Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。

コンテンツ

アクセス解析から見つけだすコンテンツ設計のヒント

コンテンツの整備と Web サイト/アプリの設計提案をする際、必ずといっていいほどふたつのことを行います。 ひとつは、コンテンツの現状把握をする際に便利なコンテンツインベントリー [http://www.yasuhisa.com/could/article/content-communication-points/] 。もうひとつは、アクセス解析です。私は、アクセス解析のプロフェッショナルではありませんが、コンテンツを主軸にして幾つかの数値をみるようにしています。良いモノを作ったからといって、結果に繋がらなければ、自己満足で終わってしまいますし、運営も続かなくなります。また、アクセス解析はコンテンツの質をチェックする際も使えます。 膨大な数値をみることには、クリエイティブはないように思えますが、そんなことはありません。アクセス解析は様々な角度で数値をチェックすることが重要ではなく、表層的なデータからどのようにイマジネーションを広げるかが重要だと考えています。データが人間像を描く土台になることがありますし、彼等がどのような文脈でサイトを訪れているのかを想像することも可能になります

デザイン

即興が超える領域の壁

これは、私が好きな動画のひとつ。 歴史に残る映画の名シーンは、俳優たちによる即興が数多くあります。ヒース・レジャーが魅せた「ダークナイト [http://amzn.to/1dlJUJb] 」の怪演や「タクシードライバー [http://amzn.to/19Yew3b]」の名台詞が即興というのは、知る人ぞ知る有名な話。25 の映画のシーンを見ながら、俳優達の想像力と演技力を堪能できる内容です。(英語ですが、簡単な解説がアノテーションに記載されているので、表示しながら観覧すると楽しみが増します) 映画好きなら見ておきたい動画ですが、即興について考えさせられる動画でもあります。 俳優は台本どおりに台詞を話したり、監督の指示通りに演技をすることが仕事ではありません(それを好む監督もいますが)。「俳優だから」と、自分の周りにラインを引かず、与えられた世界の中を自由に動き回ることがあります。即興は、その表れだと思います。即興は、脚本によって定められた領域に留まらず、ときには領域からはみ出ることもあります。うまくいけば、作品の世界観を広げたり、登場人物に深みを与えてくれることがあります。

Webデザイン

良いWebサイトのなかにある静と動

シンプルな言葉のなかにあるニュアンスの違い 「なぜ、Web サイトが必要なのか?」 とてもシンプルな質問ですが、回答は様々です。 「利用者にとって良いコンテンツや体験を提供したいから」という回答をする人もいるでしょう。しかし、この模範解答のような言葉でさえ、人によってニュアンスが異なります。特に、マーケッター寄りの人と人間中心設計を実践している人では『良い Web サイト』の捉え方が大きく異なります。 マーケッターの視点で Web サイトをデザインするとは、どういうことでしょうか。彼等が考える「良いコンテンツ」は、サービスや製品を購入してもらうための説得材料です。写真、映像、文章、機能リスト・・・、こうした要素は、説得するために必要だと考えています。顧客が Web サイトへ訪れることによって、「買ってみようかな」と思ってもらえるような画面に設計することが重要だと考えられています。 それでは、人間中心設計の視点で Web サイトをデザインすると、どうなるでしょう。彼等が考える「良いコンテンツ」は、サービスや製品を利用することで、どのような感情が生まれるのか、どういった体験が待っ

Indie Game: The Movie
映画

Indie Game: The Movie

ゲームはアートと呼べるのでしょうか。 そうとは呼べないものもあるかもしれません。ゲームはアートとはいえないと思っている人も 2012 年のドキュメンタリー映画「Indie Game [http://buy.indiegamethemovie.com/]」を見れば考えが変わるかもしれません。3 つのインディゲームの開発模様を追ったこの映画。その中で開発者のひとりは「自分の良いところも悪いところもすべてゲームにぶつけている」と話しています。彼等がどのようにしてゲームをつくり、世に送り出しているのかを見終わったときに「はたしてゲームはアートを呼べるのか」という疑問が頭をよぎるかもしれません。 制作会社でビックタイトルの開発に携わるのではなく、ゲームデザインからグラフィックまですべてを 1 人又は少人数で開発する意味とは何でしょうか。続編に頼ったリスクの少ない商業化されたゲームではなく、自分たちがつくりたいゲームをつくる。それはとても『カッコいい』響きですが、実際は恐怖に満ちあふれた世界です。そこで彼等は身も心も削りながら、ゲームを少しずつ組み立てていきます。開発者ひとりひとりにフォ

