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機械的に評価をしない私たちだから

私たちは様々なことに対して「よかった」「イマイチだった」と評価することがあります。食べ物や音楽もそうですし、私たちが毎日のように利用する Web サイトもそうです。例えば食べ物を評価するとしましょう。その際、評価で最も重要となる要素は味です。食べ物であるわけですから、味が重要なのは当然ですが、果たして私たちは本当に味だけで食べ物を評価しているのかといえばそうではありません。場合によっては味が評価の際に最も重要な要素ではない場合もあります。 例えば、誰かのホームパーティに誘われたとしましょう。 そのときに出て来きたものは、腕のいいシェフが最高の食材を使って料理した食事にはほど遠いものです。コンビニで買った食べ物の味の方が良かったのかもしれません。しかし私たちはきっとそのホームパーティで食べた食事を「とても美味しかった」と記憶すると思います。 私たちは味だけでなく、どのような場所で誰と一緒に時間を共にして食事をしたのかということも含めて善し悪しを評価します。もしそのホームパーティが、一緒に料理をして自分達でつくったものを食べるという体験も含まれていたら、味は一層良く感じるかもしれません

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ところで「体験」ってなんですか?

Daniel KahnemanThe riddle of experience vs. memory Using examples from vacations to colonoscopies, Nobel laureate and founder of behavioral economics Daniel Kahneman reveals how our “experiencing selves” and our “remembering selves” perceive happiness differently. This new insight has profound implications for economics, public policy — and our own self-awareness. 「よりよい体験を提供する」 という言葉を耳にすることがありますが、

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ゲームから学ぶ「おもしろさ」と「ハマる」の秘密

シナリオ < ゲームプレイ 今はゲームと一言でいってもかなり意味が広い時代です。ジャンル、機器、オフライン/オンラインなど分類すればキリがありまません。最近 Web ではソーシャルゲームという人とのコミュニケーションを軸にしたゲームが幾つか出て来ています。日本でも流行しはじめている foursquare [http://foursquare.com/] もその部類に該当します。人気になるゲームは「おもしろい!ハマる!」という言葉で表現されることが多いですが、おもしろいゲームとは一体どういった特徴をもっているのでしょうか。なぜ人はゲームにハマるのでしょうか。 Jesse Schell 氏の著書「The Art of Game Design [http://www.amazon.co.jp/gp/product/0123694965?ie=UTF8&tag=could-22&linkCode=as2&camp=247&

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UXの定義と私たちの仕事の関係

UXデザイナーと名乗る方にとって、体験という主観的かつ概念的な要素をいかにして測定し、価値を見出すのが課題のひとつです。それについては「 UXの測定項目を考えてみた [http://www.yasuhisa.com/could/article/ux-metrics/] 」という記事で候補になりそうな項目を幾つか挙げて解説しましたが、項目を考える上で常に UX (User Experience) とは何か?という質問に辿り着くのではないでしょうか。UX に興味がある方、又は仕事としている方はそれぞれ自分で UX を定義していると思いますが、明確なラインが引けないですし、すべて自分で出来るというものではないので説明が難しい言葉です。Webデザインより説明が難しいと感じることがあります。 「UX」とひとことで言い表すことが出来るわりには、包括する分野が非常にたくさんあります。UX を作り手、顧客、マーケットなど見る切り口によって違ってきますし、数多く存在するアプローチは分断しているのではなく、密接に入り組んでいます。UX の定義という難しい課題に多くの方々が挑戦しており、UXの視覚化に成功

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UXの測定項目を考えてみた

日本でも UX デザイナーと名乗る方が増えてきましたが、去年あたりから Web では一種のバズワード的な存在になっている UX (User Experience)。『バズワード』と書きましたが、重要と感じている方が多くいるからこそ注目されているわけですし、流行から次のステージに進んでいるのも事実です。デザイナーと呼ばれている方はもちろん、Web サイトを構築する様々な職種の方が UX に反応しているのをみると、ひとつの共通言語 (認識) として重要なポジションになる可能性を秘めています。 ユーザーテスト、ペルソナ設定、アジャイル開発など、水準の高い UX を実現するための様々なアプローチが存在しますし、今でも模索が続けられています。作り出すほうだけでなく、作った後、つまりサイトの測定方法はどうでしょうか。UX を意識して作ったまでは良いですが、それをどう評価すれば良いのでしょうか。ページビューが上がる、売上が上がるという部分は重要ですが、それだけ体験を測定することが出来るのでしょうか。 UX が重要と分かっていても、言葉に「体験」と付いているが故に、見え難いあやふやな領域のように見え

