欧米視点でみた日本のメディア入門
以前から日本のメディアは特殊であると言われていますが、先月末に行われた総選挙がきっかけで幾つかの海外のメディアが日本のメディアやジャーナリズムにスポットを当てた記事を幾つか掲載しました。部分的に日本のメディアの姿を取り上げている記事は少なくありませんが、客観的に日本のメディアの全体像が分析されているものはあまりありません。2005年に設立されたアメリカの Open Source Center (OSC) は、オープンソースとして公開されている情報を収集、分析を行っている機関。その OSC が先日、日本のメディアについて取り上げた 67 ページの資料を公開しました。PDF 形式で無料でダウンロードすることが可能です。
Japan — Media Environment Open; State Looms Large
日本人からすれば特に珍しい情報はありませんが、どの複合企業が何を所有しているのか分かる図や、日本のソーシャルメディアの使われ方など、日本のメディア入門書としてうまくまとまっています。欧米との違いについても幾つか書かれている点も注目です。
すべて読むには時間がかかりますが、最初の方に概要が書かれているので以下にまとめておきます。
- NHKは宗教、学校、警察より信頼されている機関
- アンケート回答者の半数以上が携帯電話で毎日ニュースを読んでいる
- 週刊誌は未だに影響力が高い情報ソース。信頼出来ないレポートが多いものの、調査ジャーナリズムのプラットフォームとしての役割を果たしている
- 発行部数が少ない地方の新聞でも国内外ニュースを広く扱う傾向がある
- ニュースソースとしてのWeb利用は増え続けているが、未だに TV がメディア消費のトップ
- ほとんどの政治スキャンダルは新聞ではなく週刊誌や月刊誌から公表されている
- 時間によって東京発の Tweets は他の都市の2倍になることがある
海外からみた日本のメディアの姿をみてみたい方は Japan Media Review や、以前紹介したことがある Global Voice が良いですね。
あと、選挙といえば PBS が放映した山内和彦さんの選挙活動のドキュメンタリー「Campaign」がありますね。彼のインタビューが英語ですが Midnight Eye Interview で読むことが出来ます。