ビジネス

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Q&A 隠れたステークホルダーの見つけ方

大きな会社であればあるほど、プロジェクトが進むにつれて合意形成範囲が広がってしまう場合があります。対面するメインチームのクライアント自身も認識していなかったステークホルダーが後から出てくることもあります。事前にどうすれば良かったでしょうか。 匿名 私自身も経験したことがありますし、数千人規模の大企業になると途中からステークホルダーが増えるという状況は避けされません。ただ、少しでも有利な状況にすることは可能です。 クライアント組織の構造を理解する 案件を進めるとき、クライアント企業の「担当者」が主な窓口となりますが、その方が決裁者ということはあり得ません。その上に「部長」がいるかもしれませんし、そのまた上も存在します。また、組織外にも案件を進める上で重要なキープレーヤーがいる可能性もあります。 早い段階(できれば最初のヒアリング)でクライアント組織と、周りを取り巻く要素は何か把握すると良いでしょう。下図はシンプルな例です。 コンサルタント / アナリスト: アドバイザーのような役割で入ってくる方で、ビジネスや市場といった全体像を分析した上で、成果物(デザイン) がどうあるべきか考える。 インテグレーター: 部署間の行きできるハブのような存在。プロジェクトマネージャーに多い傾向。複数の部署の中身が見えているので、インテグレーターから聞き出せることは多い。 販売会社 / 業者: クライアント企業のビジネスモデルによっては複数存在するだけでなく、販路が複雑な場合もあるところ。BtoB ビジネスではお客様と同じくらい(

デザイン

デザインとは交渉すること

受け身のままでは後退する 長くキャリアを積んだとしても、時に「デザインとは?」という疑問が頭に浮かび上がります。様々な定義がありますし、文脈や状況に応じて正解といえるデザインが変わると思います。私が携わっている web サイトやアプリケーション(デジタルプロダクト)という観点からデザインを捉えると「デザインは交渉すること」だと思っています。 ユーザーの立場・視点を想像して、質の高いプロダクトをデザインしたいと考えるのは良いですが、その想いをそのまま周りに伝えても理解されません。デザイナーが考える「質」は、その職域に携わる人独特の視点であることは多々ありますし、技術制約やビジネスゴールを考慮するとコスト高という場合もあります。 だから諦めましょう … ではないからこそ交渉する必要があります。デザイナーは与えられた課題に対して解決案を作るといった受け身の仕事になりやすいことから、指示・注文・提案も素直に受け止めてしまうことがあります。「○○してください」は絶対やらなければならない指示ではなく交渉する機会と捉えるべきですが、何もせずに手を動かし始めてしまう。これでは実現したいデザインから次第に遠ざかってしまいます。 特異なデザイナーの想いを察してくれる優しい人ばかりではありませんし、プロダクトに携わる人それぞれ「やってみたいこと」「追い求めたい質」をもっています。 交渉とは自分のアイデアを押し通すための説得ではなく、お互いが納得できる歩み寄りの対話です。「やりたいことがあるけど、なかなか実現できていない」と思っているのはデザイナーだけではありません。彼らが抱えている課題を聞いた上でデザイナーが何を提案できるかが交渉のキモになります。

デザイン

デザインをスケールしていくための役割分担

数だけのデザインチームは『弱い』 インハウスデザイナーの数が少ない組織だとあらゆるコトができる方がいたほうが早く動けます。プロダクトはもちろんプロモーションやマーケティング用の成果物も作りますし、ディレクションに近いことをする場合もあります。小さなチームだとワークフローもシンプルですし、周りが何をしているかも Chatwork や Slack を眺めていればだいたい把握できるので身軽に早く動けることが重要になります。 しかし、組織が大きくなるとあらゆることが同時進行します。そこでデザインのスケール化が必要になるわけですが、小さかった頃と同じように「作る」に関わるあらゆる作業ができる人を求めている組織も少なくありません。 野球、サッカーのようなチームスポーツは良い例だと思いますが、それぞれが明確な役割をもってプレイをしています。デザインも同じようにポジションを明確にしてチームを作り上げていくべきですが、全員が全ポジションをやっているようなところもあります。ただ頭数を増やしているだけだと、周りが求めているスピードに追いつけません。 こうした『何でも屋状態』は若い頃は良いかもしれませんが、専門性をもちたい人もいるはずです。それでも何でもやらなければならないという職場にいると UX が付く肩書きがもつ不安を生み出します。 インハウスで何でもやるデザイナーの次のパスはどこにあるのでしょうか。最近だと「デザインマネージャー」「デザインリーダー」又は「CDO」といったポジションがあるものの、上の立場で働くしかないのも物足りない気がします。UX Collective が今年の初めの発表した The State

