Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。

コンテンツ

コンテンツ評価をする前にしておきたい質問

質問で変わる調査の仕方 Web解析 [http://www.yasuhisa.com/could/article/data-creative/] は、コンテンツの質を評価するために欠かすことができません。しかし、いきなりデータの海へ飛び込んでも、目的を見失うことがあります。手軽に膨大なデータへアクセスできるようになった今だからこそ、データに触れる前に何を見るのかを明確にしておく必要があります。 コンテンツの評価とは、大まかに言うと「コンテンツがうまく機能しているかどうか 」を調べることです。データを通して、人々はどのようにコンテンツに触れ、どのような体験をしているのかを見出すのが解析の主な目的になります。つまり、何をもって「うまく機能している」「していない」のかを理解した上で、評価しなければいけません。もちろん、アクセス解析だけですべての答えを見つけることはできませんし、並行してユーザー調査もしたほうが良いですが、いずれの場合でも何を評価するのかを事前に理解しておきたいところ。 アクセス解析において、ページビューや滞在時間はよく取り上げられる指標ですが、サイトの種類によって適し

コンテンツ

コンテンツから先に考えなければデザインすらできない理由

ワイヤーフレームの間違った使い方 たまにリニューアル案件をいただくときがありますが、見た目より先にコンテンツを整理しましょう、一緒に作っていきましょうと説得するようにしています。このサイトでも様々な角度から コンテンツの重要性 [http://www.yasuhisa.com/could/tag/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%84/] を語ってきましたが、最もシンプルな方法は「UX を考えていきましょう」「モバイルファーストで戦略を練っていきましょう」といった専門性の高い言葉を使うのではなく、今までのやり方ではうまくいかないということを分かりやすく説明することです。 従来の Web サイト制作でよくあったのが、まずワイヤーフレームをつくって情報の大まかな構成を設計するというやり方。ワイヤーフレームを作ることは間違っていませんが、コンテンツを作る前に始めてしまうと、あとで大きなギャップを埋める作業が発生することがあります。コンテンツなしで構成を作り始めると、例えば以下のような状況に陥ります。 * 文字が多過ぎて入らない

コンテンツ

Webコンテンツを理解できる人になろう

9月13日に金沢で WDF Vol.15 [http://wdf.jp/vol15/] が開催されました。今回はポッドキャストでおなじみのたにぐちまことさん [http://automagic.fm/post/86903851720/h2o]、神森 勉さん [http://automagic.fm/post/89204549730/momojam-eri-tstudio]、そして初共演になる株式会社キノトロープ [http://www.kinotrope.co.jp/]の生田 昌弘さんとご一緒させていただきました。昨年はコンテンツに関する講演やワークショップをしてきましたが、今年は 1 月以来ストップしていました(最近は デザインプロセスの話が多かったです [http://www.yasuhisa.com/could/article/how-we-talk-about-design/] )。今回は久しぶりのコンテンツ関連の講演ということもあって「コンテンツとはなにか?」という原点に立ち返って話をしました。 「コンテンツ」と言うけど

Iconic : A Photographic Tribute to Apple Innovation
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Iconic : A Photographic Tribute to Apple Innovation

イノベーションを『誰よりも先にすること』と捉えられることがありますが、それだけではないと思います。実際、アップルが誰よりも先に製品化、サービス化したものはごくわずかです。iPod が出る前に HDD 内蔵の MP3 プレーヤーはありましたし、マルチタッチスクリーンも消費者向けではありませんでしたが、既に存在していました。アップルの魅力は、機能や仕様に捕われない、今やるべきこと、未来にできることを考慮してデザインしているところだと思います。 ハードウェア、ソフトウェア、サービスを、他にはできない連携を実現することで独自の価値観を生み出しているアップル。いずれかを抜き出して語るのは、アップルのほんの一部を語るに過ぎないかもしれませんが、それをあえて実践し、魅力を最大限に引き出している本が「 Iconic : A Photographic Tribute to Apple Innovation [http://iconicbook.com/]」です。 これは書籍というより、図鑑と言ったほうが良いかもしれません。非常に大きく重たい本なので、ソファでじっくり眺めるのに適しています。アップ

未来

dConstructで学んだWebの仕事に関わる責任

先週はイギリス、ブライトン [https://www.google.co.jp/maps/place/Brighton,+The+City+of+Brighton+and+Hove,+UK/@50.837418,-0.1061897,13z/data=!3m1!4b1!4m2!3m1!1s0x48758509f6294167:0x9cc6af7a727d0ef9] を訪問していました。目的は dConstruct [http://2014.dconstruct.org/] へ参加するためです。 あまり日本では知られていないイベントですが、今年で 10 年目になる Web と未来をテーマにした老舗カンファレンス。イベント開始当初は Web サイト制作寄りのテーマが多かったですが、ここ数年にかけてスケールが大きくなった印象があります。今年は「ネットワークに住むわたしたち 」をテーマに、