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Nokiaが考える2015年の未来

Webを利用した共同作業 [http://www.yasuhisa.com/could/article/nokia-betalabs/]や ジェスチャーを利用したコミュニケーション [http://www.yasuhisa.com/could/article/gesture-mobile-communication/]など、ノキアは UX に注目したサービスやデバイスの模索をここ数年続けています。そのノキアが、今月はじめにフィンランドにて The Way We Live Next 3.0 [http://events.nokia.com/thewaywelivenext/home.htm] というカンファレンスを開催しました。そこで、2015年に人々はどのような生活をしているのか幾つか提案をしています。「インテリジェント・デバイス」と呼ばれるネットに常時接続と同期をするデバイスを利用することで人々とシームレスに繋がる構想が描かれています。イメージビデオを見ると、その全体像がなんとなく見えてきますが、ビデオの下にサマリーを書いておきます。 * すべてのデータがクラウドに保管される

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好ましいという感情と使いやすさの関係

もう2年以上前の話になりますが京都で講演 [http://www.yasuhisa.com/could/entries/001104.php] をしたとき、利用者に響くWebサイトにおける構成要素を幾つか紹介しました(スライドはこちら [http://yhassy.heteml.jp/slides/community_pdf.pdf] )。機能性や有用性のようなユーザビリティに関わる要素だけでなく、有意義や満足度といった感情に関わる要素も紹介しました。利用者へよい体験を提供したいと考えているのであれば、こうした感情的な要素は外せません。利用者にとって有益なコンテンツを提供しているかどうか判断する上でも感情的な部分はひとつの測定要素といえるでしょう。人間のもつ特性や要因を把握し、利用者に良いと思ってもらうようにデザインすることを「 Desirability」と呼ぶことがあります。 あまり聞かない言葉ですが、Useful, Usable and Desirable: Usability as a Core Development Competence [http://msdn.micro

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bingのデザインアプローチについて

6月に公開された Microsoft の新しい検索サービスbing [http://www.bing.com/]。先日 comScore が発表した検索エンジン市場の調査報告書によると [http://enterprise.watch.impress.co.jp/docs/news/20090820_309545.html] 、7月が公開月に比べてシェアが 5% 増だったそうです。公開されたばかりということもあり、試しに使っているという方も少なくないでしょう。今後どうなるか分かりませんし、吸収する形になるであろう様々な Yahoo! 検索の技術がどのように bing に影響を及ぼすかが注目です。特に自分の検索エンジンが作れるプラットフォーム BOSS [http://developer.yahoo.com/search/boss/] や、セマンティック検索を可能にする SearchMonkey [http://developer.yahoo.com/searchmonkey/] は何かしらの形で bing

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コンテンツにフォーカスした質問の仕方

セミナーや記事を通してコンテンツ [http://bit.ly/6vM7Z] を活かす方法を幾つか紹介してきましたが、サイトデザインを考えるときと同様、まず質問を投げかけるのが道筋を作る手がかりになる場合があります。「これはサイトにとって良いコンテンツか?」といった単純な質問をするのではなく、質問を洗練させていくことで、よりフォーカスされたコンテンツ開発につながる場合があります。 サイト開発に携わる役職は様々。携わる役目も違えばサイトの捉え方も違ってきます。サイトナビゲーションひとつをとっても、ユーザビリティ、IA、グラフィックデザインの切り口によって出てくる質問が異なるでしょう。それは、コンテンツ視点でも同じです。ナビゲーションもコンテンツの一部として捉えるとが出来、サイトや利用者にとって最適なのか判断の手がかりになる質問が出てきます。 例えばナビゲーションに対して、「このコンテンツ (ナビゲーション) はサイトの役割とゴールに適した文体になっているか? 」という質問をしたとしましょう。ラベリングや用語が統一されているかのチェックだけでなく、付随している文章のトーンも一定なものに

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利用者がサイトを去るときの感情

アクセスしたウェブサイトから離脱する理由はいろいろあると思います。目的を達成したのであれば最高ですが、そうでない場合もあります。利用者がサイトを去る理由はサイトによって異なると思いますが、共通した思いを抱いていることもあります。ちょうど1年くらいの記事ですが「 25 reasons users STOP using your product: An analysis of customer lifecycle [http://andrewchenblog.com/2008/06/29/25-reasons-users-stop-using-your-product-an-analysis-of-customer-lifecycle/] 」で、利用者がサイトを利用しなくなったときの感情や思いをリストアップしています。主にソーシャルサイトを意識したものになっていますが、ウェブサイト全般にもいえることで思い当たるところを以下にリストしてみました。 * なぜこれが自分にとって価値があるのか分からない * なかなか表示してくれない * いろいろしたいわけじゃない * 登録してまで利用し

