ウェブブラウザとオンラインゲームの今後
数年前からオフィス系のソフトウェアは次々とWebブラウザ上で扱えるようになってきましたが、ゲームも似たような状況になりつつあります。Flashゲームのような小さなゲームは以前からブラウザで遊べましたが、MMORPGのようなスケールの大きいゲームもブラウザへ移行しつつあります。ユーザー数が多いゲームで有名なのが RuneScape。サービスが立ち上がった 2001年当初はポリコンそのままのグラフィックでしたが、今では高画質でフルスクリーン表示も可能です。アクティブユーザーは何人か分かりませんが、850万アカウントあると言われています。
ブラウザベースの MMORPG は他にも Free Realms があります。どちらかというとコミュニティサイトですが、Club Penguin もオンラインゲームといえます。いずれもコンソールゲームに見られるような美しいグラフィックでもなければ、PCゲームのようなスケールのゲームデザインではありません。しかし、年々質が向上しているのは確かですし、カジュアルゲーミングには丁度良いゲーム環境を今のテクノロジーは提供しているのではないでしょうか。
従来、オンラインゲームといえば終わりもないから延々に続いて気が遠くなるというイメージが先行していましたが、20〜30分遊ぶだけでも十分楽しめるような仕組みがあるゲームは少なくありません。ブラウザベースのオンラインゲームはカジュアルゲーミングに新たな可能性を示すと思います。最近のゲームコンソールはウェブブラウザを実装していますが、ウェブサイトを表示させるソフトウェアという位置づけになっているのが現状です。そうではなく、ゲームを遊ぶための入り口という位置づけでブラウザを実装したゲームコンソールが現れたらおもしろそうです。プラットフォームに依存しないとはいえ、今はパソコンに依存しているブラウザベースのオンラインゲームも様々な方に遊んでもらえるチャンスが増えます。
ブラウザを利用したオンラインゲームとは別に、今までのゲームをブラウザから遊ぼうという試みもあります。OnLiveは、独自のストリーム技術を利用してロースペックのパソコンでも最新のゲームを楽しめるそうです。専用機器を取り付ける必要があるみたいですが、コンソールゲームだけでなく、パソコンのオンラインゲームもゲームクライアントなしで遊ぶことが出来るそうです。実際動作しているのを見ていないので何とも言えませんが、これが事実なら遊び方がまた変わりそう(今冬にベータテストが開始されるそうです)。
すべてのゲームをブラウザで遊べるようにするのは、まだ難しいと思いますし、ゲームによっては異なるコントロールを必要とする場合があるので、なかなかワンゲーム・オールデバイスというのは難しいと思います(逆にそこまで統一するとゲームの遊び方の幅も狭まりそうですしね)。デバイスの長所を活かしたゲームが今後どんどん出てくると思いますが、今回紹介したようなより多くの方に遊んでもらうゲームも登場してきています。その入り口としてWebブラウザが筆頭となっているのでしょう。