デザイン

デザイン指標から価値を伝えてみよう

価値の説明が下手なデザイナー IBM の社長だったトーマス・J・ワトソン・ジュニアが「良いデザインは良いビジネスである」と言ったのが 1973 年。最近だと Design in Tech Report 2017 (PDF) のなかで、 デザインは見た目の美しさだけでなく市場に合うものを作り成果を出すものとし、ビジネスと密接な関係にあるものとしています。今も昔もデザインはビジネスにおいて重要なポジションにあるべきだと言われていますが、未だにあちこちで『説明・説得』があるということは、うまく伝わっていないのかもしれません。 私は価値が伝わりにくいというより、価値の伝え方が上手くないではと考えています。ここで言う「伝える」とは、ただ言葉にするだけでなく体系化も含まれています。 プロセスと価値が結びついていない UX やデザイン思考のような言葉がビジネスシーンでも流行したことで、見た目が良いものを作るだけがデザインではないことは認知されたと思います。プロセスがフレームワーク化されたことで、チームでデザインについて考えやすくなりました。 しかし、良くも悪くもプロセスであり手段であることから、具体的な成果物を作り上げるには不十分です。また、盲目的に手段だけ取り入れることで「そもそも何でやっているの?

ビジネス

ビジネスを考慮したデザイン提案をする前に決めておきたいこと

改善の意味を合わせる Web サイトやアプリの運用・改善は欠かすことができないプロセス。一発で正解を出すのが難しいのはもちろん、市場やユーザーの動きも常に変わるので、それに合わせた対応が必要になります。改善をすることに異論を唱える人はいないと思いますが、何に対して改善したいと言っているのか異なる場合があります。 例えば web サイトやアプリの制作者(デザイナーや開発者)であれば、UI や使い勝手を改善したいと考えるはずです。しかしマーケターであれば流入チャンネルを改善したいと考えるかもしれないですし、経営幹部であれば収益を上げるための施策を改善と呼ぶかもしれません。 それぞれが考える改善をしていても最大の効果は得られませんし、ひとつに集中しなければ効果が見えてこない場合があります。 また、ビジネスインパクト(利益になるかどうか)を考えたとき、私たちがやりたい UI 改善による効果が極めて小さい場合があります。押しやすいボタンにデザインを変えたとしても、ユーザー数が少ない中では望める効果を得るのは難しいです。それより、ユーザー数を増やすための施策にデザイナーが参加するほうがビジネスへ貢献できるかもしれません。 役職や背景によって「改善したい」と思うところが異なります。そこでチームで改善するフォーカスを決めることが重要になります。Web サイトやアプリにおける改善は以下の 6 つに分類することができます。 ※ カタカナ用語で分かりにくいかもしれませんが、ビジネスサイドで使われている言葉なのであえて使っています。 アウェアネス 気付き・認知:

ビジネス

デザインが理解されないと言いますが

ビジネスと共生関係の中で 「デザインが理解されない」 「ユーザー調査させてくれない」 「時代に合う作り方を実践したい」 こうした声をオンライン、オフラインでよく耳にします。孤独の戦いを強いられているからこその悩みという場合もありますし、いろいろ模索した末の声ということも少なくありません。また、私自身試行錯誤しながら実践しているところはあります。「理解されない」という声を発する気持ちは共感できるものの、以下の質問にあなたならどう答えるでしょう。 もし、デザインが『理解』されたらどうしますか? 理想の作り方ができれば今よりビジネスに貢献できると言い切れますか? 具体的な効果があることを証明することができますか? デザイナー視点の優先順位がビジネス側の優先順位とうまく噛み合っていないまま「デザインは重要」と言っても伝わりません。そもそもビジネスにおいて、デザインはもちろんエンジニアリングもセールスもマーケティングも経理もすべて重要です。デザイナーはデザインのことだけ考えていたら良いという特別扱いはできないわけです。 私はデザインの仕事はビジネスに貢献するものだと思っています。利用者の欲求やニーズに応えるためのデザインがなければ、売り上げが立たないこともあるはずです。また、ブランディングのような数値化が難しいエモーショナルなところを追求できるのもデザインの強みです。一方、ビジネスへの貢献の見通しがない活動ばかりしていると食べていけなくなりますし、周りからも「あの人、何しているの?」と思われるかもしれません。 特に事業会社ではビジネスとデザインは共生関係なので、デザイナーもビジネス戦略の理解は不可欠になります。そうしないと、独りよがりの意見に聞こえてしまい、結果的に「デザインが理解されない」ということになります。 続けることが理解への近道

インターネット

簡単ホームページサービスと次へ導く難しさ

ダンプカーを押し売りしていないか 社会学者エベレット・M・ロジャーズ(Everett M. Rogers)のイノーベーター理論に当てはめると、今ホームページを作りたいと考える人たちは「レイトマジョリティー」もしくは保守的な「ラガード」に入ると思います。Web サイトを作るだけで多くの方が訪れる、ネットワーク効果でどんどん広がるというのは 10 年以上前の話。あらゆる専門家が思いつくことをやり尽くしている現在。「さぁ ホームページでも作ってみるか」と立ち上がってはみたものの、見渡す限り戦後の焼け野原といっても大袈裟ではありません。 日本ではほぼ普及しきったと言える web。そういう状態だからこそ安心して参入できると考えるのがレイトマジョリティーですが、競争も激しく小手先の手段では変化は生まれません。Web プロフェッショナル達が「ただ、作っただけでは意味がない」と語るのはそのためで、飽和状態の市場で勝ち抜くには、お金と人を十分につかった『全力の投資』が必要になる場合があります。 成功・失敗事例をたくさん見ているだけでなく、経験も積んでいるからこそ、作って終わりにしないよう働きかけるのが私たちの仕事ではあります。しかし、「作っただけでは意味がない」という論調を強くするあまり、やる気の火が付いた人たちを萎縮させてしまう可能性があります。

ビジネス

デザイナーも知っておきたい数字との付き合い方

数字と向き合う ビジネスに貢献するデザイナーとして、ある程度のデータ分析能力は必要です。「デザインが重要」と言われるようになったのは良いことですが、それを証明しなければ装飾するだけの仕事に逆戻りしてしまいます。「データ分析」と書いてしまうと、深い数学の知識が必要そうに聞こえますが、そんなことはありません。 まず、数値が存在しないところにデザインを評価するところが幾つかあります。Web サイトやアプリを使う体験は主観的かつ感情的なものですから、ユーザーからの生の声が聞ける窓口を築いたり、ユーザーインタビューやヒューリスティック評価をするといった定性分析が必要になります。 ただ、こうした定性分析にしても「これはどうですか?」といった質問から始めても、次に繋がる改善点が見つからないどころか、開発に混乱を招くことがあります。そこで、定量調査が大きな役割を果たします。ユーザーの動機や感情を数字から読み取ることはできませんが、ユーザーの「なぜ」を導き出すヒントを与えてくれます。 例えば Google Analytics には、行動フローというユーザーが画面をどのように遷移したのか視覚的に見る機能がありますが、ユーザーが辿る道筋の傾向を知るには最適です。制作サイドで想定していなかった遷移が見つかるかもしれないですし、どこで離脱しているのかも判別しやすくなります。行動フローのデータを基に「なぜ、ユーザーはこの操作をしたのか」を調査するためにインタビューやユーザーテストを行えば、定性分析の目的がより明確になります。 強そうな指標からの脱却 データ分析全般に言えることですが、目標・

