デザインフィードバックを始めやすくするためのシートを作りました
どうすれば学びの場になるか分からないと悩んでいる方はいます。そんな方たちの小さな武器になれば幸いです。
デザイン批評や伝え方のセミナーやワークショップはもちろん、関連記事も幾つか書いています。しかし、だからといって完璧なデザインの会話ができているわけではありません。デザインという言葉の捉え方を合わせるのに苦労することもあれば、いつの間にか話が脱線してしまうことも少なくありません。
書籍などで知識を得ることはできますが、知識があれば必ずうまく実践できるとは限りません。たとえ自分自身に高いスキルがあったとしても、周りを巻き込まなければコミュニケーションは成立しません。セミナーやワークショップを受講された方から「私は理解できたが、周りにどう言えば良いか分からない」という感想をいただくことがあります。デザインについて語るのに難儀している状態だと、建設的な会話を促すのは至難の業です。
記事やプレゼン資料を社内共有するのもひとつですが、スルーされてしまう場合もありますし、いざ会議の場になると忘れてしまう人もいます。諦めずに伝え続けるという姿勢は大事ですが、『仕組み化』に取り組むところから始めてはいかがでしょうか。
議事録の定型化に心がけるのはもちろん、デザインフィードバックをするときの『約束事』をドキュメントにして社内外で配布できるようにします。フィードバックの捉え方を一貫性をもたせて伝えることができますし、ドキュメントになっていることで『公式感』も出ます。
今回、そんなドキュメントを GitHub で公開しました。Markdown 形式だけでなく、PDF でダウンロードすることもできます。
GitHub – yhassy/Design_Feedback_Playbook: デザインフィードバックをする前に共有しておきたい約束事
良いフィードバックをするための約束事や注意することが書かれたシートです。A4 の紙 1 枚である程度理解できるようになっていて、印刷して配布できるようにコンパクトにまとめました。細かいノウハウやケースバイケースで考えなければいけないことはありますが、1 枚で収めることを優先しています。
現在 Creative Commons Attribution 4.0 International License で配付中。何かしらのかたちでクレジットしてくださるのであれば、再配布時に改変・改善もできますし商用利用もできます(案件や会議で流用する場合はクレジットは必要ありません)。
もちろん、このシートがあればすべてうまくほど単純な話ではありません。また、感覚・直感的なことを言うのは禁止!みたいな極端なルールを強制しても誰も賛同してくれません。アプリの使い方を覚えるのと同じように『反復運動』で上達したり、自分のやり方を発見できます。
批評とは評価を下す場ではなく、学びのための場です。しかし、どうすれば学びの場になるか分からないと悩んでいる方はいます。そんな方たちの小さな武器になれば幸いです。