Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。

javascript

SVGでプロトタイプを作って学んだこと

会話のような勉強会 5月20日 SVG 勉強会 という小さな集まりに参加しました。株式会社まぼろし [https://maboroshi.biz/]のデザイナーで、 ポッドキャストにも出演 [http://automagic.fm/post/131049219860/maboroshi-matsuda] していただいたこともある松田直樹さん(@readymadegogo [https://twitter.com/readymadegogo] )主催のイベント。勉強会という名だけあって、参加者全員が SVG のネタを持ち寄って、実装から可能性の模索まで様々な話題が挙がりました。 講師/生徒のような関係が生まれやすいセミナーのような場だと、どうしてもコミュニケーションが一方通行になりがちですし、参加側も受け身姿勢になってしまいます。 SVG に関する質問でもいいから、とにかく発表するという条件を設けることで、発表内容を聞きに行くという考えが薄れ、個々の積極性が増したと思います。発表者が話している最中もお構いなしに参加者が質問をするなど、会話をしているような発表時間はとても良いと思いま

デザイン

ビジュアルでもできるデザイン批評

好き != 良い・正しい デザイン批評は、数年前から扱っているトピック [http://www.yasuhisa.com/could/article/design-talk-feedback/]し、講演経験 [http://www.yasuhisa.com/could/article/how-we-talk-about-design/] も何度かしています。デザイン学校へ行った方であれば批評の経験はしていると思いますが、なかなか機会がないのが現実。ビジネスとの関わりが密接になればなるほど、デザインについてデザイナー以外と話す機会が増えていきます。様々なデザインの手法を学んだとしても、デザインについて会話するスキルがなければ意図・目的を伝えることができません。 調査に基づいて論理的に対話ができれば理想的ですが、そう簡単にいかないのが批評の難しいところ。私たちは論理的に考えようとしますが、感情的に物事を捉える生き物です。どうしても「好き」「つまらない」といったリアクションを即座にしてしまいがちですが、「好き = 良い・正しい」とは言い切れません。つまり、自分の好みではないものでも、プ

デザイン

認知の理解で変わるプレゼンスライドのデザイン

見やすいだけでは足りないスライドデザイン プレゼンテーションのスライドは読みやすく、できれば見た目も良くしたいと考える方は少なくないと思います。私もデザイナーの端くれですから、見た目の良いスライドを作ろうとしますが、読みやすい・見やすいのと、伝わることが完全にイコールとは言えません。読みやすい・見やすいプレゼンは、そのときは良かったと思えるものでも、思い出してもらえない場合があります。 SlideShare [http://www.slideshare.net/] や Speaker Deck [https://speakerdeck.com/] でスライドの共有がしやすくなったことで、スライドを見たら分かるようにすること、共有しやすいコンテンツに仕上げることを意識する方が増えました。しかし、スライドを読めば分かるようにしてしまうと登壇者がわざわざ話す必要性がなくなりますし、来場した方にその場でしか味わえない価値が提供できない場合があります。時間とお金をつかって来場している方に何かを残せないままでは、SlideShare でたくさん共有されたとしても、プレゼンテーションとしては

UI

UIガイドラインから学ぶライティングの基礎

言葉で決まるアプリの印象 2 年前に発表 [http://www.yasuhisa.com/could/article/material-design/] されて以来、細かな更新が続いている Material Design [https://www.google.com/design/]。最近、UI の動きに関するガイドが大幅に改変 [https://www.google.com/design/spec/motion/material-motion.html] されたことで、感覚的なところも共有しやすくなってきました。Android アプリにおける UI デザインの基礎を固める上で、Material Design は非常に参考になりますが、このガイドラインは見た目のことばかり書かれているわけではありません。 Material Design の中には「Writing [https://www.google.com/design/

