セマンティック・ウェブ検索の現在
セマンティック・ウェブはひとつの理想論であって現実にはほど遠いと考えていた時期がありましたが、徐々に形になってきているようです。簡易なかたちであれば、セミナーで話したこともある Microformats がありますし、Social Graph もその一環といえるでしょう。数年前に比べると随分 RDF やメタデータも増えてきているわけですが、それらを効率的に検索したり、オントロジーを利用して情報をつなぎ合わせるツールや、使いやすいインターフェイスをあまり見かけません。どうせなら hConnect のようなものを誰か作ってほしいわけですが、こうした夢の話ではなく、実際に使うことが出来るセマンティック・ウェブ検索を幾つか紹介。
- Swoogle
- University of Maryland が開発した検索エンジン。230万の RDF を検索。オントロジー検索も可能で RDF の関連データの引き出しも可能
- Yahoo! Microsearch
- Yahoo! が開発しているセマンティック検索。RDFだけでなく Microformats もインデックス。検索結果は通常のリストのプラスα的な見せ方になっています
- Falcons
- 7百万の RDF をインデックスしており、その中にあるデータも細かく調べたり関連付けされている。URI の文字列からも探すことが可能
- Sindice
- 2千万の RDF をインデックス。検索結果とどのソースが検索した RDF にリンクしているかといった情報も分かる
- Zitgist
- リンクされているキーワードを元に意味のある情報を引き出す zLinks をはじめ、ユーザーフレンドリーはツールを提供している。ちなみに zLinks は WordPress のプラグインとして配布されています。
既に幾つも存在するセマンティック・ウェブ検索ですが、単なるリストの上、RDFのデータをそのまま出しているだけで非常に分かりにくいのが現状です。Zitgist が一歩リードしていますが、これからいかに生データを整形して人間にも理解出来るデータに組み替えるのかが課題になってくるのでしょうね。中には API を公開しているところもありますし、通常の検索と組み合わせて新しい価値を生み出せる可能性もあるかもしれません。