価値のあるコンテンツを提供しているかを調べる方法

Google Analytics の左側にあるメニューからコンテンツを選択

以前 Google のウェブマスターツールを利用して簡単にコンテンツが最適化されているかを見る方法を紹介しました。自分のサイトがどのようなキーワードを通して露出しているのかを知るのに手軽で便利なツールですが、検索エンジン (Google) からみた視点なので、訪問者全体を表しているわけではありません。そこで Google Analytics を利用して、読者がどのコンテンツを好むかを調べることが出来ます。機能が多い Analytics ですが、今回紹介する方法はほんの数分でできます。

Analytics の右側のメニューにある「コンテンツ」から「タイトル別のコンテンツ」を選択すればどのコンテンツが見られているのかを調べることが出来ます。ディフォルトの状態だとページビューでランキングされますが、これでは単なる人気順です。読者が好むと思われるコンテンツの配信したいという目的があるわけですから、ロイアリティの高い読者(リピーターやブックマークしている方)がどの記事を読んでいるのかを把握しておきたいところです。

セグメントを全セッションではなく、リピーターに絞り込むときの設定画面

そこで、アドバンスセグメントにある「リピーター」を選択して、リピーターがどのコンテンツを読んでいるのかを表示します。グラフの下に表示されるパフォーマンスを示すデータテーブルでは、デォフォルトビューではページビューや滞在時間など、リピーターの傾向を示すデータを書き出してくれますが、新規ユーザーとの比較が見え難いです。そこで、データの表示方法をテーブルからピボットに切り替えます。ピボットの値を「ユーザーの種類」に切り替えると、新規ユーザーとリピーターに分けてアクセスされているコンテンツを並べてくれます。こうすることで、ロイアリティが高い読者がどのコンテンツを読んでいるのかも分かりやすいですし、新規ユーザーとリピーターでどう違うのかも比べる事が出来ます。こうした比較で気付くのが、リピーターのほうが過去の記事にも積極的にアクセスしてくれていることもあり、少し前に執筆した記事が上位にランクインするところです。

ピボットを利用して新規とリピーターの傾向を調べるたときの設定

ピボットを利用すれば、ページビューだけでは分からない読者の傾向を手軽に調べることが出来ます。例えば、何処から参照してアクセスしているのかは「トラフィック」メニューにある「参照サイト」を選択すれば調べる事が出来ますが、このデータをピボットを利用して観覧開始ページのデータと組み合わせれば、何処から何が見られているのかが分かるだけでなく、新規とリピーターの傾向も同時に調べることが出来ます。

他にも検索エンジンからアクセスした方がどのようなキーワードでどのページを読んでいるのかを「トラフィック」メニューの「キーワード」から調べることが出来ますが、これをピボットを利用してコンテンツを人を絡めたデータを表示させれば、検索エンジンからアクセスした人がリピーターになるきっかけを作り出しているコンテンツがどれなのかも調べることが出来ます。

検索して訪れる利用者がみるコンテンツの傾向をみるときの設定

今回、紹介したデータの表示方法を用いることで以下のことがみえてきます。

  • 読者があなたのサイトに何を求めているのか
  • ロイアリティが高いリピーターが求めているコンテンツとは
  • また訪れたい(ブックマークで残しておきたい)と思えるコンテンツとは
  • 参照されやすいコンテンツと、その次へのキッカケをつくってくれるコンテンツ
  • 旬のキーワードとそれに繋がるコンテンツ

アクセス解析のデータはよくも悪くも単なる数字です。それをどのような切り口で分析するかで初めて活かすことが出来る情報へ変化します。Google Analytics をはじめとした解析ツールには数々の機能が実装されており、操作するだけでも専門知識を必要とする場合があります。専門家や参考書の力を借りなくても、コンテンツを配信・運営する人でも手軽に読者の姿を見つけ出すことが可能です。コンテンツを配信続けたみて「これは本当に読者の求めているものなのか」「今後、どのようなコンテンツを配信していけばいいのか」と考え始めたときに今回のようなデータをチェックするといいでしょう。

Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。