Blendtecが今でもソーシャルメディア活用のお手本になる理由

ソーシャルメディアという消費者と繋がるプラットフォームがあっても、そこで消費者との関係を維持したり、コミュニティとして育てていくのは至難の業です。だからこそ Blendtec の凄さが響きます。

ミキサーを製造・販売をしているアメリカの Blendtec。名前は聞いたことなくても、あらゆる製品をミキサーで破壊する番組 Will It Blend? を見たことある人は多いと思います。ソーシャルメディアや動画配信の事例で、必ずといっていいほど Blendtec が紹介されることがあります。とても有名なので、事例として紹介するのはベタ過ぎるという意見もありますが、改めて Blendtec を見直してみると、他がやっているようでやっていないことがたくさんあります。

Will It Blend でもパーソナリティを務めている Blendtec の創業者 Tom Dickson さんは、今年の3月に Slashdot ユーザーの質問に自ら応える企画に登場しました。詳しくは、Interviews: Blendtec Founder Tom Dickson Answers Your Questions を参照してほしいですが、ダイジェストは以下のとおり。

  • 2006年に Will It Blend が開始。今でも続いている。
  • 6年間で 120 以上の番組を配信。2億ビュー以上を稼いだ。
  • 最初の番組は、思いつきで 50 ドルの予算で配信。
  • 配信前と比べて売り上げは 8 倍上昇した。
  • 16〜24歳の男性の影響で女性が買うという傾向がある。

簡潔で分かりやすい Tom Dickson さんの応えには、ソーシャルメディアの本質が見え隠れしているように見えます。

キャンペーンのような『お祭り騒ぎ』ではない
いろいろな製品をミキサーへ放り込むという内容を 6 年間続けています。「飽きた」という声はあるのかもしれませんが、それでも続けているからこそ結果に繋がっているのだと思います。
面白いだけではなく、ためになるコンテンツ
発売したばかりの iPhone をミキサーに放り投げるなど、面白さ満載の内容ですが、それだけではありません。自分たちが作った技術が、どれだけ優れているかを紹介しているので、見終わった後には「使ってみたい」を思える内容になっています。
効果測定をきちんとおこなっている
ソーシャルメディアでは、Like の数や PV などが指標になることがあります。しかし Blendtec は、売り上げというビジネスに直結した数値を見ていますし、購買者の行動も把握しています。話題になったから、良かった...という考えで続けているわけではないようです。

ソーシャルメディアキャンペーンという、見せ方が変わっただけで中身は今までと同じようなものが出てきては消えていく現在。せっかく、消費者と繋がるプラットフォームがあっても、そこで消費者との関係を維持したり、コミュニティとして育てていくのは至難の業です。難しいからこそ、多くはキャンペーンという名の打ち上げ花火で終わっているのでしょうし、同時に Blendtec の凄さが響きます。

ソーシャルメディアを学ぶのに「今更、Blendtech?」と思う方もいるかもしれませんが、今だからこそ再検証する価値がある企業だと思います。インタビューにも書かれていますが、ミキサーはまだまだイノベーションが起こると本気で思っている企業ですからね。熱いです。

筆者について

Photo of Yasuhisa Hasegawa

組織の一員となるスタイルで一緒にデザインに関わる課題を解決するといった仕事をするなど、チームでデザインに取り組むためのお手伝いをしています。各地でデザインに関わる様々なトピックで講師をしています。