仕事

手段を切り離したら楽になったデザイナーの仕事のお話

元々デザインの仕事は広範囲だった ここ数年でようやく Web・アプリの世界で「デザイナーは広範囲でいろいろ知っておかなければならない」という声が高まりましたが、元々デザイナーの仕事は範囲が広いものでした。例えばファッションデザイナーはデザイン力はもちろん、技術に基づいた設計、製造工場との交渉、流行や市場の動向の理解などが必要とされています。インダストリアルデザイナーや建築家も同じです。ただデザインができるというだけでは一人前として見なされない仕事がすぐそこにのあるにも関わらず、なぜ Web・アプリでは目新しく見えてしまうのでしょうか。 ひとつの仮説として考えられるのが、DTP デザインなどに見られるデザインの分業化・効率化です。1984 年に登場した Apple Machintosh [https://ja.wikipedia.org/wiki/Macintosh] には Adobe の PostScript が実装されました。翌年に発売された PageMaker [https://ja.wikipedia.org/wiki/Adobe_PageMaker] によって、高機能か

コンテンツ

コンテンツに関わる5つ課題と発見の共有

人とコンテンツとの関係 コンテンツは既にあるから、デザインができる。 あとで流し込めば良いから、コンテンツ制作は先送りができる。 こうした考えが、自己主張ファーストなコンテンツ [http://www.yasuhisa.com/could/article/me-first-content/] になっていたり、後付けのマルチデバイス対応に繋がります。現存のコンテンツが十分利用可能だったとしても、一度立ち止まってコンテンツに関わる様々な課題の発見に時間を削ぐようにします。以下の 5 つの課題の洗い出しは、大幅なリニューアルから、ランディングページまで様々な規模のプロジェクトで必要になります。 * 訪問者(読者)が求めていること * 配信側が求めていること * 配信側が実際必要になるアクション * いつ、何を配信するか * どのチャンネルでコミュニケーションをとるか 例えば CMS の選択や、そこでのカスタマイズも、どのようなコンテンツが保管・管理がされて、どのように配信されるかをあらかじめ知っておくと大きく変わります。利用者のことを見るだけでなく、配信側(企業・団体)のニ

インターネット

フィルターバブルと上手に付き合って情報をみる方法

あなたの見ている世界はあなたの世界 今は検索をすることなく、膨大な情報を自動的に手にいれることができます。仕事柄、Web・アプリデザインをしている方とソーシャルメディアで繋がっていることから、Facebook や Twitter を開くだけで、自分好みの情報が日々流れてきます。何をしなくても情報が入ってくるという日々は、フィードリーダー [https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC] (RSSリーダー)に気になるブログを登録して、定期的に管理をしていたときとは大きな違いです。 ますます増えるコンテンツ [http://www.yasuhisa.com/

アクセシビリティ

アクセシビリティとはを一緒に考えて分かった視点転換の発想

4月23日、クリーク・アンド・リバー社主催で、と、コラボ特別編「アクセシビリティってなんなのさ [http://www.creativevillage.ne.jp/10816]」というイベントが開催されました。これは昨年開催された「UXってなんなのさ [http://www.yasuhisa.com/could/article/questions-about-ux/]」い続く Q&A 中心で 3 時間話し切るというもの。今の仕事に直結するテクニックや知識を得たいという方には向いていませんが、参加者全員で課題共有をして考えたいという方には参加価値があったと思います。今回は私はモデレーターとして参加し、「 デザイニングWebアクセシビリティ [http://www.amazon.co.jp/gp/product/4862462650/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&

デザイン

Twitterから学ぶアプリ設計・運用のススメ

作り方ではなく進め方が知りたい スマートフォンをはじめとしたモバイル機器向けのアプリ設計・開発がはじまって数年。検索をすれば世界中の開発者、デザイナーの知見をたくさん見つけることができますが、「実際どうやって進めるの?」という部分が見えにくいことがあります。仕様書や Tips を読むだけでは分からない、プロセス特有の課題をどのように取り組めばいいのでしょうか。そんなとき、Twitter が公開している Mobile App Playbook: Lessons Learned [https://dev.twitter.com/playbooks/mobile-app-playbook] が参考になります。 Twitter アプリはもちろん、Cannonball [http://www.cannonballapp.io/] や Furni [http://furni.xyz/] のような社内プロジェクトを通して学んだこと10 項目が紹介されています。開発で躓いたこと、課題に挙がったこと、解決につながったことが経験に基づいて書かれているので説得力があります。ステップバイステップのハウツ

