オープン Web デザインを始めます

去年の暮れから今年の始めにかけて Web デザインへの思いを書いてきました。その思いは「Web という媒体を理解した上でのデザイン」「Web デザインへの理解を深める」の2つの記事に集約されているかもしれません。これからも Web デザインへの興味は薄れることもないでしょうし、これからも続きになるような内容を書いていこうと思いますが、ここでひとつ問題があります。

掲載しているサイトのデザインがコンテンツに耐えられなくなって来ているという問題です。

コンテンツを反映しているサイトへ

長い間、このサイトを読んで下さっている方はご存じだと思いますが、以前のデザインは 3年半前に作ったものです。当時はそれで良かったかもしれませんし、そのときにはあまり見かけなかった情報の配置や見せ方をしていたと思います。しかし、今となっては使い古されたものですし、機能面や使いやすさは貧弱としか言いようがなかったといえます。

5年前に自前でブログシステムを構築し、徐々にコードを調整したり機能を追加してきました(実は非公開でタグもサポートしていました)。デザインを一新したいという思いは常にありました。学生のときは年に3回リニューアルしていたくらいなので、リニューアル癖というのは身体に残っていたものの、システムを構築しつつデザインを考えるのは少々大変な作業だったといえます。特に情報をいちはやく発信しつつ、環境を保持しながら機能を加えて行くのはひとりの人間では難しいですね(仕事もありますし)。本当はシステムも構築したいですが、それを作りあげるために後押しになり、コンテンツを台無しにするのはもったいないと感じました。

そこで、システム部分はすでにある優秀なものを利用し、デザインに集中しようと決心しました。それが今回の WordPress への移行です。

WordPress を選ぶということ

日本ではそれほど人気があるというわけではありませんが、こちらの調査によれば、被リンクが多いトップ100のブログのうち 34% が WordPress を利用しています(MovableType は 16%)。また、Jeffery ZeldmanEric Meyer のようなWebデザインで有名な方も WordPress。もちろん、人気があるだけで CMS を決めることは出来ませんが、ひとつの要因であったことには違いありません。

WordPress を選んだ主な理由は、他の CMS に比べて驚くほど早くサイトを立ち上げることが出来るという点でしょう。インストールからカスタマイズまでそれほど知識がなくても、ある程度の見た目のサイトを短時間で作ることが出来ますし、ちょっとした見た目の変更も素早くすることが出来ます。実はこのスピード感が今回重要な意味をもっています。

オープン Web デザインとは

2008年1月31日現在のスクリーンショット今、ご覧になっているサイトのレイアウトや見た目 (左にあるスクリーンショットもそうです) は、これから始まる変化の前のひな形にあたります。つまり、このレイアウトを起点にして、どんどん変わって行きますし、変化を通して次のブログデザインを模索していこうと考えています。今回はリニューアルプロセスを皆さんと共有しながら、進めて行こうと考えているわけです。

『皆さんと共有』というのは文字通りです。僕がどうやって考えてどういうふうに組み立て、どうやって最終段階へもっていくのかをサイトにて紹介していきます。そしてその間にあなたからフィードバックがあれば、それをデザインに反映しようと考えています。誰のアドバイスがどのように反映されているのかも紹介していきますし、場合によっては僕のほうからアドバイスを求めることもあると思います。

Webサイトはスクリーンショットでは何も分かりません。触ってみて初めて使い勝手や読みやすさなどが分かって来ると思います。あなたに実際操作してもらうことで、フィードバックもしやすいのではないかと思いますし、そうしないと思いつかないデザインもあるかもしれません。こうしたオルガニックなプロセスに挑戦するのであれば、単に文章が書けるシステムではなくスピードに耐えられるものが必要とされます。それゆえ WordPress を選びました。

もちろん誰からもフィードバックがないまま最終段階へ向かうのかもしれませんし、混沌とするかもしれません。しかし、ひとつはっきりしているのが、これまで僕のサイトに来てくださったあなたは僕が今まで書いて来た内容に興味をもってくれていたわけですし、何かしら繋がりを感じるからことアクセスしていたと思います。その繋がりを少しでも具体化するために、Webサイトのデザインプロセスに招待しているのでしょう。そして、Webという媒体でどうデザインするのかということを考えると、こういう作り方もひとつの形なのではないかと思います。

さいごに

新しいシステムへ移行となると、やはり気になるのが今までの記事ですが、それらは URL の変更もなくそのまま掲載されます。RSSフィードのほうですが、こちらは自動的に新しい URL へアクセスするので、今までと同じようにRSSリーダーから最新情報を読むことが出来るはずです (Google Reader でテストしてみたところ問題ありませんでした)。ちなみに新しい URL は http://www.yasuhisa.com/could/feed/ になります。

また、このオープン Web デザインだけ追っかけたいという方は、openwebdesign のページをブックマークしてください。

Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。