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コンテンツ管理というと、真っ先に CMS (コンテンツ管理システム)を連想する方はいると思います。どのシステムを導入するかを考える前に、そもそも Web におけるコンテンツ管理とは何かを理解しておく必要があります。理解を深めることで、クライアントが抱えている課題と解決のための模索がしやすくなります。

コンテンツを管理するということは、システムの中にデータを保管し、様々な形式に書き出すことだけに留まりせん。多くの場合、システム導入だけでは解決しない課題にぶつかります。CMS を導入しただけでは、Web コンテンツ配信における課題の一部を解決したに過ぎません。

コンテンツ管理で解決しなければならないことは、主に以下の7点です。

コンテンツの保管
テキストだけでなく画像や PDF など様々な種類のコンテンツを保管できるような仕組み。検索性が求められるだけでなく、誰がどのコンテンツにアクセスできるのか、権限を割り振ることができる機能が求められます。
一貫性を保つ仕組み
重複コンテンツをそれぞれ管理しなくて済むように、コンテンツを再利用できるような仕組み。また、言葉使いや用語の扱い方など、校正・編集ができるような環境やガイドラインを用意します。
コンテンツ制作と運営
どのようなコンテンツを作り、誰がそのコンテンツを作るのでしょうか。それは、いつ公開される予定でしょう。コンテンツ制作が CMS 内で完結するのか、それとも他システムで進めて、入力作業をだけにするのか。コンテンツ制作に関わる人たちの能力と今までのやり方を見ながら検討していきます。
コンテンツのテンプレート化
どのような形式で書き出すかといったレイアウトのテンプレートはもちろん、一貫性を保ちながらコンテンツ制作ができるようにするためのコンテンツ制作そのもののテンプレートも必要です。マルチデバイス配信の方針やコンテンツ制作にかけることができるコストによってアプローチが変わります。
ワークフロー
コンテンツ制作から公開までの流れを設計します。企業によっては法的な手続きや、複雑な承認フローが必要とされる場合があります。公開までのワークフローをシステムで一括管理するべきか、それとも他システムとの連携やシステム外でのコミュニケーションで解決するかが課題になります。
ガバナンス
システム内外で多くの方が関わる Web サイト。今コンテンツがどのような状態で、どのように運営していけば良いのかを理解している人が必要になります。CMS の中に保管されているコンテンツの様子が分かる管理システムが必要なのももちろん、システム外からでも検証・解析ができる仕組みが必要な場合もあります。
メタデータ管理
コンテンツに付随するメタデータは何で、どれくらいの情報を入力するのが適切なのかを考えていきます。システムの機能はもちろん、運営にどれだけのコストをかけることができるのかでメタデータの実装が変わります。また、タクソノミーは外部システムを使うといった連携も考えられます。

以前、今CMSで本当に必要とされているもので指摘しましたが、制作者であればクライアントの要望に応えて『作る』ことができるシステムを重視しがちです。もちろん作れなければ意味がないですし、CMSを選ぶ際の大きなポイントです。しかし、(自分たちのとっての)作りやすさを重視することで、コンテンツ管理で解決しなければならない様々な課題がおろそかになることがあります。上記の課題を見ると分かるとおり、システム導入だけでは解決しないことが多いですし、クライアントの要望をただ聞いて実装するだけでは不十分なこともあります。

コンテンツを管理するための Web サイトを制作するのであれば、そもそも「コンテンツ管理ってなに?」というところは押さえておきたいところ。ただ作るだけでは済まない大きな課題ですが、サイト公開後の運営や管理に困っている企業は少なくありません。課題解決のなかには CMS というツールは当然含まれています。しかし、本当の解決はシステムの外にあるのかもしれません。