MIT Media Lab に所属し、現在 Rhode Island School of Design の学長である John Maeda。 今も日本をはじめ世界各地を飛び回りながらアイデアや作品をブログを通して発表したりしています。そんな彼が 2006年に出版した「The Laws of Simplicity」は、彼の作品のテーマにもなっている『シンプル』をテーマに、デザインやアートだけでなく、人生そのものについても書かれている興味深い本です。シンプルには 10つの『法則』があり、彼の経験に基づいてひとつひとつ説明がされています。

本そのものもわずか 100ページほどとシンプルに構成されており、ひとつの法則の説明に数ページしかなく、興味のある法則だけ読むといったことも出来そうです。彼のスピーチや話し言葉を聞いたことがある方なら分かるかもしれませんが、文章も彼が話しかけているような軽くてジョークもところどころにあるので読み疲れることもありません。

個人的にあまり『法則』というものが好きではないのですが、彼のいう法則は押し付けがましいものでもなく、すんなり入って来るものでした。省くことや整理したりすることでシンプルを生み出すだけでなく、時間や信頼といった感覚的なところにもシンプルが隠れていると彼は説いています。逆に加えることがシンプルに繋がることもあったり、まるで禅問答みたいにも聞こえてきますが、10の法則を通してみていくと「なるほどねぇ」と納得してしまいます。

Simplicity is about having life with more enjoyment and less pain. (シンプルとは楽しみが多く苦痛が少ない生活を送ることである)

デザインを考えるときにシンプルという言葉をもう一度見直す良いきっかけを与えてくれた書籍ではありましたが、僕の中ではそれ以上のインスピレーションがありました。毎日の生活は複雑にみえるようなことばかりですし、それがストレスになってしまうこともあるでしょう。では、そういった情況をいかに改善していくのか、どのようにしたら自分でもっと楽しめるようになるのか、そのヒントが『シンプル』という言葉に隠されているような気がします。