必要なコンテンツを発見するための簡単調査方法
コンテンツ発見のために必要な調査
現存コンテンツの課題を発見するためにコンテンツ・イベントリーは欠かせない存在です。スプレッドシートにひたすらデータを入力するという地味な作業が伴いますが、コンテンツを一望することで「なんとなく」と察していた課題を目に見える形にして共有できるようになります。コンテンツを気軽に作って配信できるようになりましたが、それが利用者にとって意味のあるものなのか評価も必要ですし、そもそも現存コンテンツは誰がどう管理しているか把握しておかなければ改善すらできない場合があります。
自分たちが持つコンテンツから課題を発見するだけでなく、利用者が求めるコンテンツは何かも知る必要があります。そのためにユーザー調査があるわけですが、調査を通してコンテンツに関わる以下の課題を解決することができます。
- 言葉 : 配信側の言葉遣いや分類の仕方が、利用者と同じとは限りません。ニュアンスが似ているだけでまったく違う言葉を使っている可能性があります。
- メンタルモデル : モノ・コトの見方や行動は、固定概念や前提に大きく影響されています。利用者のもつ概念や期待は何でしょうか。
- ニーズ : 配信側になると「伝えたい」「売りたい」という気持ちが先立つことがあります。伝えることは重要ですが、利用者が必要としているものを提供できなければすれ違いになります。
- 優先順位 : 作りたいコンテンツ、導入したい機能はたくさんあります。何をどの順番に作れば良いのかを決める判断基準としてユーザー調査が役に立ちます。
どのプロジェクトでもユーザー調査をするべきですが、予算や時間が限られている場合、十分な調査ができない場合があります。しかし、だからといって調査をまったくしないのは良くありません。調査ゼロより、何かしらの調査があるほうがデザインへの理解が格段に上がるからです。書籍などで書かれているような調査ができないからといって諦めず、簡単にできることからスタートすると良いでしょう。
時間をかけなくても利用者が求めるコンテンツを見つける方法は幾つかあります。
ソーシャルメディア
Twitter, Facebook, Instagram をはじめとしたソーシャルメディアでキーワード検索すると、どういう言葉を使って話をしているのか一望することができます。生の声を追うことができるのだけなく、人々がどのような表現を好むのか知る機会にもなります。また、ハッシュタグを追うのも手段です。
検索キーワード
Google AdWords が提供しているキーワードプランナーは、調査目的でも使える強力なツールです。検索されているキーワードがどれくらいのボリュームなのか知ることができるので、コンテンツを作るときのネタになります。
キーワードの組み合わせ
幾つかのキーワードを組みわせて検索する人は少なくありません。配信側が考えもしなかった組みわせを見つけることができるだけでなく、潜在的なニーズが組み合わせているキーワードに示されているときがあります。Keyword Tool は無料でもある程度使える便利な調査ツールです。
無料枠だと見れない情報もありますが、キーワードの組み合わせを見るだけであれば十分です。
Google Trends
Google Trends は、キーワードの使われ方を中長期的に観察するのに便利なツールです。同じ意味でもターゲットによって言葉遣いは変わるときもあります。 また、年間を通して見ることで、キーワードがよく使われるタイミングを見つけることができます。
書籍・雑誌
紙媒体はひとつの潮流をまとめて見るのに最適です。特に書籍は調査・取材に基づいて書かれているので信ぴょう性も高いですし、筆者が使う言葉や切り口に読者の刺さるフレーズが隠れているときがあります。断片的な情報を拾い集めて整理する時間がない場合は、書籍・雑誌を買うのが早いです。
まとめ
お金がない、時間がないのはどのプロジェクトにもある課題です。調査をしなくても形作ることができるので真っ先に省かれることがありますが、実は最も外せない部分です。必要なコンテンツを発見するためはもちろん、デザインの意図を説明するときにも役に立ちます。
「調査」という言葉を聞くとしっかり取り組まなければならないと構えてしまう方もいると思いますが、そんなことはありません。10を目指さすのではなく、1をまずやってみるという姿勢が重要です。実は 1 でもやってみるだけで大きな発見があります。今回紹介したわずかな時間とお金でできるところから少しずつ試してみてください。