6月に開催された Swap Skills doubbble05 の講演で、「Webに関わる仕事は様々な専門分野があり、分断されていることがあるが、実は同じ方向を向いている」と話しました。共有要素としてコンテンツを挙げましたが、それだけではありません。

ソーシャルメディアとデザインは共通点が幾つかあります。それぞれの分野で重要視されている思考、プロセス、長期的なゴールや課題など、様々な点において似ているところがあります。別の部署にいる離れた存在というよりかは、似た思考をもった味方と捉えることができます。

以下にソーシャルメディアとデザインで共通している要素を 4 つ挙げました。こうしたキーワードを基に専門外の人との対話の糸口を見つけれることができるでしょう。ソーシャルメディアの活用にも、人間中心デザインのためにも必要だから、ぜひやってみよう、一緒に考えてみようという雰囲気を作り出せるかもしれません。

耳を傾ける

ソーシャルメディアでは、横文字で「リスニング(傾聴)」と表記されている場合があります。人との繋がりを強めるには、まず彼等が言っていることを聞き入れることから始まります。数値ではなく、生の声がプロセスを進める上で重要なステップです。ひとりひとりに耳を傾けるケースから、ツールを使って多人数から集める方法まで様々ですが、デザインでもソーシャルメディアでも、人の声からスタートするという点は変わりありません。

耳を傾ける目的は、彼等の声をそのまま形にすることをではなく、ニュアンスを掴みとることだと考えています。人が言う「分からない」「使い難い」「つまらない」は何を指しているのでしょうか。人々が「こうしたほうが良い」という意見は必ずしも正しいわけではなく、その声を基に技術と経験をもつ専門家が新しい解決策を練ることが仕事です。

分析

人々の声、アクセス解析を眺めているだけでは、何も変わりません。状況に応じてどのような結果をもたらしているのかを把握するためにデータを分類し、何をプライオリティを高くして追求していくべきなのかを選択する必要があります。

データ分析は、大きな視野やビジョンを設定するためのプロセスだと考えることができます。ついついミクロの視点や短期間を見据えた分析になりがちですが、包括的な見解を固めるのにデータが役立ちます。時には企業の KPI と合致しない場合もあるかもしれないですが、時代の流れが早い今日において、先見をもったビジョンは不可欠でしょう。

柔軟な構造

ソーシャルメディアでもデザインでも、今は少数の「エキスパート」だけに委ねるものではなくなりつつあります。変化に即時に対応・対策することができるような組織作りが必要とされています。ソーシャルメディアサービス、デザインメソッドというツールを活用したところで、組織自体に変化がなければ使えないツールと化してしまうからです。

人材はもちろんのこと、管理方法、ワークフロー、サポート、組織図など様々な点で見直しが必要になるかもしれません。当然ながら、劇的な組織の変化は何処でも出来ることではありません。そこで、先述したリスニングを部署の壁を越えて行ったり、ネットワークの強化をはかるなど、コラボレーションや動きの早いプロセスに触れる機会を増やす(つくってみる)と良いでしょう。

フィードバックサイクル

何かを作ったり、リリースすれば人の反応をみることができます。改善したと思っていた箇所に、思わぬ発見があるかもしれません。変化を加えた後に、また耳を傾け、分析、アクションをしていくためのサイクルを作ることで、時代の流れが早い社会に対応したワークフローが生まれます。

対顧客だけでなく、組織内でのフィードバックサイクルも無視できません。自分たちが使っているツールも数年前から変わっていないようでは、良い結果に繋がらない場合があります。定期的にツールやワークフローの見直しをすることで、時代に合ったアクションをとることが出来るでしょう。今使っているツールより効率的かつ効果的なのはあるのか?導入コストはどれくらいなのか?組み合わせることで補助できる小さな道具はあるのか?そのツールはワークフローのどこに属するのか?
こうした疑問に応えることがツールの具体的な見直しにつながるでしょう。