パフォーマンスは技術課題ではなくデザインの課題

パフォーマンスは技術者の問題であって、デザイナーは考えなくて良いものではないと思います。見た目だけではなく、触感・体感もデザインに大きな影響を及ぼすからこそ、デザイナーも考えるべき課題です。

人気デザインギャラリーサイトから幾つかモバイル向け Web サイトのパフォーマンスを検証してみました。以下が各サイトのリクエスト数とファイルサイズになります。

様々なスマホ向けサイト

いずれもスクリーンショットでは素晴らしい見た目で使いやすそうに見えますが、中身はかなり重いことが分かります。1MB 以下に抑えているサイトもありますが、それでもかなりリクエスト数が多いのが分かります。リクエスト数が多いということは、回線が安定しない場合、すべての要素が読み込まれない可能性があることを示しています。

LTE 回線も日本では徐々に広まってきていますし、スマートフォンを使っているからといって不安定な回線にいると断定することはできません。しかし、だからといって大容量のデータを読み込ませ、回線に負荷をかけるようなデザインがデザインと呼べるのかどうか疑問をかんじることがあります。

パフォーマンスは技術者の問題であって、デザイナーは考えなくて良いものではないと思います。タッチデバイスが普及しはじめたことによって、体感・感覚が重要視されるようになりました。デザインに対して「気持ちいい」という表現を使う方がでてきるのも、タッチデバイスというデジタルオブジェクトに直接触れるような体験が当たり前になったからでしょう。つまり、見た目だけではなく、触感・体感もデザインに大きな影響を及ぼすということを意味しています。

「重い」「待たせる」といった体験をさせることは、利用者の体感・感覚に悪影響を及ぼす可能性があります。こうした感覚は視覚要素よりプライオリティを高くしなければならない場合もあります。読み込みが遅くても、その後が素晴らしかったら良いと考えるのは作り手側・発信者側かもしれません。2011年の Compuware が発表した調査結果によると、ページの読み込みまで 5 秒待つ利用者は全体の半分しかいないと言われています。利用者は待ってくれません。これは PC 向けでも同様のことがいえます。

デザインの評価の仕方はいろいろありますし、切り口は多ければ多いほど面白いものです。スクリーンショットで見た目が良いものを「良いデザイン」と評価して見るのもひとつの切り口です。しかし、パフォーマンスがデザインにおいて重要な要素になってきた今だからこそ、デザイナーはパフォーマンスも含めてデザインを評価する時間を作るべきだと考えています。

パフォーマンスもデザインです。

筆者について

Photo of Yasuhisa Hasegawa

組織の一員となるスタイルで一緒にデザインに関わる課題を解決するといった仕事をするなど、チームでデザインに取り組むためのお手伝いをしています。各地でデザインに関わる様々なトピックで講師をしています。