ブログでの会話を見えるようにするには

2005年なので少し前の資料になりますが、Noor Ali-Hasan という方がブログスフィアでどのように会話が始まってお互い繋がり合っているのかを調査した Analyzing the Social Patterns and Behaviors Associated with Blogrolls and Blog Comments という論文を発表しました。クウェート、アラブ首長国連邦、アメリカ・ダラス という異なる場所に住む 500人のブログと、それらに投稿されたコメント 4000通、サイドバーにある Blog Roll のようなリンク集を調べたそうです。視覚的に表現されたものもあるのでぜひ見て欲しいですが、論文で重要になってくるのが、場所や文化に関係なくブロガーは新しい人 (オフラインの世界で知らない人) と対話をする傾向にあるという点です。 試しに僕のサイトに投稿された過去 100以上のコメントから自分がまだ会ったことない方が何人いるか調べてみました。結果は 65.7% と半数以上は会ったことない方、知らない方になりました。3年前といえば、まだ SNS も始まったばかりですし、Blog Roll もある程度機能していた時期だったので今とは情況が違うわけですが、それでも僕のサイトに関していえば論文で書かれていることとさほど違いはないのかなと思います。例えば日記やセミナーのレポートのようにブログエントリーに書かれている内容によって知っている方が多く書き込む傾向にあるものもありますが、何か特定の話題を扱った話題の紹介、意見、感想といったものに対するコメントが多いのは知らない方かもしれません。 Ali-Hasan さんの論文で指摘されていることですが、ブログで話題になっている多くのトピックは必ずといって良いほど話題を始めた影響を及ぼす人と、それをサポートする人によって構成されているそうです。日本的な言い回しでいうとアルファブロガーがその影響を及ぼす人にあたると思いますが、彼等だけでなく、その話題をさらに多くの方に広めるサポーターのような役目にあたる方の存在も話題を広げるのに重要な役割をもっているそうです。 コメントを残す8タイプの読者の中から自分のサイトに訪れるコメントをする方はどのタイプか抜き出してみました。Ali-Hasan さんの論文や自分のサイトにコメントされている過去の傾向を探ってみると、「友達・同僚」を考慮したコメントをしやすくするための仕掛けはそれほど重要でないといえます。彼等は機能をはじめとしたデザインでコメントする頻度が上がるというより、どれだけ自分に近い話題 (趣向や考えではなく体験として) がブログエントリーに書かれているかどうかにかかってくるからです。よってブログを持っていない「思案家」に対してどういったケアが出来るかが重要になってくるでしょう。 会話という観点からみると、既にブログを持っていたりソーシャルブックマーク (SBM) などでコメントをする「情報収集家」の意見をどのように見せるかも、どのように話題が広まっているのかをみるのに重要な鍵になってきます。コメントリストで考えられるパターンでも紹介した SBM のコメントをこのサイトでも掲載するのはひとつの手段です。会話を追うツールとしておもしろいのが TalkDigger のようなブログ検索サービス。ここは特に会話を重視したブログ検索で、どの話題がどのように繋がっているのか分かるようになっています。複数のブログ検索サイトのマッシュアップサイトですし英語よりなので日本語ブログがカバーされている割合が少ないのが残念ですが、試みとしてはおもしろいですね。 ブログ間を繋げることを考えると、トラックバックの採用は捨てきれないですが、なんかあのデータの見え方はどうにかならないものか・・・。ただのリンク張ってあるエントリーもトラックバックされては「会話を追う」とは言えないわけですし、ちょっと困ったところですね。 コメントを残したり別のブログやサービスを利用することによって特定の話題に対して感想や意見を述べることが出来ます。感想や意見だけでなく、特定の部分にちょっと一言かるく言っておきたいみたいな引用に近い参加の仕方もあるでしょう。例えば Toshiya さんが教えてくれたネタりかのようにエントリーの中で印象に残った部分をハイライトしたりコメントを残したりするといった機能もおもしろいですね。これは LineBuzz のようなサービスを利用することで実装は不可能ではないでしょう。こうした機能があると長い文章でも何処が重要なのか即座に判断出来るようになるので便利ですが、同時に見た目が慌ただしくなりそうなので、On/Off みたいな別の機能が必要になってくるかもしれません。 コメントを付けた者同士、もしくは「黙読者」でも繋がれる仕掛けとして MyBlogLog はおもしろいですよね。どうもウィジェットの見た目がいただけないので、Webサービスを利用してサイトデザインに馴染むようにすることも出来ます。ただ、本当に MyBlogLog を入れるべきかどうか判断が難しいですね。例えば「黙読者」の方は自分が読んでいることを知られたいと思わない方もいるでしょうし。そういった方は MyBlogLog に会員登録しなかったら問題ないのかもしれませんが、個人的にどんな方が訪れているのか気になるもの。まだ迷っている部分ではあります。 今回のエントリーをはじめコメントに関する話題を幾つか書いて来たわけですが、答えより疑問や課題が増えてしまっただけなのかもしれません。しかしこれを抜きにして情報設計のフェーズに入っても結局この部分に戻って来ることになったり、何かズレを感じる結果になるかもしれません。見た目を整えるインターフェイスデザインでは、コメントの部分はかなり後回しになることもあると思いますが、特にブログのような読者との接点が多いプラットフォームではここがかなり重要な部分になると思います。