アクセシビリティ

Webアクセシビリティがビジネスと付き合うための課題

5月18日、神戸でアクセシビリティの祭典が開催されました。 Global Accessibility Awareness Day に合わせて開催されているイベントで、今回で 3 回目になります。Web サイト制作に留まらず、最新の支援技術の見学・体験ができたり、気軽に質問ができる場も用意されていました。今回は参加者として 1 日たっぷり勉強モード。当日の様子は Togetter のまとめを参照してください。 シフトレフトの課題 構築後の品質チェックの一環としてアクセシビリティを確認しているだけでは遅い場合が多々あります。設計段階から考慮されていないと、見た目だけでなく使い勝手に大きな影響を及ぼすからです。そこで、アクセシビリティもシフトレフトするべきだと考えることができます。制作・確認(テスト)といった工程の後半ではなく、企画・設計といった早期段階からアクセシビリティの専門家たちがプロジェクトに関わるべきという考え方です。 アクセシビリティをより早い段階から考えることは賛成ですが、その段階に入り込むにはビジネスと正面から向き合う必要があります。UX はその典型的な例で、従来はデザイン界隈で語られていた制作寄りのキーワードでしたが、今はビジネスに貢献する施策を練ることが必須です。アクセシビリティが企画・設計から入れるようになるには、ビジネスメリットに繋がるプランを描けるようになる必要があると思います。 誰でもアクセスできるようになることで、マーケティングファンネルの一番上にある「

ビジネス

デザインはビジネスも世界も変えなくて良いと思う

破壊しているのはビジネス 先月、英国に行ったときに「Design Disruptors」というドキュメンタリー映画を見る機会がありました。これはプロトタイプツールを提供している InVision が制作したドキュメンタリーで、Facebook, Uber, Netflix など最前線を走る企業のなかで活躍するデザイナーのインタビューで構成された内容でした。 1 年半以上かけて丁寧に作られたドキュメンタリーで、新興のテック系企業が作ったとは思えない品質。しかも、映画の一番最後まで自社製品の宣伝がなく、本編でも「inVision」という言葉は一度も耳にしませんでした。こうしたコンテンツが作れる inVision は改めて凄いと思ったと同時に、一体これは誰に向けて何が言いたかったのか分からないところもありました。 デザインがどうビジネスや世界を『Disrupt (破壊・再構築)』しているのかを伝えたかったのだと思いますが、文脈がないまま次々と有名企業のデザイナーからのメッセージが流れるだけの構成。そこから自分なりに解釈・理解するには、本作を見ただけでは足りないかもしれません。 実際会ったことがある方や、訪問したことがある有名企業が次々と出てきたわけですが、どの企業も以下の 3 点が共通していました。 ビジネスモデルが市場に受け入れられている 上場してる、又は出資を受けていてお金がある 数十人もしくはそれ以上のデザイナーを抱えている ビジネスが「

デザイン

デザイン原則がどの現場でも必要な理由

大企業だけのものではない デザイン原則は、ひとりのデザイナーがマニフェストとして明示することもありますが、最近は多くの企業がスタイルガイドと一緒に作られることが多くなりました。ここで言うデザイン原則とは、タイポグラフィや配置といったデザインするためのノウハウではなく、「我々が考える良いデザイン」が文章として表されたものを指します。つまり、自分たちのスタンス(立ち位置)を示したものです。 Material Design だと、以下の 3 つの原則があります : 実世界にも通じる空間と動きをメタファとして扱う 力強く、視覚的であると同時に意図的 動きを通して操作や表示の意味を伝える また、Facebook のデザイン原則だと、「ユニバーサル」「一貫性」「使いやすさ」など1単語でシンプルに表現されています。もちろんこれだけだと分かり難いので解説が添えられています。例えば「一貫性」であれば、再利用できるものは無理にリデザインしない、同じ部品であれば同じように動作させることで信頼性を高めると説明が付け加えられています。 こうしてデザイン原則を明文化することは大企業だけでなく、小さなプロジェクトにも必要だと考えています。私の場合、小規模の Web サイト制作でも、そのプロジェクトにおける原則をつくって共有するようにしています。 見失わないための灯火

