Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。

視覚化

ユーザー調査を実施するための地味だけど効果的な取り組み

うまくハマらないユーザー調査 ユーザー調査という言葉を聞くと、どういうイメージを頭に思い浮かべますか? 数週間のインタビューと観察。実施するための入念な準備期間。数十ページにも及ぶ調査レポートなどを想像する人は少なくありません。本格的な調査が必要な場合はありますが、早く動かなければならないプロダクト開発の文脈では現実味がありません。例えば以下の理由で調査をしない(できていない)現場をたまに見かけます。 * アジャイルのような早いサイクルで成果物を作り続けるプロセスに、調査がうまくマッチしない場合がある * 特にスクラム開発は調査・デザインとの相性が悪い場合がある * プロセスに調査ができる人が参加していない場合がある * 時間とお金がかかるというイメージが強すぎて手が付けられない * 調査・プロダクト開発それぞれがもつ有益な情報が見えにくい 調査には「長くじっくり実施して、きちんとしたレポートを作る」という先入観が付きまといますが、それだけが調査の姿ではありません。『調査』というフェイズを設けるのではなく、今の開発プロセスの中でどういう調査(手法)が実践できるか考え

プロセス

Q&A 成果物に合わせた説明の仕方が知りたい

> インハウスで3人ほどの少人数のデザイン部門にいますが、周りの知識レベルがバラバラで、デザイン批評をするのが難しいです。 また、途中成果物(ワイヤーフレーム、デザインカンプなど)がそもそもどういう目的で作られるものかも理解されていない状態です。 伝えやすくするためのコツや手段があれば知りたいです。 匿名 プロセスを進めるために手段がある 「デザインカンプを作らないと分かってもらえない」というのは昔からある制作者の悩み。デザインカンプは漠然としたビジュアルの印象を共有するためであれば良い途中成果物ですが、コンテンツの検討やインタラクションなど不得意分野もあります。 デザインカンプを作ったデザイナーは、それを通して何を共有して決めたいか頭の中でイメージしていますが、見ている側は下図のような様々な課題を一気に見せられているようなものです。 デザインといっても解決している課題は様々です。 いきなりデザインカンプを作ることの危険性は単に制作コストがかかるだけはありません。高いファシリーテション能力がないと、話が様々な方向へ広がってしまいます。ビジュアルの刺激が強いことから、本当

ワークショップ

ワークショップをするときに自己紹介の時間を多く費やす理由

私はワークショップの序盤に参加者全員に自己紹介をしてもらっています。自己紹介では役職名だけでなく、「仕事で興味があること、悩んでいること」を話してもらうようにしていて、上のメモは自己紹介タイムに残したものです。30 人前後参加するイベントなので結構時間をとってしまいますが、それでも実施するようにしています。 自己紹介はアイスブレイクになるのはもちろんですが、私も含めた参加者全員で文脈を共有するためにしています。「デザイナー」「Webデザイナー」「UXデザイナー」「UI デザイナー」「Web ディレクター」など役職名がたくさんあるこの業界。たとえ同じ名前でもまったく同じようなことをしている人はいません。責任範囲も違えば、現場で求められている成果物も様々です。 自己紹介を通して「なるほど、そういう働き方もあるんだ」という気づきもあると思いますし、「似たような悩みある」という共感が生まれることもあります。何よりも自分と違う価値観と環境で、様々なデザインの挑戦をしている人がいるんだという見えにくい背景を知る機会になると思っています。 登壇者⇄参加者のコミュニケーションがあるといっても

デザイン

健全なデザインの会話に必要なコト

デザイナーにある2つの仕事 デザイナーの仕事は情報を整理したり何か成果物を作ることであることに異論を出す人はいないと思います。何か形にできるのはデザイナーの特殊能力だと思いますが、それだけがデザイナーの仕事ではありません。デザインの見方や伝え方を周りに教えるのもデザイナーの役割です。 デザイナーの間では「デザインは課題解決すること」という認識が広まっていますが、周りからは「デザインは見た目を整えること」と思われています。デザイン思考、UX といった言葉をデザイナー以外が発することはありますが、それでもデザインは見た目の話に止まることがあります。 こうした状況に対して「デザインのことを分かっていない」と言うのはナンセンスです。私たちデザイナーと同じように情報収集と実践を繰り返しているわけではないのに、デザイナーと同じ認識と姿勢でデザインに取り組むことを期待するのは現実的ではありません。結局、見た目以上の話から発展しない理由として以下の 4 つが考えられます。 * 相手が分かる言語でデザインを伝えていない * 感覚的な言葉が多すぎて個人的な意見に聞こえてしまう * 課題解決