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Windows 7 デスクトップのデザインプロセス

Macユーザーではありますが、10月発売が決定した Windows 7 は結構期待しています。Vista で見つかった問題をどのように解決したのかという点も気になりますが、パソコンを利用する方達にどのようなソリューションを提案しているのかも興味深い点です。既にスクリーンショットやスクリーンキャストがウェブ上で出回っていますが、期待値が上がる UI や機能が幾つかあります。 Windows 7 のデスクトップはどのようにデザインされたのでしょうか。今年3月に開催された MIX09 [http://live.visitmix.com/]で、マイクロソフト シニア UX デザイナー Stephan Hoefnagels 氏が「 Designing the Windows 7 Desktop Experience [http://videos.visitmix.com/MIX09/C26F] 」というプレゼンをしました。デスクトップの細部にフォーカスして徐々に問題解決し、目指すゴールに近づけるプロセスを分かりやすく説明しています。以下に気になった部分を箇条書きしておきます。 * Wind

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お勧めのオンラインコラボツールいろいろ

基本的なコミュニケーションはメールやチャットといった文字情報のみで出来ますが、ビジュアルに関する考えを共有する場合、文字だけでは難しいです。スクリーンショットに手軽に情報を入れたり、スクリーンキャスト (動画) を作るツールが充実してきたので、ビジュアルを共有するのも難しくなくなってきました。絵を見せて意見を交換するというやりとりだけならメールでも難しくありません。しかし情報共有したり、共同作業をしたいと考えると、オンラインツールが最適です。今回はウェブサイト制作に役立つオンラインでコラボレーションを可能にするツールを幾つか紹介します。 Protonotes [http://www.protonotes.com/]以前builder.comの記事 [http://builder.japan.zdnet.com/member/u514743/blog/2008/11/21/entry_27018103/] として紹介したことがありますね。ウェブサイトに JavaScript のコードを埋め込むだけで、どのサイトにも付箋を貼付けることが出来るサービス。使う側は会員登録やプラグインを必要と

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Palm Preで追求したUX

先日の CES で発表された Palm Pre [http://www.palm.com/us/products/phones/pre/index.html] 。現在 iPhone を使っていますが、これが出たら乗り換えても良いかもと思うくらい好印象です。機能が盛りだくさんのわりにはシンプルにデザインされている印象があります。Apple の真似事ではない異なるスタイルのビジュアルを演出しているのも、iPhoneを意識しつつも、新しいソリューションを提供しているという姿勢の現れなのかもしれません。 モバイルの話題の中心に戻ってきた Palm ですが、彼等はどのようなビジョンの元、webOS を開発したのでしょうか。「Palm provides a case study in user experience strategy [http://www.mobileuserexperience.com/?p=593] 」という記事で詳しく解説されています。 webOS を開発する際、Palm が

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UIデザインガイドラインのまとめ

デザインガイドラインは、実際同じようなガイドラインを作るときだけでなく、UIデザインを考える際にも役立つ貴重な資料です。今まで個別で紹介したことはありますが、今回は一挙にまとめてリストアップしてみました。 Introduction to Apple Human Interface Guidelines [http://developer.apple.com/documentation/UserExperience/Conceptual/AppleHIGuidelines/XHIGIntro/chapter_1_section_1.html] 個人的に UI デザインガイドラインといえばこれ。日本語訳 [http://potting.syuriken.jp/potting_conv/XHIG_J/XHIGIntro/chapter_1.html]も大変便利です Apple User Experience Guides [http://developer.apple.com/

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Gmailのテーマ機能とGoogleブランドについて

ウェブサイトにおいて機能やページの表示速度と同じくらいビジュアルデザインは重要ですし、ビジュアルデザインがより良いユーザー体験の提供に繋がることもあります。以前 Googleのデザインガイドライン10項目 [http://www.yasuhisa.com/could/article/google-design-guideline/] を紹介したことがありますが、この中に「魅力的」「美しい」といったビジュアルデザインに関係したキーワードがあるのは気になりますね。Google はビジュアルデザイン以外の部分(例えばシンプルさやスピード)を徹底的に追求することで高いユーザー体験を提供しているサービスというイメージがあります。 しかし、そういったイメージを覆すかのように、ここ 1,2年はビジュアルデザインにも力を入れていますね。例えば Analytics [http://www.google.com/analytics/] や Docs [http://docs.google.com/] のビジュアルはミニマムではありますが、非常に洗練されていて魅力的です。先週 Gmail が複数のテー