デザイン

変わりゆく利用者行動と情報の流れ

縮小する Search & Find Google 以後の Web 利用は「Search & Find(検索して見つける)」が根底にありました。情報を見つけるために、キーワードを入力して検索したり、ディレクトリを掘り下げて目的の情報へたどり着くという行動です。 今や『当たり前』となった利用者行動ですが、Web の黎明期からそうだったわけではありません。90年代は、検索するといっても、欲しい情報が見つかる検索エンジンはなく、使わないほうが良いという考えもありました。そうしたなか、Google という優秀なアルゴリズムを実装した検索エンジンが登場したことで、広大な Web の中から情報を探し出すことが出来るようになりました。 このように技術が『当たり前』を作りだすことがあります。私たちの行動や思考は、技術に大きく左右されることがあるわけです。Google のような検索エンジンが登場したことで、Search & Find という行動が助長されたといえるでしょう。このように、技術に影響されるのは私たちの行動だけではありません。

デザイン

ポストPC時代のWebで注目している2014年のキーワード

タブレットの販売台数が PC を超えた 2013年第四半期。(スマートフォンは 2011 年で超えています)。スマートフォンやタブレットはもちろん、情報へアクセスするための『ガラス』は、今後ますます増えていきます。2014年は、Web へアクセスするための手段が文字通り多様になるといっても過言ではありません。iPhone をはじめとするマルチタッチのスマートフォンが出回りはじめた頃は『モバイル Web』という言葉が用いられていましたが、これからは『The Web(これが Web)』と言い換えたほうが良いでしょう。PC がなくなることはありませんが、「まずはパソコン版を前提」という考え方はいちはやく拭い去らないといけなくなります。 自動的に取得した睡眠のデータを、いつでもアクセスできるようにしてくれる Withings Aura。 いつでも、どこでも自分の好きなデバイスから、サービスを受けることが出来るようになった現在。消費者はどこへ向かうのでしょうか。そして、Web を利活用するためのお手伝いをする仕事をしている私たちは何に注目すれば良いのでしょうか。今回は 2014 年の始めの記事ということで、

デザイン

スタートアップとデザインについて

Pinterest, Path, Instagram など、アプリのスタートアップでデザインが重要であると言われるようになってから久しいです。しかし、デザイナーという存在の理解はされているのかというと時々分からなくなります。 考えるきっかけを与えてくれたのが、Wells Riley 氏が公開した「Startups, This is How Design Works」というページ。デザインの全体像が分かる素晴らしいまとめではありますが、デザイナーへの期待値を不意に高めている部分があります。 アプリデザインに絞って考えたとしても、そこで必要とされるデザインは、インタラクション、グラフィック、アーキテクチャ、タイポグラフィ、コーディング、ユーザースタディなど多岐にわたります。これらを総括して「デザイン」と呼ぶわけですが、デザイナーも総括した存在ではありません。インタラクションデザイナーはグラフィックデザイナーと呼びませんから。 特にスタートアップ周辺でデザイン重要と言われてはいるものの、彼らのデザイナーに対する要望が高過ぎて見つからない場合があるのでは。 — Yasuhisa Hasegawa (@yhassy) April 20, 2012 「Startups, This

