あなたなら負け戦の案件で何をする?

誰も『負け戦』は経験したくないですが、逃れることはできません。再び『負け戦』が訪れたとき、あなたならどんな行動をとるでしょうか。

誰でも「負け戦」は経験している

デザイナーであればユーザーにとって価値のある何かを作りたいと思うはずです。しかし、仕事では思うようにいかないことがあるのも事実。「これは絶対にダメだ」と思うことでもやらなければいけない場合があると思います。

例えばこんな状況で何かを作らなければいけない場合があるとします。

  • 企画側で作りたいものが明確に決まっている
  • デザイナーからみるとユーザーのためになっていない施策だというのが分かる
  • 代わりの案を作ってみたが「こんなのは頼んでいない」と言われる
  • 簡単な調査をして別提案を作り「ユーザーはこちらに反応している」と説明しても No と言われる
  • 開発なら分かってもらえると思って提案するものの「これを作るために、予定より 3 ヶ月かかる」と言われる

誰に何を言っても通じない状況。

締め切りはもちろんあるので、仕方なく要件を飲んで作ることになるでしょう。妥協したくない。納得できないことに時間をかけたくない。それでも作らなければ「仕事ができない」と評価されてしまう。

何をやっても状況が変わらない『負け戦』を経験したことは誰でもあると思います。代わりの案を作って論理的に説明しても通じない … 出口がなくて途方に暮れてしまう経験をされた方はいるのではないでしょうか。

妥協をしたデザインに対して納得いかない方はいると思いますが、仕事では少なくないこと。妥協はポジティブな表現ではないですが、プロジェクトメンバーのニーズを考慮して最善を尽くしたという点では、ひとつの課題解決をしたと言えるかもしれません。

重要なのは『負け戦』の後の次の行動です。

黙っていては何も変わらない

『負け戦』はこれが最後ではありません。きっといつかまた経験することになります。再び『負け戦』が訪れたとき、あなたならどんな行動をとるでしょうか。

  • リリースを遅らせても実現のため交渉する
  • 主導権を勝ち取るために別の企画を作る
  • 頼まれたものを黙って作る
  • 振り返りのときにチームで課題共有をする
  • 次回に備えてワークフローの課題を改善する
  • 会社を辞める

ダークパターンを作る仕事ばかりであれば、辞めてしまったほうが良いかもしれません。上記以外にも選択肢があると思いますが、なかでもやってはいけないのが「頼まれたものを黙って作る」ことです。

妥協することと黙認することはまったく違います。妥協はある種のトレードオフですが、黙認することは一方通行の関係ですし、受け入れているデザイナーの立場が弱くなります。受け身になって与えられた要件を満たした『良い感じのモノ』を作り続けるだけでは、『負け戦』を経験する回数が増える可能性があります。

なぜ違和感を感じているのか。何をすることが事業の成功に繋がるのか。ビジネスだけでなく、ブランディングやマーケティングなど「デザイン」というフレーズを使わなくてもデザイナーの立場から課題解決の提案はできます。重要なのは、あれこれ伝え方を変えながら交渉を諦めないことです。

事業会社で働くデザイナーであれば、ステークホルダーとの関係性を築くために中長期的な活動ができます。クライアントワークの場合は、自分たちに合うクライアントと仕事をすることが前提になりますが、本質的な目的に沿った提案を小さくても良いので続けると信頼へと繋がります。

誰も『負け戦』は経験したくないですが、逃れることはできません。「よし!うまくいってるぞ」と自信がついてきた頃に、突き落とされるような経験をしたことは何度もあります。

負けた、ダメだと落ち込んでばかりいられません。重要なのは負けた後に立ち上がって仕事を続けること。そのとき自分は何をするだろうとシュミレーションしてみると、足りないところ、もう少し考えを深めたほうが良いところが見えてくると思います。

筆者について

Photo of Yasuhisa Hasegawa

組織の一員となるスタイルで一緒にデザインに関わる課題を解決するといった仕事をするなど、チームでデザインに取り組むためのお手伝いをしています。各地でデザインに関わる様々なトピックで講師をしています。