Q&A 隠れたステークホルダーの見つけ方

外部の人間だと把握できないことが多いですが、ヒアリングの仕方や、そのあとに続くインタビューで理解を深めることができます。

大きな会社であればあるほど、プロジェクトが進むにつれて合意形成範囲が広がってしまう場合があります。対面するメインチームのクライアント自身も認識していなかったステークホルダーが後から出てくることもあります。事前にどうすれば良かったでしょうか。

匿名

私自身も経験したことがありますし、数千人規模の大企業になると途中からステークホルダーが増えるという状況は避けされません。ただ、少しでも有利な状況にすることは可能です。

クライアント組織の構造を理解する

案件を進めるとき、クライアント企業の「担当者」が主な窓口となりますが、その方が決裁者ということはあり得ません。その上に「部長」がいるかもしれませんし、そのまた上も存在します。また、組織外にも案件を進める上で重要なキープレーヤーがいる可能性もあります。

早い段階(できれば最初のヒアリング)でクライアント組織と、周りを取り巻く要素は何か把握すると良いでしょう。下図はシンプルな例です。

制作会社とクライアント組織の関係性を描いたシンプルなダイアグラム

  • コンサルタント / アナリスト: アドバイザーのような役割で入ってくる方で、ビジネスや市場といった全体像を分析した上で、成果物(デザイン) がどうあるべきか考える。
  • インテグレーター: 部署間の行きできるハブのような存在。プロジェクトマネージャーに多い傾向。複数の部署の中身が見えているので、インテグレーターから聞き出せることは多い。
  • 販売会社 / 業者: クライアント企業のビジネスモデルによっては複数存在するだけでなく、販路が複雑な場合もあるところ。BtoB ビジネスではお客様と同じくらい(もしくはそれ以上)の影響力をもつ。

ヒアリングをしてもすべて把握できませんし、質問している方が懸念している『隠れたステークホルダー』を判別することは困難です。しかし、組織のことを知ることは以下のメリットがあります。

  • 成果物を決めるときに影響する要素が洗い出せる
  • 外部で同じプロジェクトに携わる組織の立場と関係性が分かる
  • 担当部署が大切にしている価値観や目的が明確になる
  • 部署間の関係で課題になっていることのヒントが得られる

好き嫌いといった好みでデザインが決まることは少なからずありますが、ビジネスゴール、ビジネスモデル、部署内外の人間関係で決まることが多いです。外部の人間だと把握できないことが多いですが、ヒアリングの仕方や、そのあとに続くインタビューで理解を深めることができます。

組織のことを理解するための質問

Web サイトのような成果物を作る場合でも、どういうサイトにしたいかという成果物に関係した質問だけでは足りません。以下のような質問を加えて組織への理解を深めていきましょう。

  • 以前 web サイトの案件を出したときに困ったことはありましたか?
  • うまくいかなかった原因は何だったと思いますか?
  • うまくいったことは何でしたか?
  • 組織で共有されているゴールや戦略はありますか?
  • そのゴールや戦略のなかでサイトはどのような役割を果たしますか?
  • 成功を誰がどのように判断していますか?
  • 抱えている課題があるとしたら何ですか?
  • このプロジェクトに関わる外注はいますか?その方の責任範囲は?

質問を募集しています

デザインのこと、コンテンツのこと、ツールのことなど 質問を募集しています 。投稿していただいた質問は、こうした記事にして詳しい解説をしています。Web デザイナー、UI デザイナーと言っても働き方は多種多様なので、「一般論」ではないピンポイントな回答を提供できればと思います。

筆者について

Photo of Yasuhisa Hasegawa

組織の一員となるスタイルで一緒にデザインに関わる課題を解決するといった仕事をするなど、チームでデザインに取り組むためのお手伝いをしています。各地でデザインに関わる様々なトピックで講師をしています。