コンテンツ

デザイナーが見たオウンドメディアの課題と接点

4月21日に開催されたオウンドメディア勉強会 [https://blog.sixapart.jp/ownedmedia-group.html] に参加してきました。肩書きがデザイナーの参加者は私ひとりという個人的に珍しい環境での集まりでしたが、自身のサイトでもコンテンツに関わる記事 [http://www.yasuhisa.com/could/article/who-does-content-work/] を幾つか書いていますし、何か学べることがあると思って参加しました。バズワードと化したオウンドメディアやコンテンツマーケティングですが、第一線で活躍されている方たちの実態を知るという意味でも有意義な時間になりました。 バズることは重要なのか 毎回テーマを変えてディスカッションをしているオウンドメディア勉強会ですが、今回の議題は「バズ記事を生み出す編集会議」。バズ記事という言葉を聞くと、PV を稼ぐために釣り記事を作るための施策?と思う方もいるかもしれません。Yahoo! トピックスに載るという緩い目標も耳にしましたが、そもそも何をもって『バズ』と呼ぶのかといった根本的なところから

デザインシステム

デザインシステムにあるヒトとコトの課題

今なぜデザインシステムなのか 4月16日 Webridge Kagawa 主催で「パターンラボ – 柔軟性と拡張性をデザインに取り込む方法 [http://webridge-kagawa.com/?p=326](#wmsp20 [https://twitter.com/search?f=tweets&vertical=default&q=%23wmsp20&src=savs] )」というワークショップを開催しました。昨年はコンテンツ戦略 [http://www.yasuhisa.com/could/article/behind-scene-workshop/]やペルソナ [http://www.yasuhisa.com/could/article/using-persona/] など企画・設計寄りのワークショップを実施していましたが、パターンラボは少し実装に寄り添ったカリキュラムにしました。ポッドキャスト [http:

プロセス

デザイン調査にあるバイアスとの向き合い方

シミュレーションとリアリティ デザイン調査は利用者の理解、そしてプロジェクトの方向性を共有するために欠かすことができません。調査がないデザインプロセスは UX デザインとは呼べないといっても過言ではないほど重要ですが、調査だけで利用者の『現実』を捉えるのは難しい場合があります。 ユーザーインタビューを通して様々な意見を聞き出すことができますし、その場で使い方を見せてもらうこともできるでしょう。しかし多くの場合、 利用者の声と意図にはギャップがあります [http://www.yasuhisa.com/could/article/voice-behavior-intent/] し、会議室という日常とは異なる場で、現場で起こっていることを再現するのは難しいです。ユーザーインタビューだけでなく、ユーザビリティテスト、カードソーティングなど様々な手法はありますが、調査する側によってつくられた状況の中(シミュレーション)で行われることが多いです。調査の多くはシミュレーションであり、現実(リアリティ)とは異なることを理解していないと、調査の仕方や集めるデータにバイアスがかかることがあります。

UI

小さく考えて積み上げるデザイン思考

体験のグラデーション デジタルは 0 と 1 で構成された世界であることから、すべてを正確に決めることができるように見えます。しかし、実際のところ紙のデザインに比べてはるかに流動的で予測が難しかったりします。グラフィックツールでつくった世界がそのままの形で再現されることはまずありませんし、利用者の環境によって見た目を変わることもあります。 昔からすべてのブラウザで Web サイトの見た目をまったく同じにすることはできない [http://dowebsitesneedtolookexactlythesameineverybrowser.com/] と言われていますし、スクリーンサイズや OS のバージョンが多彩なスマートデバイスでも同様のことがいえます。しかし、見た目を同じにすることはできないからといって、ビジュアルデザインを諦めるという意味ではありません。Web やアプリをはじめとしたデジタルプロダクトのデザインで難しいのは、何をどこまでをデザインによってコントロールするのかを考えることです。 デザインのコントロールをブラウザが ECMAScript や CSS をはじめとした

