このプロセスで何をオープンにしていくか

この記事は「オープン Web デザインを始めます」の続きにあたります。

コメント、Twitter、ソーシャルブックマークなどを通して幾つかメッセージをいただきました。どういうものを目指しているのかを以前の記事で説明されていない部分があったと思いますので、コメントに応えながら説明していきたいと思います。

これはオープンソースということ?

「オープン Web デザイン」というフレーズを聞いて、オープンソースを連想された方は少なくないと思います。そう考えるとソースを公開してみんなで作るという感じになりそうな予感がしますね。

DocSeriさんのコメント
Wikiのような、何らかの無認証編集可能なシステムを利用して自由にCSSを編集してもらって切り替え表示させるというのはどうか。

こうしたオープンソース的なマークアップは結構おもしろそうです。Wikiではないもので、こういったことが可能なシステムってあるのでしょうか?WordPress でも権限を工夫すればいけるかもしれませんが・・・。実際、僕より CSS や HTML に長けている方は山ほどいますし、そういった方がマークアップしたほうがサイトの質も上がりそうです。これはこれで考えておきたいトピックです。

僕が考える「オープン Web デザイン」というのは、どうつくるかではなく、どう使われるかを考えることをオープンな形でやってみたらどうなるだろうという模索です。デザイナーによる提案や、Webや書籍に掲載されているセオリーやメソッドでは実現出来ないものは多いです。そこで少人数で考えるよりこのサイトにアクセスしている様々な分野の専門家に問いかけたほうがリアルで直接的なものになるような気がします。

ここでいう『専門家』は別に特別な資格をもっている人たちのみを指しているわけではありません。Webを利用し、このサイトにアクセスしているというこの事実だけでも十分専門家だと思います。ひとつのデザインでも様々な意見が出て来たり感じるものも異なります。それがどういったものかが知りたいです。たぶんそれは読んでいるあなたも同じでしょう。

2カラムと3カラムレイアウトのどちらが良いですかというのを投票して決める・・・といったプロセスではなく、何が必要とされ何が質を高めるといったところを話せれば良いなと感じています。

プロトタイプのような Web サイトを中心にして、なるべく開いた形で対話をしながら模索して行くのが、僕がいう「オープン Web デザイン」です。

このプロセスのアウトプットは何?

正直なところ目に見える質の高いアウトプットが出るのかが心配なところもあります。もしかすると「オープン Web デザイン」は無理だと結論するかもしれませんし、自分の運用の仕方によってそうなってしまうこともあるでしょう。

ただ、理想を言うのであれば、この Web サイトがプロセスを通して新しいものへ変化していって欲しいですし、仕事にも使えそうなケーススタディにしたいと考えています。個人的に今の Webデザインプロセスや重点が置かれているところに疑問を感じているので、それに対する解のひとつがこれになればなと。

lilacさんのコメント
アウトプットとしてはテーマ、という形になるのでしょうか?

WordPress には「テーマ」と呼ばれるデザインテンプレートがあり、複数のテーマの切り替えも簡単に行うことが出来ます。実際の作業はオリジナルのテーマの作成、カスタマイズになるわけですが、作業に関する解説が入るのは後の話になりそうです。クオリティが高くないものをとりあえず作ってみて、どうなるかを検証するといったことはあると思います。プロセスの前半は主に作業に入る前に何を考えて取り組んでいるのかを紹介したり提案するといったところが中心になると思います。

ただ単にあなたに意見を聞いて「ありがとうございました」では、こちらとして申し訳ないですし、あなたの仕事の参考資料にしてもらいたいという思いがあります。当然、Webには情報を残して行きますが、最終的には PDF の資料にして、それぞれが使えるような状態にしたいとは思っています。もちろん、随分先の話になりそうですが。

どうなるか分からないところが多いですが、よろしくお願いします。

PS: openwebdesignは進めて行きますが、今まで書いていたような『いつもの』記事も書いていきますのでご安心を。

Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。