カテゴリとタグを上手に使い分ける

WordPress のスクリーンショット

CMS にタグというコンセプトが組み込まれる以前は「カテゴリー」はどういった情報がコンテンツに含まれているのかを示すものでした。例えば、Mac、映画、ライフハック、仕事といった具合だと思います。しかし、タグ機能が CMS に導入されるようになると、以前カテゴリ名として扱っていた名称 (キーワード) がタグへ移行していきました。

ここで課題になってくるのが、タグがコンテンツに含まれている情報を示すようになったので、カテゴリに明確に違う役割を示さなくてはならないところです。もし従来のように「Mac」というカテゴリを作ってしまうと、Macに関する情報が書かれたエントリーに Mac というタグを書き込むことは重複になりますし、管理する側もこれはカテゴリなのかタグなのかというのが分かり難くなり、記事によって異なる示し方になりかねません。

ブログエントリーとひとことで言ってもエントリーによって様々なタイプ (形式) があります。徒然と文章が書かれていることもあれば、リストだけで終わっているものもあります。どういったブログエントリーを書くかによって、文章の構成は変わりますし、場合によっては文体も変わるでしょう。そこでカテゴリをエントリーのタイプと見なして考えてみました

このサイトではブログエントリーを7つのタイプに分けています。

Article (記事)
たぶんうちのサイトでは、これがメインコンテンツになっていると思います。以前から心がけていますが時間が経過しても、さほど色あせしないエントリーを書いているのが記事にあたります
Review (レビュー)
音楽、書籍、セミナーなど様々なレビュー(感想)を書きたいときに選択します。もちろんマークアップは hReview です
Follow Up (追記)
追加情報、続編、フィードバックに対する応えなど以前書いたエントリーの続きを書きたいことがあります。ちょうどこの記事のように「◯◯の続きです」と明記し、前の記事にもアクセスしやすくします
Round Up (まとめ)
その名のとおりひとつのテーマに沿って幾つかの小さな情報をひとまとめにしておきたいときに使います。主にリンク集とサイトの解説になります
Links (リンク)
まとめは特定のテーマに沿ってリンクや情報をリストするタイプですが、こちらはリンクを自由にリストします。いろいろエントリーみたいなやつですね
Announcement (告知)
セミナーの告知や制作に携わった仕事の紹介など時系列と密接に関係したエントリーを書きたいときに選択します
Diary (日記)
これ説明しようがないですね。普通に日記です

こうした分け方をするメリットは幾つかあります。例えば読者によっては、この人が選ぶリンクだけが見たいと考える人もいるでしょうし、最近の活動や近状報告だけみたいという方、じっくり記事を読みたいという方もいるでしょう。タイプ別けすることでその人に合った情報 (もしくはその人の今のムードにあった情報) を提示しやすくなります。あらかじめ「Article」と分かっていたら後で読むかどうかの判断もしやすいかもしれません。また「Mac」というキーワードで検索をした場合も、タイプに応じて自分で飛ばし読みするか、ブックマークするかといった判断もしやすくなるでしょう。

カテゴリ (タイプ) とタグを明確に別けたときのイメージ

今回デザインしていくサイトに記事を蓄積していく際にタイプ別けはひとつのソリューションだと思いますが、課題も幾つかあります。

  • そもそも7タイプがすべてなのか。それとも分け過ぎなのか。これは皆さんの意見も聞きたいですね
  • URLの投稿スラッグ部分が重複してしまう可能性がある。そう考えると日付 URL と迷うところ
  • タイプが明確に分かるデザインが必要
  • タイプに応じて異なるレイアウト (情報配置) の提供も考慮するべき
  • タイプ別に検索出来たり、キーワードから特定のタイプを引き出すといった絞り込み検索は可能かどうか
  • 他のカテゴリ機能の使い方は考えられるか

ブログエントリーの管理の仕方という、かなり基本的な部分ですし、さらに多くのエントリーを書かないと見えて来ない課題も幾つかあると思います。しかし、ここを考えるか考えないかでデザインの取り組み方も変わって来るのではないでしょうか。大事な『材料』なのでこれからも吟味していこうと思います。

Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。