TV

A collection of 5 posts

TV

ドキュメンタリー「Abstract」を観覧して抱いた違和感

Netflix オリジナル作品「Abstract: The Art of Design」を観覧しました。様々な分野で活躍するデザイナーをひとりずつ丁寧に扱った全8回のドキュメンタリーシリーズです。ただでさえ少ないデザイン系の番組なので楽しみにしていましたが、Inspiration(刺激)より Confusion(混乱)の想いが強く残りました。 どのデザイナーも第一線を走り続ける有名人ばかり。登場するデザイナー達が遠い存在に見えるのは当たり前なのですが、デザインですら遠い世界の何か別のものに見えました。トップクラスのクライアントを抱えるグラマラスなデザイナー達。「自己表現」という言葉がところどころに出てくる本編を見ていると、デザインとは一体何なのか余計分からなくなるかもしれません。 デザインは課題解決という定義をする場合もありますが、表現を無視するのはナンセンスです。視覚的な美しさが課題解決に繋がることもありますし、そこには作り手(デザイナー)による『ある視点』が含まれるのは当然だと思います。しかし、本編には課題解決と呼べる部分がほとんど見ることが出来ず、デザイナーによる自己表現に偏っているようにみえました。 課題解決と自己表現を完全に分けることはできないものの、あやふやにしたどころか自己表現へ話が寄ったのが心残りです。グラフィックデザイナー ポーラ・シェア( Paula Scher )さんが、自身がデザインした

TV

ロングテール化するTVと4つの展望

Apple TVで見たい海外TVドラマや映画を好きなタイミングですぐに見れたり、自分がお気に入りの購読チャンネルを iPad や iPhoneで気軽に見れたりするようになった現在。HDDレコーダーが出たあたりから、CM をスキップして番組が見れる環境が整い始めてきましたが、今はクラウドからのストリーミング、オンラインサービスとの連携でいつでも何処でも見れたり、予約も何処からでも簡単にできます。TV が TV 局の番組を受信・映写する機械から、クラウドに通じるモニターに変化しているんだなとシミジミ思います。 Huluを筆頭に、キーTV局は積極的に Web 経由で番組を放送中。各TV局の公式Webサイトを見ても、情報サイトというより番組を見るためのプレーヤーになっているイメージがあります。HBO のように独自に iPad アプリを配布し、そこから番組を購入出来るようなモデルを作っている局もあります。 Hulu は従来のような CM を差し込んで放送する広告モデルと、有料のプレミアムサービスを両立し、利益を上げているサービス。Hulu はマルチデバイスに対応しているものの、現状は Web サイトを軸にしているサービスです。一方 Netflix は、ゲーム機、

Rubicon(TVシリーズ)
TV

Rubicon(TVシリーズ)

2010年は LOST が終わった年であったと同時に、8シーズン続いた『24』が最後を迎えた年でした。独特のストーリー構成と早い展開で人気を呼んだ番組だったので、見た方も少なくないはず。途中からマンネリ化してしまったところがありましたが、革新的な番組だったと思います。独特なストーリー構成だけでなく、映画並みのアクションと俳優を揃えた TV シリーズは出た当時は他にありませんでしたし、日本では海外ドラマブームの火付け役だったかもしれません。 『24』は CTU という架空の反テロ機関で働く捜査官達の姿を描いた一種のスパイ番組。スパイ関連の番組といえば過剰なアクションと爆発シーンは欠かせません。そしてもうひとつ欠かせないシーンといえば、ハイテクガジェットの操作かもしれません。命令をするだけで欲しい情報は思いのままに手に入るし、キーボードを数秒間叩きさえすれば犯人を割り出すこともできます。最新のスマートフォンを使わなくても情報のリアルタイム通信も難なく行えます。そんな大袈裟な演出が多々ある『24』の後に登場したスパイ番組が『Rubicon』です。

TV

私が LOST を愛した理由

先週終了したTVシリーズ「LOST」についての記事ですが、ネタばれは書かれていません。記事の内容は全体的なテーマや番組が試みた手法について書かれているので、特定の謎についても説明されていません。ただし、リンク先がネタばれに繋がる場合があるので注意してください。 LOSTを取り巻く神話 LOSTがおもしろい理由のひとつとして数多く存在する象徴的表現にあると思います。John Locke や Rousseau など有名な哲学者や科学者の名前を引用したものや、キリスト教、仏教、ヒンドゥー教をはじめとした宗教観や、ギリシア・エジプト神話の神々の物語をそのまま描写しているものなど、単なるストーリーとしてではなく、象徴的なメッセージが隠されている点が興味深いです。 Sawyer (ソーヤー) というキャラクターは番組中、様々な本を読んでいますが、その本がストーリーとシンクしていたり、今後の展開へのヒントになっていることもあります。数々の文学作品がこのような形で番組に登場することから Lost Books という本の紹介と購入が出来るサイトまで登場しているくらいです。このように、番組に登場するキャラクターはそれぞれ自由意志で行動をしたり言葉を発しているものの、どこか象徴的なメッセージを反映しながら時を過ごしているかのようにみえます。 また、番組内に点在するエジプトの象形文字はすべて解読可能だったり、ひとつのテーマにもなっている番号も何気のないシーンでふと見かけたりします。ストーリーには直接関係ないものもありますが、こうしたちょっとした仕掛けが番組をおもしろくしています。 プロデューサー J.J. Abrams

Fringe Season 2 Episode 1
TV

Fringe Season 2 Episode 1

幾つか海外 TV ドラマを見ているわけですが、その中でも昨年おもしろかったのが Fringe でした。シーズン1第1話のレビューを書いた当初は、ストーリーの全体像が見えてない状態だったので何を期待したら良いのか分からなかったわけですが、シーズンが進むにつれて徐々に Fringe の世界が明確になっていきました。 基本的に1話完結型なので気軽に見れますが、シーズンを通して展開するメタストーリーやテーマが幾つかあるので、内容をしっかり把握したい方は一気見するのがお勧めです。J.J.ブライムスが製作に関わっている作品らしく、細かい演出もたくさん用意されているので、シーズンを全部見てまた最初から見るとハッとするシーンも少なくありません。 コマーシャル前にさりげなく表示される植物や動物(ビデオ)は、自然と超自然的な要素が組合わさった独特のシンボルになっており、時には番組のテーマになっている場合もあります。実はそれぞれのシンボルは暗号になっており、シンボルごとにアルファベットがアサインされています。番組を通して表示される順番に暗号を解読すると、単語が現れるようになっています。詳しくは