コンテンツ

コンテンツ提案を生み出す対話のポイント

今のコンテンツの状態を書き出す「Content Inventory (コンテンツ・インベントリー)」は、Webサイトだけでなく、アプリ開発の際にも役立つステップです。ひとつひとつの画面を見ているだけでは気付かなかったことも、表にしてまとめると、重複していたり、古かったり、間違った情報が表記されているところが見つかりやすくなります。 コンテンツ講座 [http://www.yasuhisa.com/could/article/visualize-content-process/] でもインベントリーの重要性と始め方を解説したものの、難しいのは数百ページ分のコンテンツを表にまとめて調べるところではありません。本当に難しいのは そのあとどうするのか?という部分です。例えば、重複コンテンツや Web には適さないライティングが増えないようにするための処置はできます。 インベントリーに特別なツールは必要ありません。Excel や Google Spreadsheet で十分です。 * ワークフローの見直し: CMSの機能を使うだけでなく、組織の誰がどのようなタスクをするのかを確認する

WD101

WD101: PC脳な制作者にありがちな8つのアプローチ

このシリーズは Web Design101(WD101)と名付けて、ウェブデザインをより深く理解するための最初の一歩になる知識やノウハウをコラム形式で紹介していきます。 * Webは見た目のコントロールがきかない [http://www.yasuhisa.com/could/article/wd101-nocontrol-in/] * モニターの外をデザインするのが大半である [http://www.yasuhisa.com/could/article/wd101-outside-monitor/] * Webは寛容性をデザインする場である [http://www.yasuhisa.com/could/article/wd101-progressive-enhancement/] * Webのデザインは枠のない世界である [http://www.yasuhisa.com/could/article/wd101-no-edge/] * Webデザインであるもの、そうでないもの [http://www.yasuhisa.com/could/artic

デザイン

ポジティブとネガティブのデザインバランス

個人や社会の反映させるような強みや長所を研究するポジティブ心理学 [http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%82%B8%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6] 。以前、ポジティブ心理学から学べるデザイン思考 [http://www.yasuhisa.com/could/article/positive-psychology/] でも取り上げましたが、より良い体験を設計したいと考えるデザイナーであれば無視できない分野だと思います。一見、自己啓発の話に聞こえるわけですが、チーム管理や、コミュニケーションなどにも役立つと言われており、関連書籍や資料から多くを学ぶことができます。 [https://www.amazon.co.

デザイン

イメージ先行を超えた有意義なブランド価値

刷り込むだけがブランドか 企業ブランドを紹介する Web サイトを見る度に「ブランドってなんだろう」という疑問が頭を過ります。 どのサイトも洗練されたイメージつかってブランドを紹介しています。時には『企画モノ』を通して面白いアイデアに乗せてブランドを紹介していることもあります。PR の意味合いも含めてブランドメッセージを訴えかけているからかもしれませんが、時に「これをすることでブランドを伝えているのだろうか」と思うことがあります。 元々 brander という焼き印をつけることを語源としているブランド。イメージ(言葉・絵・音など)から、製品やサービスを連想させやすくし、それが安心感や信頼性にも繋がると言われています。焼き印としてのブランドであれば、イメージ先行の『刷り込み型』のコミュニケーションでも十分なのかもしれません。 しかし今のブランドは、他にも様々な意味が含まれています。 例えば、企業ブランドは企業が訴えるイメージだけでは完成せず、消費者の経験や価値観も加味された、複合的な存在であるといわれています。この場合、ブランドを通して約束された価値や意味を、消費者にきちんと提