既に来ている機械化の波とデザイナーができること
デザインをはじめとしたクリエイティブ分野は、自動化・機械化の波に影響を受けない『安全地帯』ではありません。
クリエイティブは機械化できる?
デザイナーは作ることがすべてではないですし、代わりに作ってくれるツールも年々増えてきます。感性が必要なデザインですから機械化が難しいように見えますが、そんなことはありません。デザインには科学的に説明できるところが少なくありませんし、機械化が進めばよりバラエティに富んだデザインを瞬時に作り上げることができるようになるはずです。
デザインの自動化・機械化という文脈で象徴的な出来事といえば、Adobe Sensei の発表です。Sensei は、人工知能(AI)と機械学習を活用して、写真補正、3Dモデリング、アニメーションなどデザイン作業の効率を劇的に変える技術です。
デザイナーにとってプラスになる技術であることは間違いないですが、デザインツールの中に留まることではないと思います。エンタープライズ向けソリューション Experience Cloud との連携で、CMS が自動的に最適なレイアウトを作ったり、コンテンツ配信のために必要な素材を生成するという世界も考えられます。本来、デザイナーがしなくて良いような単純作業をしなくて済む未来は近いわけですが、「作ること=デザイン」という考え方を再考するタイミングには来ています。
実際に使うことができるサービスは幾つか存在します。プロのデザイナーの目から見ると「まだまだ」と言えるところもあると思いますが、それなりの品質のものを瞬時に作り出してしまう点は注目です。
- MarkMaker : ロゴデザイン
- Logojoy : ロゴデザイン
- Treck : 最適な写真を見つけてカタログ化
- Firedrop : Webサイトビルダー
- Wix : Webサイトビルダー
- The Grid : Web サイトビルダー
- Typesetter : Webサイトに最適なタイポグラフィ提案
- Colormind : カラーパレットの生成
人の仕事が機械によって入れ替わると心配される方もいるかもしれませんが、そうとは言い切れません。今まで手間がかかり過ぎて出来なかったことが機械学習によって実現可能になります。5万書体を分析できるような技術とスピードがあれば、今まで以上にデザインの模索がしやすくなりますし、デザイナーとしての視点も広がるはずです。UI の最適化は機械に任せて、根本的な問題解決であったり、コンセプトを視覚化していくところに時間を費やすこともできるでしょう。
まとめ
デザインの自動化・機械化はデザイナーが本来しなければならない仕事を見つけるヒントを提示しているように見えます。ロゴをただ作るだけであれば、機械化できるはずです。しかし、それがプロジェクトにおいて最適解なのか、コンセプトや感情が伝わって納得できるものかは別の課題です。だから、手作りしましょう … ではなく、模索や最適化といった機械が得意とする分野を理解した上で、どう利用するかを考えるべきだと思います。
デザインをはじめとしたクリエイティブ分野は、自動化・機械化の波に影響を受けない『安全地帯』ではありません。デザインの仕事を「作る」だけに絞ると脅威かもしれませんが、少し広げたりズラしたりすることで脅威ではなく、我々の仕事を増幅させるものになるはずです。