デザイン

カスタマージャーニーマップが使える理由と注意点

デザインに使えるマーケティングツール カスタマージャーニーマップ(Customer Journey Map, CJM)は、顧客がどのように製品やサービスと関わるかを視覚化することによって、課題を共有することができるツール。デザインプロセスの一部として採用されるようになりましたが、マーケティングでは顧客との接点を俯瞰して見ることができるということで 5, 6 年前くらいから注目を集めています。(外来語をそのままカタカナ表記にしたくなかったということで「体験のマッピング [http://www.yasuhisa.com/could/article/dh-prototyping-course/] 」と名付けて以前から実践しています。) オンラインでもオフラインでも顧客との接点は劇的に増えました。しかし、接点が増えたことにより利用者行動の多様化が進んだだけでなく、接点になる場所・媒体の浮き沈みも激しくなりました。また、企業やブランドに関わる利用者の心理や行動も変化してきているので「A と B と C でコンテンツやサービスを発信すれば良い」といった一方通行のメッセージ配信では伝わり難くな

デザイン

デザインが分からない人とデザイン話をするコツ

良いって何ですか? デザインの話をするのは、たとえ本業をしている方にとっても難しいことがあります。それが他分野の方ということになると、なおさらです。目的に沿って議論することで、デザインがより洗練されるわけですが、別の部署、他の役職の方との会話になると、なかなかうまくいかないことがあります。 その理由は、彼等がデザインのことを理解していないからというより、お互いが考える「正しい」を理解していないからということがあります。 Webサイトやアプリを設計・開発されている方全員「良いものを作りたい」と考えています。ただし、その「良い」のニュアンスは立場によって少し異なることがあります。「良い=売れる」と解釈する人もいれば「良い=使いやすい」と捉える方もいます。それぞれがもつ「良い」という価値観が、その人の意見や考え方に大きな影響を及ぼしています。 言葉だけでは理解ができない デザイン案を見せると、以下のようなリアクションが戻ってくる可能性があります。 * 青がどうも好きになれない * このボタンはもっと大きく見せるべきだ * 必須情報が他にもあるので、上のほうに表示させたい

コンテンツ

コンテンツワークシートを公開しました

課題が多いコンテンツ設計 昨年、マルチデバイスを見据えたコンテンツ設計 [http://www.yasuhisa.com/could/article/visualize-content-process/] というセミナー&ワークショップを全国5カ所で開催しました。未知のデバイスも考慮し、特定の見た目に捕われないコンテンツ設計と管理をするための考え方や手法を紹介した講座。参加者から高い評価をいただきましたが、幾つか課題が見えてきました。 * マルチデバイス以前にコンテンツが設計できる状態とは言い難い * 制作ワークフローのどこからどのように始めるのか不透明 * コンテンツ設計・開発には時間がかかるが理解されていない 受講者の中には、講座の内容は十分に理解できたものの、どのように活用すれば良いのかが分からない方がいました。特にビジュアルデザインから始める制作行程だと、コンテンツは(なぜか)あるものとして進んでいることがあります。実際につかうコンテンツを入れたあとに、細かなデザイン修正が何度も発生してしまうのも、原稿がないまま雑誌の表紙を作るような行程が原因ということがあります

Webデザイン

今のデザインに必要とされるコントロール

本当にコントロールできないのか WD101シリーズ [http://www.yasuhisa.com/could/tag/wd101/]の最初に、Webデザインは見た目のコントロールができない [http://www.yasuhisa.com/could/article/wd101-nocontrol-in/] という話をしました。スクリーンの大きさが多種多様なだけでなく、利用者が見た目や操作性を自由に変えることができる Web。DTPのような感覚でサイトをデザインしても、誰かの Web アクセスの利便性を損なうと指摘しました。 デザイナーはある種、混沌とした状態から秩序を生み出す能力をもっていると思います。バラバラになった情報を整理して一貫性のあるメッセージを伝えたり、混雑した Web の世界に明確な道筋を示す仕事をしています。秩序を作り出すということは、ある程度のコントロールはなくてはならないわけです。 コントロールすることがデザイナーの仕事であるとすれば、『コントロールができない Web』との相性がよくないように見えますし、デザイナーにとって非常に仕事が難しい環境のように