野放しは危険!デザイナーに潜む4つのモンスター
身近にいるかもしれないモンスター達
「モンスターペアレント」なんて言葉が流行した時期がありましたが、そのデザイナー版もありそうです。一見、平穏そうな装いをしたデザイナーの中に潜む恐ろしいモンスター達。彼らがデザインの行程を台無しにしたり、品質を落としてしまう場合があります。
今回紹介するモンスター達は web やアプリのようなデジタルプロダクトをデザインしている人たち向け。特にデザイナーとしてキャリアを始めた頃に陥りやすいモンスターたちです。
俺一番モンスター
問題解決することがデザイナーの仕事ですが、自分が考えた解決案が絶対正しいとは限りません。誰でも自分が考えたアイデアを大事にしたいですが、過保護になるとかえって視野が狭くなります。デザインに関わる様々な手法がありますが、それが解決を導き出す唯一の方法ではありません。課題解決ができるのはデザイナーだけではないわけですから、「自分が絶対正しい」という態度は、周りを突き放すことになります。
退治する方法: 解決をする前に、課題の定義と共有に集中すると良いでしょう。人それぞれ課題と感じる部分が違うこともありますし、そもそも何を解決しようとしているのか理解していないと、話が噛み合わないことがあります。デザイナーが考える「あるべき姿」を実現するための解決ではなく、課題に対して何ができるのか話し合える場を持つようにしましょう。
一匹狼モンスター
ひとりで黙々と作業しなければならないタイミングはありますが、いつまでも自分の殻に閉じこもっているわけにはいきません。今はデザインとエンジニアリングを完全に切り分けて作業するのは難しくなってきています。Web サイトやアプリはコードで出来ているからこそ、実装してから分かることも数多くあります。自分は見た目を作るのが仕事だから実装は関係ないという態度は危険信号です。
退治する方法: デザインの仕事はデザインファイルの中で終わりません。コミュニケーションツールを駆使してフィードバックを求めたり、エンジニアと対話ができる窓口を築くようにしましょう。仕事環境によっては、デザイナーとエンジニアを隣り合わせに座るのも手段です。
コダワリモンスター
誰でもコダワリはありますし、「1ピクセルを大事にする」という心がけは時には重要です。しかし、それが周りが理解できない、なんとなくのコダワリだとしたらどうでしょうか。例外ばかりでデザインに一貫性がない、ユーザーに多大な負荷がかかる演出。こうした状態に対して「コダワリだから」と言っても、ワガママを言っているだけのようにしか聞こえません。
退治する方法: そのコダワリが課題解決にどれだけ貢献しているのか改めて考えてみたほうが良いですが、時には説明が難しいものがあります。どのデザインにもトレードオフはあるので、それが何か知る必要があります。そのためにも「これでお願いします」という絶対的な指示としてデザインを見せるのではなく、「これはどうですか?」という投げかけとしてのデザインを作るようにしましょう。対話を始めることがお互いのコダワリを理解する近道です。
察してモンスター
デザイナーは前に出て意見を言わないという先入観を持っている方は少なくありません。きちんと良いものを作っているから、それを見て評価してほしいという消極的な態度では、いつの間にか周りから取り残されてしまいます。「良い」という感覚ですら人それぞれなのに、それを察してほしいと願っていても、伝わることはありません。にも関わらず、理解されないと逆ギレするタイプもいます。
退治する方法: 話す・伝えることもデザイナーの仕事です。良いものを作りさえすれば周りから認めてもらえるという『迷信』は 1 日も早く忘れ去ったほうが良いでしょう。なぜそのデザインが良いのかを説明できないと、他の人のデザイン案が通ってしまいますし、言われたことを作り続ける作業員になってしまいます。
まとめ
Web やアプリのようなデジタルプロダクトは、個人技ではなくチームプレイが重要になります。よって、自分のスキルを磨くだけでなく、周りとの連携をどのように高めていくかも考えなくてはいけません。自分の殻に閉じこもり、周りのことも気にしないモンスターはとても恐ろしい存在です。
今回紹介したモンスター達は、抹消できる場合もあればゾンビのように復活するともあります。たまに自分の行動を振り返ってモンスターがいないかどうかセルフチェックしてみてはいかがでしょうか。