英語には Out of the Box という表現があります。
独創的、枠を超える、常識に捕われないという意味が込められています。箱の中に閉じこもらないで、自由に発想したいときに、こうした表現が使われることがあります。
※ ちなみにソフトウェア分野で「out of the box」といえば、設定不要ですぐ使えるという意味で使われることがあります。

クリエイティブな仕事をしている人であれば、独創的でいたいと考えるでしょう。また、イノベーションは時には常識外れなアイデアが必要だと思う方もいるでしょう。私もそのひとりだったりするわけですが、いつも上手くいくわけではありません。

枠を超えることは良いことだと思います。しかし、箱から飛び出して、どれくらいジャンプするのかが難しいところです。「クリエイティブの翼を広げて、大きく羽ばたこう」「自分のやりたいと思うことを形にできる」と意気揚々とするわけですが、勢い余って結局うまくいかないことがあります。

どれくらい飛躍しますか?

誰でも面白いアイデアはあります。私にもあるわけですが、そのアイデアがあまりにも飛躍し過ぎたことで、プロジェクトが思うような方向に進まなかったという経験があります。アイデアまでは良かったかもしれませんが、技術・予算・時間・クリエイティブなど幾つかの観点からみて上限を超えていました。また、別の場合では、周りで確立されていた『常識』とはあまりにもかけ離れていたことから、皆で前進することが困難になることもありました。

箱を飛び出す前に、箱そのものが何かを理解しなければならないことを学びました。

「箱に閉じこもる」と言えば、ネガティブな表現のように聞こえるわけですが、箱は土台と捉えることができると思います。それはクリエイティブであるための土台と捉えることができますし、コミュニケーションをするための土台とも言えます。最近「Webってなに?」というテーマの講義が多いのも、箱の領域を知りたいという想いからなのかもしれません。

箱を飛び出したときに、一緒に土台まで蹴飛ばすようなことをしていないか、自問することがあります。大きく飛躍したいという欲求はありますし、それがなければイノベーション・成長がないと考えることもあります。飛躍の度合いはプロジェクトによって違いますし、枠を超えずに基礎的な作業をしなければならないこともあります。今の仕事が箱の中の作業だったとしても、次は違うかもしれません。箱の中の作業があったからこそ、どれくらい飛躍できるのか分かるようになるかもしれません。

限界を知らないで飛躍しすぎると痛い目にあいます。
けど、箱の中にずっと閉じこもっているとスキルも自身も成長しません。

そんな葛藤と戦いながら、今日も箱の中の作業をしています。