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アンビエントライフのもつ可能性と課題

未来を思い描くことは、短期的には成果が出ないことかもしれませんが、長期的にデザインやテクノロジーへの理解を深めることが出来る大事なプロセスだと思います。先月行った WebSigのワークショップ [http://www.yasuhisa.com/could/diary/websig-semanticweb/] は、アクティビティとして具体化した一例といえます。未来が描かれたコンセプトワークやビデオをネット上でたくさん見つけることが出来ますが、Freeband Communication [http://www.freeband.nl/index.cfm?language=en] というオランダにあるリサーチプログラムが制作した The Ambient Life [http://vimeo.com/2046208?] というビデオは最近見つけた中でおもしろいなと思った作品のひとつです。 アンビエントライフで提案されている様々なシーンで共通しているのが、人からのインタラクションは限りなく少ないという点です。ボタンを押すというアクションはあるものの、押した後に行われるデータのインタラクシ

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効果的なウェブサイトに対する意識のギャップ

「効果的なウェブサイトって?」というのは単純な質問ではあるものの、視点や役割によって意見が違いそうです。この抽象的な質問に関してレポートにまとめている文書を見つけました。オンラインラーニングやウェブ上のクリエイティビティの推進のために様々な活動をしている NPO 団体 IDEA [http://www.idea.org/] が Factors that improve online experience [http://www.idea.org/find-information.html] というレポートをまとめています。NPO, ウェブサイト制作会社, 利用者の3つのブループに分けて「効果的なウェブサイトの要素は何か」という質問に応えてもらったそうです。詳しい調査結果と解説が書かれた PDF も同ページでダウンロードすることが出来ます。 作る側と利用者とのギャップというのは未だにあるみたいですね。今回の調査で大きく分けて 8 つの特徴が見つかったみたいなので以下にまとめておきます。自分も改めて意識しなければならないなと思ったのが幾つかありました。気を引き締めないと。 デザイナーは

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UX を構成する要素と測定方法

ユーザーエクスペリエンス (UX) という言葉は、体験という意味も含まれていることもあり、曖昧で測定し難いもののように捉えがちです。作る私たちがよく使う言葉ですし、今やセールストークとして使われている場合もあるかもしれませんが、「じゃ、実際どうやって効果を報告するの?」ということになると、難しい課題です。しかし、主観的な感想を述べることだけが UX の測定方法ではありません。UX はウェブサイトやアプリケーションを構成するひとつの独立した要素ではなく、以下の 6 つの要素の集合体といって良いでしょう。 * コンピュータとのインタラクション * 情報構造 (IA) * インタラクションデザイン * ユーザーインターフェイスデザイン * ユーザビリティ * ビジュアルデザイン 上記に挙げた要素の中には、既に解析や分析がされているものもあると思います。つまり、今まで使ってきたツールやメソッドを採用し、それらを複合することで、UX を測定することは難しくないわけです。 まず、UX が改善されたらどうなるかを想像してみると、分かりやすいでしょう。Nielsen Norman G

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Google の UX プロセス

今では小さなチームによるアジャイルソフトウェア開発はそれほど珍しくはないですが、Google は随分前からそれを実践している企業のひとつです。よりよいものを作ることであれば、時には今まで辿って来た道も変えてしまうこともあるダイナミックな環境でどのようなプロセスが存在するのでしょうか。 David Sherwin さんのブログ [http://changeorder.typepad.com/weblog/2008/03/secrets-of-ux-d.html]で、Google のユーザーインターフェイスデザイナーである Jake Knapp さんのセッションに関するレポートが掲載されています。 Knapp さんのセッション内で、ダイナミックに変わる環境化の中で、よりよいユーザー体験をもったサイトを構築するための8の対策を紹介したそうです(細かく別けると全部で17)。以下に簡単にですが紹介しておきます。 確固たるプロジェクトの基盤をもつチームが小さい分、フォーカスしなければならないプロジェクトのもつ影響力は?他のプロジェクトではなく、それを選ぶ理由を考える ビジネスインパクトを知るU