気づき・理解・納得を導きだす問いかけ
製品を「購入したい」と思うとき、デバイスを手に取って「私にも使えると」感じるとき、良いサイトを見つけて「また訪れよう」と思うとき。それぞれ異なる状況ではありますが、共通の思考プロセスが働きます。「ソーシャルイノベーションデザイン」という書籍によると、そのプロセスには3つのステップがあるそうです。
まず第一に自分はこれが必要だと感じる最初のきっかけ「気づき」。第二に必要性の「理解」を深めていき、第三の「納得」に繋がることで購入や再度の利用というアクションに繋がるといわれています。書籍では製品の購入に対して上記のプロセスを挙げていましたが、コンテンツを活かしたサイトや Web サービスにも言えることだと思います。
Webサイトに掲載されているコンテンツが利用者にとって適したものになっているかどうか、まずは簡単な質問をしてみることが最初のステップになります。では、上記に挙げた3つのステップを意識してコンテンツに関する質問をするとどのようなものが出てくるでしょうか。「気づき」「理解」「納得」をキーワードに分類して質問を考えてみました。
- 気づき
- 利用者のゴールを満たす内容になっていますか?
- 利用者はコンテンツを流し読み出来るようになっていますか?
- 情報の種類に応じて整理や構成がされていますか?
- 理解
- 掲載されているコンテンツは正確で最新のものになっていますか?
- 利用者が探しているトピックについて十分な情報が提供されていますか?
- 利用者とって分かり難い用語や略語が使われていませんか?
- 納得
- 利用者のニーズに応じて別フォーマットでコンテンツが提供されていますか?
- 適切なキーワードを使えば利用者が探しているコンテンツに辿り着けますか?
- コンテンツが発するメッセージやスタイルは利用者に適したものになっていますか?
「利用者」と漠然とした書き方になっていますが、実際はペルソナを作るなどをしてターゲットにしているしている利用者を明確にする必要があります。以前も書きましたが、コンテンツとは単にメインセクションに書かれている情報だけのことを指しているのではなく、ナビゲーションやラベリングも含まれます。広義にコンテンツとして捉えると、上記の質問は Web サイト制作プロセスの様々なフェイズで問いかけることが出来る質問だと思います。
完成に近づいたときにみるチェックリストとしての質問というよりかは、常に自身に問いかけたり、自分が作ったサイトを一歩下がって見るときの質問だと思います。