ゲーム

イノベーションが続くF2Pゲームの現在と未来

ここ 1,2 年で頭角を現しているソーシャルゲームですが、MMOG (多人数オンラインゲーム) のジャンルから見ると、今の流行の前兆をいくつか見つけることができます。 10歳前後をターゲットにしている Club Penguin。親が安心できるような機能やサービスを充実させ、サービススタート当時から高い評価を得ています。 2005年から運営している Club Penguin (2007年にディズニーが買収) は、ブラウザベースの子供向け MMORPG で、無料で遊べるものの有料会員制も導入しています。ソニーが 2009年か運営している Free Realms は、子供をメインターゲットにしているオンラインゲーム。PlayStation 3, Windows, Mac で遊べる MMORPG で無料から遊べることが出来ます。いずれもノンゲーマーと呼ばれてる人たちからも指示を得ているカジュアルオンラインゲームです。 ソーシャルゲームの定義には様々な解釈がありますが、共にマルチプレイの要素が含まれることがあることから Free to Play (F2P) と混同されていることがあります。Free

デザイン

直感を殺した効果測定崇拝は止めよう

宗教になった効果測定 昔、Webデザインは直感・経験・感性のみで作られていました。しかし、低価格・無料のデータ解析ツールが登場したことにより、より多くのサイトがデータ解析をサイトの成果測定に利用するようになりました。従来はページビューという大まかな数でしか価値を測定することが出来なかったわけですが、その場にいる利用者の姿も徐々に見えてくるようになりました。現在はページビューだけでなく滞在時間、訪問頻度、コンバージョンなど様々な要素を効果測定要素として取り上げるようになりましたし、それらを基に改善のプロセスが組まれるようになってきました。 ビジネスを考える上において、直感・経験・感性に行き過ぎていた従来の Web デザインは不十分な存在でした。そこで効果測定を積極的に取り入れようという動きが生まれたわけですが、今度は効果測定が『宗教化』してしまい本質を奪ってしまう場合も出て来ています。 効果測定は魅力的な存在です。なぜなら自分たちが作り上げたサイト・サービスの価値を確固たる数字として分かりやすく提示するからです。分かりやすい数値として表示されるからこそ、同僚・クライアントなど多くの人と共有しやすいですし、次の目標も立てやすいわけです。ちょっとした変更も数字として表れるわけですし、作り手としても楽しいでしょう。しかし、効果測定がビジネス・デザインにおける最重要要素ではありません。 もちろん、データ収集そのものが悪い行為だといっているのではありません。「キーワード2011: Analyze(分析 / 観察)」という記事でデータとデザインは相反するものではなく密接な関係にあると説明したとおり、

ネットワーク

キーワード2011: Empower(元気づける)

キーワード2011Empower(元気づける)Analyze(分析 / 観察)Talk Now(今すぐ対話)Fun(楽しむ) 今回から4回にわたって 2010 年のキーワードを事例と共に紹介します。まず最初は「Empower」です。エンパワーメントというカタカナ表現はよくマネージメントでも使われている表現。英和辞書でこの言葉を調べると「能力を高める」「権限を移譲する」といった少々堅苦しい言葉になりますが、言い換えれば「元気づける」「活躍の場を設ける」といった表現になります。 Webの魅力は幾つかありますが、そのなかに「共有」があります。YouTube は毎分 13 時間以上のビデオがアップロードされていますし、Flickr には既に 30 億枚もの画像がアップロードされています。それらをはじめとした Web コンテンツは猛烈な勢いで共有され多くの方がコンテンツを消費しています。私たちが何気に利用しているソフトウェアもオープンソースという共有・共働の原動力があるからです。たくさんのコンテンツが無料に存在し、いつでも何処でもそれを手にすることが出来るようになったのは