仕事

作るだけではないデザイナーの生きる道

職種を超えたデザイナーの集まり 3月20日、浜松市にてDORP INSPIRATION 2016 [http://www.dorp.jp/event/dorp-inspiration-2016/] が開催されました。様々な分野で活躍するデザイナーを対象にしたイベントだけあって、Web デザイナーの来場者数は半分以下。グラフィックデザイナーはもちろん、建築家やインテリアデザイナーの方も参加していました。デザインという限定されたテーマではありますが、様々な分野のデザイナーが集まるイベントは珍しいと思います。 参加者だけでなく、登壇者も多彩な顔ぶれ。オイシイワークス [http://oisiiworks.com]の佐藤実紗さん。書籍「なるほどデザイン [https://www.amazon.co.jp/dp/B012VJNW6Q?tag=could-22&camp=1027&creative=7407&linkCode=as4&creativeASIN=B012VJNW6Q&

UI

プロトタイプに発生する溝と対処法

完成品になれない溝をどう埋める あたかも完成品に見えてしまうデザインカンプには、様々な暗黙の了解が存在します [http://www.yasuhisa.com/could/article/web-designer-next/]。グラフィックツールで Web ブラウザ上での見た目を再現しようとしても、実際 HTML / CSS で組まれたデザインの見た目と同じになることはありません。どこまで静止画を作り込んでも、実際の完成品には成り得ない大きな溝が存在します。この溝が大きな誤解に繋がることがあります。 例えばレスポンシブ Web デザインの場合、幾つかの大きさで静止画のデザインを用意したとしても、その間(可変状態)でどうなるか想像するのが難しい場合があります。また、レスポンシブ Web サイトにおける表現は多彩になってきています。要素の順番を Flexbox で変えることもできますし、画像の配置の仕方もより柔軟で表現豊かになってきています。知識や経験がある方であれば静止画では表現されていない「実はこうなる」という部分を踏まえてデザインを見ることができますが、誰でもできることではあり

プロセス

評価と効果で見えなくなりがちなデザインの価値

先週末、大人向けワークショップ deCAFE [http://decafe.in] に参加してきました。昨年にも一度参加したことがあって、今回で 2 回目。今回はワークショップではなく過去を振り返りながらお喋りをする会でしたが、運営メンバーにイベントの意図や裏話を聞くことができて大変楽しかったです。 運営チームの方々は Web や IT 業界働くデザイナーがメインですが、ワークショップの内容はそこからかけ離れたテーマを扱っています。テーマの抽象度が高いことから、具体的に「◯◯を学んだ」とは言い表せないものの、他のイベントでは得ることができない何かを掴むことができます。 最近は数十分話すセミナーよりワークショップが多くなってきています [http://www.yasuhisa.com/could/article/behind-scene-workshop/] が、自分のワークショップにも何か取り入れるものがあるかもしれないという好奇心が参加のキッカケでした。前回と今回の参加を通して、漠然としていた deCAFE で得れた「何か」を鮮明にすることができました。それは、今 Web や

デザイン

抽象性と具体性の間で動けるデザイナーになろう

作れることは重要ですが デザインを「作る」を軸にして話すと、デザインの本質が失われることがあります。もちろんデザイナーは何か形にすることが仕事であるわけですが、作る話の多くは答えありきで語られることがあります。「◯◯の作り方」「△△を効果的に見せる方法」など、作ることが目的であったり、課題への答えが既に出た上でデザインが解説されていることは少なくありません。 何かを作り出すためのスキルを磨く上で、作り方を知る必要があります。しかし、答えがあらかじめ提示された状態で作るというやり方ではデザインをする仕事として必要な根本的なスキルを得ることが難しくなります。 UI の実装には、デザインの学習と成長における課題をたくさん見つけることができます。 今でも多くのサイトが採用しているカルーセル(carousel)は良い例です。「クライアントに言われたから」「作るという仕様になっているから」「競合サイトも実装しているから」という理由で作り始める場合がありますが、そこには「 そもそもなぜ必要か」という問いかけが抜け落ちています。 カルーセルの実装に留まる話ではありませんが、ひとつの UI に