Noor Ali-Hasan

2005年なので少し前の資料になりますが、Noor Ali-Hasan という方がブログスフィアでどのように会話が始まってお互い繋がり合っているのかを調査した Analyzing the Social Patterns and Behaviors Associated with Blogrolls and Blog Comments という論文を発表しました。クウェート、アラブ首長国連邦、アメリカ・ダラス という異なる場所に住む 500人のブログと、それらに投稿されたコメント 4000通、サイドバーにある Blog Roll のようなリンク集を調べたそうです。視覚的に表現されたものもあるのでぜひ見て欲しいですが、論文で重要になってくるのが、場所や文化に関係なくブロガーは新しい人 (オフラインの世界で知らない人) と対話をする傾向にあるという点です。

試しに僕のサイトに投稿された過去 100以上のコメントから自分がまだ会ったことない方が何人いるか調べてみました。結果は 65.7% と半数以上は会ったことない方、知らない方になりました。3年前といえば、まだ SNS も始まったばかりですし、Blog Roll もある程度機能していた時期だったので今とは情況が違うわけですが、それでも僕のサイトに関していえば論文で書かれていることとさほど違いはないのかなと思います。例えば日記やセミナーのレポートのようにブログエントリーに書かれている内容によって知っている方が多く書き込む傾向にあるものもありますが、何か特定の話題を扱った話題の紹介、意見、感想といったものに対するコメントが多いのは知らない方かもしれません。

Ali-Hasan さんの論文で指摘されていることですが、ブログで話題になっている多くのトピックは必ずといって良いほど話題を始めた影響を及ぼす人と、それをサポートする人によって構成されているそうです。日本的な言い回しでいうとアルファブロガーがその影響を及ぼす人にあたると思いますが、彼等だけでなく、その話題をさらに多くの方に広めるサポーターのような役目にあたる方の存在も話題を広げるのに重要な役割をもっているそうです。

コメントを残す8タイプの読者の中から自分のサイトに訪れるコメントをする方はどのタイプか抜き出してみました。Ali-Hasan さんの論文や自分のサイトにコメントされている過去の傾向を探ってみると、「友達・同僚」を考慮したコメントをしやすくするための仕掛けはそれほど重要でないといえます。彼等は機能をはじめとしたデザインでコメントする頻度が上がるというより、どれだけ自分に近い話題 (趣向や考えではなく体験として) がブログエントリーに書かれているかどうかにかかってくるからです。よってブログを持っていない「思案家」に対してどういったケアが出来るかが重要になってくるでしょう。

会話という観点からみると、既にブログを持っていたりソーシャルブックマーク (SBM) などでコメントをする「情報収集家」の意見をどのように見せるかも、どのように話題が広まっているのかをみるのに重要な鍵になってきます。コメントリストで考えられるパターンでも紹介した SBM のコメントをこのサイトでも掲載するのはひとつの手段です。会話を追うツールとしておもしろいのが TalkDigger のようなブログ検索サービス。ここは特に会話を重視したブログ検索で、どの話題がどのように繋がっているのか分かるようになっています。複数のブログ検索サイトのマッシュアップサイトですし英語よりなので日本語ブログがカバーされている割合が少ないのが残念ですが、試みとしてはおもしろいですね。

TalkDigger

ブログ間を繋げることを考えると、トラックバックの採用は捨てきれないですが、なんかあのデータの見え方はどうにかならないものか・・・。ただのリンク張ってあるエントリーもトラックバックされては「会話を追う」とは言えないわけですし、ちょっと困ったところですね。

コメントを残したり別のブログやサービスを利用することによって特定の話題に対して感想や意見を述べることが出来ます。感想や意見だけでなく、特定の部分にちょっと一言かるく言っておきたいみたいな引用に近い参加の仕方もあるでしょう。例えば Toshiya さんが教えてくれたネタりかのようにエントリーの中で印象に残った部分をハイライトしたりコメントを残したりするといった機能もおもしろいですね。これは LineBuzz のようなサービスを利用することで実装は不可能ではないでしょう。こうした機能があると長い文章でも何処が重要なのか即座に判断出来るようになるので便利ですが、同時に見た目が慌ただしくなりそうなので、On/Off みたいな別の機能が必要になってくるかもしれません。

コメントを付けた者同士、もしくは「黙読者」でも繋がれる仕掛けとして MyBlogLog はおもしろいですよね。どうもウィジェットの見た目がいただけないので、Webサービスを利用してサイトデザインに馴染むようにすることも出来ます。ただ、本当に MyBlogLog を入れるべきかどうか判断が難しいですね。例えば「黙読者」の方は自分が読んでいることを知られたいと思わない方もいるでしょうし。そういった方は MyBlogLog に会員登録しなかったら問題ないのかもしれませんが、個人的にどんな方が訪れているのか気になるもの。まだ迷っている部分ではあります。

今回のエントリーをはじめコメントに関する話題を幾つか書いて来たわけですが、答えより疑問や課題が増えてしまっただけなのかもしれません。しかしこれを抜きにして情報設計のフェーズに入っても結局この部分に戻って来ることになったり、何かズレを感じる結果になるかもしれません。見た目を整えるインターフェイスデザインでは、コメントの部分はかなり後回しになることもあると思いますが、特にブログのような読者との接点が多いプラットフォームではここがかなり重要な部分になると思います。

筆者について

Photo of Yasuhisa Hasegawa

組織の一員となるスタイルで一緒にデザインに関わる課題を解決するといった仕事をするなど、チームでデザインに取り組むためのお手伝いをしています。各地でデザインに関わる様々なトピックで講師をしています。