のシートという目新しいキーワードを入れてありますが、このサイトで以前から紹介している「Content Inventory (コンテンツ・インベントリー)」のことです。スプレッドシートにひたすらデータを入力する作業なので敬遠されていた方もいると思いますし、デザインと関係ないと感じていた方も少なくないと思います。 魔法のシートは、

コンテンツ

ユーザーを補助するための「見せる」コンテンツ

語るより見せたほうが早い スマートフォンをはじめとしたタッチデバイスが世の出回って 5 年以上経つわけですが、タッチ & ジェスチャーをどうすれば良いのか分からないことがあります。アプリによって右スワイプというシンプルな動作のフィードバックが異なりますし、特殊なジェスチャーで機能へアクセスできるものもあります。分断化するジェスチャー操作は随分昔からの課題ですが、最近ではユーザーのオンボーディング体験を通じて、操作を学習してもらうといった対策がなされているところもあります。 特殊な操作をユーザーに学習してもらうには、どのような表現が適しているのでしょうか。 従来は明確なテキストや、スクリーンショットを通して説明することが多かったですが、最近では動画が使われる機会が増えています。OS X で関心したのが「システム環境設定」のなかにあるトラックパッドの設定画面です。通知センターや、辞書で調べるといった操作をジェスチャーで実行することができますが、それらをすべて動画で説明しています。テキストや図だけでは理解しにくい操作も、動画であればどのように動かせばよいのか分かるだけでなく、実際画面でどのような表示になるのかも把握できます。もちろん、動画に合わせて自分で操作(練習)することもできます。 動画がないと理解が難しくなる例として、おなじ Apple が出している Watch 用のヘルプコンテンツがあります。以下の図は、Apple Watch の機能とジェスチャに記載されている図を抜粋したものです。 製品ページには、動画をつかったガイドページが用意されていますが、