デザイン

コミュニケーションとしてのプロトタイプの真価

カンプ2.0になっていないか プロトタイプを作ることが今日のデザインプロセスにおいて、不可欠になりつつあります。3年前ではなかなか響かなかった話題 [http://www.yasuhisa.com/could/article/prototype-the-future/]でしたが、ますます複雑になるアプリ / Web サイトデザインにおいて、いきなり完成品に近いものを作り込むという手法が通用し難くなりつつあります。また、高機能ツール [http://www.yasuhisa.com/could/article/wcan-prototype-design/]も手軽に使えるようになったことで、 とりあえず作って見せるという行為がしやすくなりました。 実機で画面遷移を確認するだけでなく、アニメーションもコードの知識なしで作れるようになった現在。ツールはますますパワフルになっていきますが、プロトタイプツールの目的は実装のための青写真を作るためにあるわけではありません。 ビジュアルデザイン(インタラクションデザインも含)と実装には以前から大きな溝が存在します。デザインカンプと呼ばれる、あた

デザイン

おすすめデザイン入門書8選(洋書編)

予習として洋書はいかがですか? 前回おすすめデザイン入門書 [http://www.yasuhisa.com/could/article/books-for-designers-2016/]を 10 冊紹介しました。どれも自信をもって紹介できる書籍ですが、選書しているときに訳本がない書籍を幾つか見つけました。私の場合、読んでいる本の半分以上は洋書なので、翻訳されていないものは渋々リストから外すことになりました。 そこで今回は、2016年2月現在、訳本が出版されていない洋書を 8 冊紹介します。前回と同様、Web やアプリに特化したものではなく、デジタルプロダクトに携わるデザイナーに向いている書籍です。いずれ翻訳される可能性があるので、そのときに備えてメモ程度に見ていくと良いかもしれません。 [https://www.amazon.co.jp/dp/0123969808?tag=could-22&camp=1027&creative=7407&linkCode=as4&creativeASIN=0123969808&

デザイン

おすすめデザイン入門書10選

[http://www.yasuhisa.com/could/content/images/wordpress/2016/02/book-cofee.png] たまには本もいかがですか? セミナーやワークショップのあとに質問を受けることがありますが、「おすすめの書籍はありますか?」と聞かれることがあります。 Web には膨大な情報がありますし、英語まで手を広げると研究者による文献にもアクセスすることができます。しかし、ある特定のトピックを要所を落とさず学びたいときは書籍が便利です。 目まぐるしく状況が変わるだけでなく、デザイナーとして知っておくべき領域も広い今日のデザイン。ソフトウェアの使い方を覚えることも重要ですが、作るための考え方や伝えた方を学ぶことに多くの時間を費やしたほうが良いでしょう。自分のデザインの意図が説明できて、ようやく同僚やクライアントにデザインを理解してもらえるからです。 今回は、デザイナーとして読んでおきたいオススメの入門書を紹介。Web やアプリに特化したものではなく、デジタルプロダクトに携わるデザイナーに向いている書籍を選びました。すべて日本語で読むこ

アクセシビリティ

絵文字のアクセシビリティについて少し調べてみた

Peach🍑を紹介する記事 [http://www.yasuhisa.com/could/announcement/peach-cool/] で、絵文字が世界的な共通言語になりつつあると紹介しました。日本でも Twitter が紅白歌合戦用の特別ハッシュタグ+絵文字 [https://blog.twitter.com/ja/2015/2023tv] を実装するなど、絵文字がコミュニケーションにおいて重要な位置付けになりつつあります。 しかし、アクセシビリティはどうなのでしょう。 目では絵として表示されていますが、中身はコード [http://apps.timwhitlock.info/emoji/tables/unicode] です。実際、どのように読み上げられるのでしょうか?そもそも読み上げられているのでしょうか? サポートが広がる絵文字読み上げ 年々音声読み上げの精度は上がってきており、絵文字サポートもそれに合わせて増えてきているようです。例えば Google Voice [https://www.google.com/googlevoice/

