今のデザイナーに必要な10のスキル
見た目だけを考える仕事をしているわけではないという意味も含めて、「デザインする人」という肩書きのようなものを名刺に入れています。デザイナーと書くと、『外側』を作るというイメージのほうが強いかもしれないので、わざとそう書いています。両方とも意味は同じのはずですが、日本語で書くとちょっと印象が違うような気がします。どちらでも良いと思いますが、こう書くことで私自身は意味を重く受け止め、足りないことが多いですが、日々精進するきっかけになります。
最近デザインという言葉は考え方や仕事の仕方などあらゆるシーンで使われるようになってきました。ではデザイナーはどうでしょう。デザインと同じように意味が広がってきているのでしょうか。
Fast Company の「Beyond Design, 10 Skills Designers Need to Succeed Now」という記事でこれからのデザイナーに必要なスキルを10紹介しています。こちらを読むと、デザイナーという言葉も従来考えられていたデザイナー以外の方にも共通して言える点ばかりです。以前執筆した「クリエイティブになるための4つの視点」と通じるものがありますね。
- 熱い好奇心
- 想像力
- 客観性と自覚性
- 明確なコミュニケーション
- ストーリーを語れる人
- 無駄のない遂行 (短く言えば GTD)
- ビジネス的な洞察力
- 世界的な視野 (自分の環境や市場という意味も含めて)
- コンテキスト (トレンドを考慮)
- 才能
今やデザイナーとは、センスや技術的なノウハウだけではなく、それらをどのように自分の仕事や世界に繋げることが出来るかどうかが重要です。デザインという意味が広義で言い表すようになったのと同じように、デザイナーとして必要なスキルも広くなってきたと言えます。
こんなに必要になってますます大変だと感じるかもしれませんが、そんなことはありません。Webサイトのデザインとは人とシステム、システムとシステム、そして人と人を繋げるための行程だと考えています。この3つの繋がりの中で最も重要なのは当然「人と人」です。私たちの専門知識、技術力、洞察力をいかに使う人たちが分かる形に翻訳するのかが課題なわけですから、上記に書かれているスキルセットの多くはその課題に取り組む際に必然とされるものといえるでしょう。
昨年暮れの CSS Nite Shift 2 では、不況の中出来ることをメインテーマとして話しましたが、「Web デザインの仕事をもう一度見つめ直そう」というもうひとつのテーマが存在しました。単に Web サイトを制作するのではなく、一歩踏み込んだ関係で社内外の仕事が出来ると、よりおもしろいサイトは増えるのではないかと思いますし、仕事がなくなることもないでしょう。より一歩踏み込むにも上記のスキルセットは身につけて行きたいですね。