マッシュアップという言葉をきくとサイトAとサイトBのデータをかけあわせて、サイトCという新しい価値をもつサービスと連想します。しかし、技術側面からみると、Netvibesのような独立したデータが表示される表層的なマッシュアップ、APIといったサーバーサイドソフトウェアを使ったマッシュアップ、Microsoft SQL Server のようなサーバーを使ってデータを完全にサーバーサイドでマッシュアップするといった方法もあります。

個人や小規模のチームで表層的なものや API を幾つか掛け合わせたマッシュアップは可能ですが、サーバーサイドのマッシュアップとなると、扱うデータがそもそもないといった場合もあるでしょう。しかし、企業のイントラネット/エクストラネットのソフトウェア開発であればサーバーサイドのマッシュアップの価値は高いです。

セールス、マーケットリサーチ、取引といったデータが今まで独立したソフトウェアやデータベースの中に存在し、要望に応じて IT 部署が開発したり、ユーザーにとって面倒でも現状のまま使ってもらうというのが従来だったと思います。様々なデータがマッシュアップされ、一望出来るようになることで今まで見え難かった新たな側面の発見に繋がるかもしれませんし、オールインワンなので仕事効率も上がるでしょう。

企業向けのデータマッシュアップサービスは年々増え続けていますし、Dapperのように一般ユーザーでも使えるサイトも出て来ています。また、Yahoo! PipesPopfly のようにユーザーが欲しいと思うマッシュアップを自分たちで作ることが出来るサービスもあります。こうした動きを考慮すると、単に企業はデータマッシュアップが出来る環境を整えるだけでなく、将来的には部署やチームがプロジェクトごとに自由にマッシュアップページを作成し、共有するための環境が必要になってくるのかもしれません。

ひとつのソリューションになりそうなのが、IBM の QEDwiki。企業の様々なデータをウィジェットのようにページに並べれるだけでなく、それぞれのウィジェットが通信しあって、最適なデータを表示するといったことも可能です。QEDwiki はいかにもプロトタイプといった感じがするインターフェイスですが、QEDwiki をベースにして開発された Lotus Mashups は洗練されたイメージがあります。

Lotus Mashups スクリーンショット

2008年の中頃にはリリースされる予定の Lotus Mashups を使えば、天気の情報を不動産の動向をマッシュアップさせて、独自の分析ツールをドラッグドロップという簡単な動作で作成することが可能になります。独立したウィジェットを並べるのではなく、それぞれが密接に関わりながら新たな価値を生み出すわけです。

膨大な量のデータを有する企業だから必要とされるツールでしょうが、技術的な進歩だけでは本当の意味での企業マッシュアップは訪れないと思います。データが社内で自由に行き来出来るようになインフラを築いたり、部署ごとの隔たりをなるべく少なくするといったリアリでのマッシュアップも必要になってくるでしょうし、ますます重要になってくるでしょう。