サービス

Peach🍑から学ぶデザインに関わる4つの傾向

いろいろ学びがあるPeach Peach [http://peach.cool] というアプリ、ご存知ですか? Vine [https://vine.co] の創始者として知られている Dom Hofmann の新作。ひとことで言い表すとメッセージアプリですが、チャットと言うより、ステータスアップデートをメッセージ形式で更新できるアプリ。小さな情報を気軽にやりとりするという Vine、そして同じチームが開発している Byte [http://byte.co] と重なるコンセプトです。 今年の CES [https://www.cesweb.org] は 1 月 6 日から 9 日まで開催されましたが、イベント期間中に合わせてリリースしたというタイミングも絶妙。リアルイベントとソーシャルメディア両方で広がった印象があります。知り合いの『今』を知るためのアプリなので、 CES のように多くの方が一箇所に集まるイベントとの相性が良かったのかもしれません。 もちろんデザインについて Peach から学べることは幾つかあります。 コンテンツのメッセージ化

デザイン

性別選択UIにあるデザインの課題

私は男性として生活をしています。 ソーシャルメディアなどにプロフィールを記載する場合は「男性」を選択しています。女性であればプロフィールに「女性」と選択して、自身を「女性である」と考えるでしょう。 こうした性別選択は、多くの方にとって当たり前すぎて深く考えないことです。しかし、こうした自分を表現する小さな部分にも課題は隠されています。人によっては「男性」「女性」という分類に当てはまらない方もいますし、それを特定の人にしか公表したくないという場合もあります。自分のジェンダー(gender, 性)は男性でも女性でもなく、「〇〇である」と意思表示をしたい方。自分の意向に合う呼ばれ方をしたいと考える方もいるはずです。 この課題に取組んでいるソーシャルネットワークを幾つか見かけるようになりました。男性、女性のという選択肢だけでなく「カスタム」という項目を用意し、そこに自分の性を表すのに適切な言葉を自由に記入することができるというアプローチです。 例えば Facebook の場合、誰に対して自分の性を公表するかを決めることができるだけでなく、自分をどのように呼ばれたいのか「him

ガイドライン

デザインSDKの可能性を探る

SDKから学べること SDK(Software Development Kit – ソフトウェア開発キット)とは、ソフトウェアを開発するために必要な文書、関連ファイル、ツールが揃ったバンドルのようなものです。例えば Android SDK [http://developer.android.com/intl/ja/sdk/index.html] には、Android アプリを開発するために必要なライブラリだけでなく、プレビューをするためのエミューレータや、開発を効率良くおこなうためのユティリティが含まれています。 良い SDK には、以下の 4 つの特徴があります。 * コアライブラリが安定していて、主張通りに動作していること。 * ドキュメンテーションはもちろん Issue Tracking が維持・管理されていること。ソースを読んで学習せよでは十分ではない。 * どのように書けば動作するのか分かる例が用意されていること 。コンポーネントの互換性など、ドキュメンテーションだけでは説明しきれないことが分かるもの。 * 拡張性、柔軟性があること。別の言語で書かれたプログラ

Webデザイン

Webデザインシステムはじめの一歩

CSS フレームワーク活用のタイミング Bootstrap [http://getbootstrap.com/]、Foundation [http://foundation.zurb.com/sites.html] をはじめとした CSS フレームワークを一度くらい使ったことがあると思います。制作はもちろん、どのように CSS ファイルを整理すれば良いのか、どのようにデザインのルールを設計するのかといった CSS の書き方を学ぶ際にも使えます。もちろん CSS フレームワークはたくさんありますし、 Gridlex [http://gridlex.devlint.fr/] のように Flexbox を活用したグリッドシステムだけといった UI の特定要素のみを提供しているツールもあります。 CSS フレームワークは制作において非常に便利なツールですが、最終成果物として扱うかは注意が必要です。以下のような場合を除いて、CSS フレームワークはなるべく使わないようにしています。 プロトタイプ作成 Photoshop や Sketch のようなグラフィックツールで Web サイトをデザ