偽デザイナーが送るデザインに関するメッセージ
素敵なデザインだなと思った人もいるかもしれませんが、実は全部『ウソ』。
アーティスト Amy West が立ち上げたデザイナーをあざ笑うかのようなプロジェクト。「Grafik BS」へアクセスすると、他にもたくさんの作品をみることができます。
本質を追求せず、見た目やスタイルがすべてだと考える架空のクリエイティブエージェンシー GrafikBS。Behance Network のほうで本物のデザイナーと混じって作品を公開しています。わざわざ Twitter アカウントを作ったり、インタビュー映像まである懲りようです。インタビュー映像ではデザイナーらしからぬ危険な言葉を次々に発しています。
- スタイルがデザインで最も重要。見た目が良いものに人は反応する
- インターネットで調べれば、今のトレンドが分かる。それを真似れば良い
- デザインは見た目を良くすることであり、それ以上のものではない
- 見た目を良くすることがデザイナーのフォーカス。コンピュータを使えば何でもできる
偽デザイナーによるポートフォリオですが、それに気付かず多くのデザイナーが賞賛のコメントやフィードバックを Behance に残したそうです。中には履歴書まで送ってくるデザイナーまでいたとか。
分野が異なるデザインですが、Web デザイン、アプリケーションデザインにも似たような傾向はあります。トレンドが悪いわけではありませんが、プロジェクトで解決しなければならない課題を追求しないまま、「流行しているから」という理由だけで採用するのはベニヤ板に塗装しているようなものです。
完成品とプロセスは、切っても切り離せない関係にあります。にも関わらず、スタイル(トレンド)ばかりを追いかけているデザイナーに疑問を投げかけている Grafik BS プロジェクト。いろいろ考えさせられますね。