YouTubeDiggといった海外でアクセスの多いサイトが次々と IE6 のサポートを中止する動きを見せています。YouTube は他のブラウザに変更するメッセージの表示以外に具体的にどのようなサポートを止めるのかが分かりませんが、Digg では、コメントや Digg ボタンといったサイトのコア機能のサポートを止めることを考えているそうです。このニュースに影響されたのか、Twitter では、「IE6 Must Die」が、トレンドトピックにランクインしましたし、Twibbonを使った運動も展開されています。

ここ数年ほど、私は最新のブラウザで作りたい形を組み立てて行き、IE6 での表示をどう調整するかという進め方にしていますが、提案したいアプローチが場合によって IE6 では厳しい場合があります。JavaScript を使えば擬似的に CSS2.1 CSS3 のセレクタが使えるとはいえ、レイアウトによって別の不具合が発生する場合もあり、万能ではありません。IE6 を他の最新ブラウザと見た目を同じにするという所謂俗説に挑戦するために多くの調整時間やクライアントのお金を費やすのが果たして正しいのかどうかというところでしょうね。

IE6 Users Must Die であってはならない

私も IE6 だけのために多くの時間を費やしたくないですし、早くなくなってもらいたいと思っている一人ですが、最近の「IE6 Must Die」のキャンペーン (?) は向けている相手が違うような気がします。「IE6 Must Die」というメッセージは、IE6 という古いブラウザだけでなく、IE6 ユーザーまで一緒にしてしまいそうなイメージがあるからです。

Digg のブログにある「Much Ado About IE6」という記事には IE6 ユーザーがなぜ IE6 を使い続けているのかというアンケートの結果を掲載していますが、8割近くの方が IE6 以外のチョイスを与えられていない方達です。職場のパソコンは様々な制限がかけられている場合が多く、自宅のパソコンのように Windows Update を選択したら一発で IE8 に変わるというほど簡単にはいかないわけです。また、ブラウザの存在があやふやである場合もあり、突然「ブラウザが古いですよ」と言われてもピンと来ないこともあります。IE6 はなくなって欲しいですが、IE6 ユーザーに使うのを止めようと呼びかけるのはナンセンスですし、イジメに近いものがありますね。

機能以外の提案が必要

社内のネットワーク管理部署がなかなか腰を上げないからかもしれません。移行のための予算を付けることが出来ないからかもしれません。また、企業が利用しているソフトウェアが IE6 専用で作られている可能性もあります。これからも IE6 でもコンテンツの観覧というベーシックな部分は制作者が確保していかなくてはならない保証ですが、IE6 を利用している方にではなく、変えることが出来る層へ向けての提案が幾つか必要とされるでしょう。

まず最初に考えられる提案といえばセキュリティです。簡単な JavaScript を書き込むだけで IE6 を強制終了させることが出来るわけですから、非常に不安定です。セキュリティだけでなくサポート状況も考慮対象になるでしょう。ビジネス向けでれば合計10年間のサポートがありますが、IE6 がリリースされて8年が過ぎ去っていますし、サポート対象外になる日は刻々と近づいています。

新しいブラウザには様々な機能や技術が実装されていますが、それを見てドキドキするのは制作者のみです。それらを使って具体的にどのようなメリットが発生するのかといった例が必要とされています。移行に時間とお金がかかったとしても、移行後大きく生産性を上げる可能性があります。IE6 縛りのアプリケーションを使っていたとしても、類似のウェブアプリケーションに変更するだけで随分使い勝手が向上する場合もあります。

提案の仕方を工夫してみる

制作視点であれば
サポートの意味を明確にする
IE6 だけでなく、より多くの方が情報へアクセス出来る保証をする
最新のブラウザに対しては最高の体験を提供する
クライアントとコミュニケーションをとる際には
セキュリティの懸念
今のウェブの使われ方に関するアドバイス
仕事のワークフローに合ったウェブソリューションの提案
別ブラウザの使い方

すぐにはなくならないでしょうし、Netscape がそうであったように息の長いブラウザとして残り続けるでしょう。しかし、いつまでも待ち続ける必要はないと思います。個人サイトからでも良いので、積極的な模索をしていくのも良いでしょうし、そこから仕事に繋がる提案が見つかるときがあります。IE6 なんて死んじゃえと盛り上がるのは楽しいですが、使っている方達に建設的な橋渡しをするのも私たちの役割だと思います。大手サイトが IE6 のサポートを止めるというニュースはひとつのキッカケにはなります。そして、Microsfot が積極的に IE のアップグレードを繰り替えているのも良い動きです。こうした『材料』を使いながら IE6 からアップグレードしてもらうように助言していきたいです。