ビジネス

自由になったWebの情報と広告について

先日、某紙媒体の企業が定期的に開催している勉強会にゲストスピーカーとして参加させていただきました。紙媒体でのビジネスが中心ですが、豊富なコンテンツを揃えた Web サイトを長く運営しているこの企業。去年から社外の方を招いて今後の Web での展開を模索するために勉強会を開いているそうです。Webサイト制作だけでなくマーケティングに近い分野まで広げて講演をすることがあるので、こうした制作に特化しないところで話が出来て非常に有意義でしたが、同時に訪れた企業のビジネスモデルについて知識をもっているわけではないので、どこまで伝えることが出来るか不安でもありました。 勉強会での詳細は紹介出来ませんが、そこで感じたことを書き残しておきます。 自社の領域を示す囲みがないWeb 紙媒体だけではなくテレビにもいえることですが、コンテンツをパッケージング出来ることがひとつの特徴です。コンテンツ配信者側が考える最適なビジュアルと情報の分量をコントールし、そのままの形を視聴者に届けることが出来ます。当然、こうしたパッケージングの概念をもちいて成功している Web サイトは少なくありませんが、利用者と Web の関わりはひとつにパッケージングされた世界だけでは留まりません。 サイト、ページというパッケージングされた概念も徐々に失われつつ、その中にあるコンテンツ(情報)が自由に行き来するようになりました。技術がそれを可能にしているだけでなく、利用者の姿勢や態度もサイトを訪れるという考えから、必要なタイミングで必要な分量の情報を取得するという考え方にも変化しています。ひとつの情報ソースだけではなく複数の情報ソース(第1ソースから友達の意見まで)を読むこともありますし、様々なアプリケーションやデバイスを切り替えて見るということもあります。 コンテンツ配信者側としてはパッケージングしたほうがコントロールがしやすいです。もし紙媒体から仕事をしている方だとしたら「Webサイト」という領域を築いて、

サービス

今だから出来る新しい紙媒体向けサービス

電子書籍が注目を集める今日ですが、印刷もここ数年間変わり続けています。例えば名刺印刷をみてみるとどうでしょう。年々印刷の質が上がっているのはもちろんですが、値段も下がり続けています。PDF や Illustrator ファイルを Web サイトでアップロードするだけで作業が終わるなんて数年前では想像しにくかったですが、今や当たり前です。 紙媒体は Web に比べるとスケーリングに乏しいです。ユーザー (読者) が増えるとその分印刷コストがかかります。初版でたくさん印刷出来ればコストを落とすことが出来ますが、なかなかそうはいきませんし、印刷の回数が増えればその分コストが嵩みます。しかし、ニッチな市場ではどうでしょうか。ある程度、読者数が想定出来るのであればコストを抑えつつ利益を上げることが出来るかもしれません。一昔であれば、紙媒体をもつにはそれなりに資金と印刷ボリュームを必要としましたが、近年の印刷コストの低下に伴い、ニッチな市場に向けた新しいビジネスも生まれています。 自己出版・制作サービスの老舗といえば Lulu というサービスがあります。2002年から運営されているこのサービスは今でも成長を続けており、年間50万タイトルの書籍が出版されています。書籍(というより最初は冊子みたいでした)からスタートした Lulu は、現在カレンダー、フォトアルバム、電子書籍の販売もサポートしており、Stanza

ビジネス

Bandcampが提案する今時の音楽販売

photo taken by auggie tolosa もう1年半くらい前からありますが、Bandcampは音楽系のサイトではトップレベルのサイトです。デジタルミュージックを販売するサイトはたくさんありますが、ここは幾つか工夫がなされています。 音楽配信に最適化されたカスタムページ 非圧縮ファイルをアップロードすれば、複数フォーマットに自動変換される ミュージシャンは無料から有料まで自由に設定できる 音楽に反応して動くビジュアライザ付き リスナーが値段を決める形式にも対応 低音質は無料で高音質は有料という分類が可能 豊富な共有オプション どの音楽を最後まで聴いて、どれをスキップしたのか分かるアクセス解析 自分の音楽が何処で話題になっているか分かるリファラ表 ソーシャルメディアを利用するユーザーを意識したデジタルミュージック販売のひとつの形を Bandcamp は提案しているわけですが、デジタルだけでなく CD/レコード販売でもおもしろい試みを始めました。BCWaxは、Bandcamp と連動したレコードレーベル。今この時代に CD やレコードを手にする理由は音楽が聴けるからというより、それが CD やレコードという触感があるメディアだからといえるでしょう。そこに注目して紙質から徹底的にこだわったパッケージングで限定販売するのがコンセプト。 BCWax から発売される Love. Life. Ukulele. のカバーを見れば分かる通りかなり高品質です(もちろん音楽も負けていませんが)