メディアを配信することは権利に近い

以前 「ソーシャルメディアの語源から分かる課題」という記事で、ソーシャルメディアという言葉はコンテンツを共有するサイトが次第に SNS 的な機能を盛り込んできたところから生まれたと解説しました。ソーシャルという言葉が付いてくると、どうしても社会的関係性・人と人との繋がりにフォーカスされがちです。実際、ソーシャルメディアの活用といった話になると、特定の社会ネットワークに最適化されたコンテンツを配信するという話題になることがあります。活用するという結果という意味では確かにそうなのですが、ソーシャルメディアという言葉は「人と人とが繋がっているメディア」と捉えることが出来ると同時に「メディアの社会化・公共化」と捉えることが出来ます。

カタカナ英語で表現すると「ソーシャルなメディア」であると同時に「メディアがソーシャル」になったわけです。

メディアをもつということは特定の団体や個人による専売特許ではなく、普通にあるものへと変化しています。メディアを配信するという行為そのものは特別なことでも膨大なコストがかかることではないわけです。若い世代になればなるほど、メディア配信に特別な意識はしておらず、日常生活の一部と捉えているかもしれません。

従来、外注かインハウスで作ったコンテンツをマスメディアを通して配信しなければ人々に届きませんでした。その配信の役目をラジオ、テレビ、そして雑誌や新聞が請け負っていたわけですが、それらに頼る必要なく自分たちがつくりだしたコンテンツを自分たちが好きなように配信できるようになったのが現在です。

配信の仕方を考える

企業も表現者も個人もみんなメディアカンパニー

from: yhassy

Twitterでも書きましたが、もう誰もが小さなメディアカンパニーを持っていると同じような状態です。メディアカンパニーは、エンターテイメントからニュースまで様々な情報を最適だと考える流通方法で我々に配信することを長年行っています。このメディアカンパニーの役割やアプローチをコンテンツをもつ誰もが持つことになるでしょう。有益なコンテンツを作ることは必須ですが、メディアカンパニーとしてどのように配信することが的確であるかを考えなくてはいけません。

Webを活用するといっても受け取る側のハードウェアやソフトウェアでアプローチが異なります。また、YouTube, Twitter, Facebook など Web サービスと一言でいっても伝わり方は様々です。コンテンツを流通させるための経路を数多くもっているわけですが、どれが最適なのか、どれとどれを組み合わせるべきなのかといった戦略を立てることが求められているます。

どのようにコンテンツを配信するかを考えるにおいて、以下のような項目が考えられます。

パッケージング
配信したいコンテンツをどのような形におさめるか
容量
コンテンツの消費にどれくらい時間がかかるのか、どれくらい見せたいか
タイミング
いつから配信をはじめるか
場所
どこで配信するとよいのか
頻度
何回そのコンテンツを配信するか
誰に対してコンテンツを配信したいか

誰でも手軽にメディアがつくれるようになり、配信するための技術も整ってきている今だからこそ、『何』を配信するかだけでなく『どのように』配信するかの工夫が必要です。それ故、誰もがメディアカンパニーのような振る舞いをしてもおかしくはないのではないしょうか。作ったコンテンツを Web サーバーにアップロードしておけば自然と人が集まってくるわけではない今だからこそ配信の仕方、情報の流通のさせかたも含めて考える必要があります。

「ソーシャルなメディア」と「メディアがソーシャル」の両方の意味をつかみ取ることで、活用に繋がるかもしれません。

Photo is by James Vaughan