ピクサーが考えるイノベーションの鍵
正直言って、12月の公開まで待てない Pixar の新作「Wall-E」。Pixar は初の長編 CG 映画「トイストーリー」以来、ひとつもハズレ映画を作っていないとんでもない映像制作会社です。圧巻の映像美も素晴らしいですが、シーンの見せ方や、ストーリーにたくさんのアイデアが盛り込まれていて、新作が出る度に驚きと感動があるのが最大の魅力だと思います。アニメーションの世界でイノベーションを続けている Pixar ですが、その秘密は何なのでしょうか。
「Mr.インクレディブル」「レミーのおいしいレストラン」の監督を務めるブラッド・バードが The McKinsey Quartlerly のインタビュー (GigaOM のレポート) でイノベーションのためのキーポイントについて語っています。アニメーションスタジオからの視点ではありますが、参考になるところは数多くあります。
- 厄介者達を集めよ
- 皆と違うことをしている者にチャンスを与えて彼らの主張やクリエイティビティを証明させよう。時に彼らのやり方が作り方を変える影響力をもっています
- 完璧はイノベーションの敵である
- すべてを完璧な状態にするのではなく、全体のバランスを保つことが作品全体の質を高める
- 熱い感情や行動を求めよ
- イノベーションを生む人は物静かでも、休息することなく何かを追い求める情熱をもっている
- 真空状態のような雰囲気ではイノベーションは生まれない
- プロジェクトに携わっているメンバー全員がいる場所でオープンにディスカッションをする
- 士気が高いと安上がり
- 社員の士気に注目することによって、同じ予算でも高い価値を作り出すことが出来る
- 成功を守るようなことはしない
- 安全なことをしたり、リスクを避けてばかりでは駄目。不可能を可能にするにはまず不可能を可能にすることが出来ると信じること
- インタラクション=イノベーション
- 人とのインタラクションするきっかけを増やすこともイノベーションの鍵。ピクサーのスタジオはスティーブ・ジョブスのアイデアが盛り込まれており、お手洗いを建物の中心に配置することで人々が出会うきっかけを増やしているのだとか
- 様々な分野の人が相互学習出来るようにする
- スタジオ内に幾つかクラスを設けて、誰でも専門知識が得れるようにしている
- 悪い繋がりは取り払うこと
- 表では無難に済ませて裏で陰口を叩いたりしている人はすぐに切ること
- お金がフォーカスであってはならない
- 金稼ぎのために映画を作るのではなく、よい映画をつくるためにお金をつくる