COULD
すぐに使えるノウハウではなく、「なぜそうなっているのか」を考える記事を書いています。デザインの仕事で感じるモヤモヤに、構造から向き合いたい人のための場所です。
デザイナーも知っておきたい数字との付き合い方
数字と向き合う ビジネスに貢献するデザイナーとして、ある程度のデータ分析能力は必要です。「デザインが重要」と言われるようになったのは良いことですが、それを証明しなければ装飾するだけの仕事に逆戻りしてしまいます。「データ分析」と書いてしまうと、深い数学の知識が必要そうに聞こえますが、そんなことはありません。 まず、数値が存在しないところにデザインを評価するところが幾つかあります。Web サイトやアプリを使う体験は主観的かつ感情的なものですから、ユーザーからの生の声が聞ける窓口を築いたり、ユーザーインタビューやヒューリスティック評価 [https://www.usability.gov/how-to-and-tools/methods/heuristic-evaluation.html] をするといった定性分析が必要になります。 ただ、こうした定性分析にしても「これはどうですか?」といった質問から始めても、次に繋がる改善点が見つからないどころか、開発に混乱を招くことがあります。そこで、定量調査が大きな役割を果たします。ユーザーの動機や感情を数字から読み取ることはできませんが、ユーザ
成熟期に入ったUIデザインとデザインシステム
先進的から最適化へ 3年前、Facebook が今までのニュースフィードを完全に変えた「Paper」というアプリをリリースしました。ネイティブコンポーネントが使われていないオリジナルの UI とインタラクション。今までありそうでなかった新しい操作方法を提案していました。Paper をはじめ、様々な実験的なアプリを Creative Labs としてリリースを続けていましたが、2015 年にラボは閉鎖 [https://techcrunch.com/2015/12/08/facebook-kills-creative-labs-its-internal-incubator-plus-some-of-its-apps/] され、その半年後には Paper も配信停止されました。 今でも Things 3 for iOS [https://itunes.apple.com/jp/
意外と難しいボタンのお話
ボタン?それともリンク? 昨年からデザインシステム [http://www.yasuhisa.com/could/article/what-is-design-system/] をテーマにしたセミナーやワークショップを何度か開催していますが、ワークショップに参加した方から「ボタンは難しい」という感想をいただくことがあります。ボタンの見た目を作ることも奥深いですが、もっと難しいのが、 いつ、どこで、どのように使うかを共有すること。考え始めると「そもそもボタンとは何か?」といった疑問が浮かび上がります。 フォーム要素と一緒にあれば、ボタンだと断言しやすいです。HTML であればマークアップも <button> になりますし、アプリでも iOS であれば UIButton を使えば良いと判断できるはずです。 文章のあとに「今すぐ始める」というラベルが付いた要素があるとしたら、これはボタンと呼べるでしょうか。角丸のような装飾、注目されやすい色が使われているので、ボタンと見なすことができます。見た目はボタンっぽいですが、果たして本当にボタンと呼べるでしょうか。ただ、見た目がボタン
Webアクセシビリティがビジネスと付き合うための課題
5月18日、神戸でアクセシビリティの祭典 [http://accfes.com/]が開催されました。 Global Accessibility Awareness Day [http://globalaccessibilityawarenessday.org/] に合わせて開催されているイベントで、今回で 3 回目になります。Web サイト制作に留まらず、最新の支援技術の見学・体験ができたり、気軽に質問ができる場も用意されていました。今回は参加者として 1 日たっぷり勉強モード。当日の様子は Togetter のまとめ [https://togetter.com/li/1111823]を参照してください。 シフトレフトの課題 構築後の品質チェックの一環としてアクセシビリティを確認しているだけでは遅い場合が多々あります。設計段階から考慮されていないと、見た目だけでなく使い勝手に大きな影響を及ぼすからです。そこで、アクセシビリティも シフトレフトするべき [https://blog.motchie.com/accessibility/ja-shift-left-in-
デザインの価値を伝えるための発想転換
どれも重要という現場で 「ビジネスにデザインが不可欠」「差別化になるのがデザイン」といった表現をつかってデザインの重要性を示す場合があります。デザイナーからすれば嬉しい言葉でもあり、責任の重大さを感じます。しかし、ビジネスにおいて不可欠なものはデザイン以外にもたくさんあります。開発はもちろん、マーケティングや営業も不可欠な存在。そもそも、あってもなくても良い部分を探すほうが難しいわけです。 ここ数年でデザイナーが創設した企業が幾つか買収されていますし、資金調達に成功したスタートアップのなかにデザイナーが共同創設者のところも少なくありません。また、 Airbnb [https://www.airbnb.jp/] のようにデザイナーが組織の責任者になって、デザインの文化を広げているところもあります。こうした状況をみると「ビジネスにデザインが不可欠」と考えるのも当然かもしれません。 ただ、だからといってデザイナーが「不可欠」という表現に酔いしれても望んでいるデザインを実践することはできません。そもそも周りからはデザインは装飾をする仕事と思われている場合もありますし、先述したように他の役
デザインの過程を見せるのはスキルアップの近道になる理由
結果だけでなく過程も 途中経過を見せることはデザインへの誤解が生じると考える人はいるかもしれません。また、途中経過は『企業秘密』だから見せるべきではないと考える人もいるでしょう。そもそも恥ずかしいから見せたくない人も少なくありません。自分も最初は恥ずかしかったですし、そもそも途中経過は見せる必要ないと思っていたほうでした。 しかし、今は途中経過を見せなければ良いデザインが生まれないと考えるようになりました。手描きのものから、インタラクションがあるものまで様々な形状を作っては見せています。仕事現場だけでなく、 Twitter [https://twitter.com/yhassy] や Instagram [https://www.instagram.com/yhassy/] のような場でも見せることもありますし、このブログにしてもデザインにおける途中経過を文章として表していることが多いです。 完成されたモノをどう作るかというノウハウも重要ですが、デザインという『よく分からないもの』が生まれるまでのプロセスを見せるほうに興味があります。 > Anyone who influe
Sketchが解決しようとしているデザインの課題
2017年4月22日、東京で「UIデザインのための「Sketch」1dayブートキャンプ [https://www.webprofessional.jp/sketch-seminar/]」が開催されました。セミナーとハンズオンがある全編 Sketch を扱ったイベント。ポッドキャストにも出演 [http://automagic.fm/post/143399744580/goma-apps] してくださったことがある UI デザイナーの山本麻美さん(@linen_beau [https://twitter.com/linen_beau/] )と、多数の執筆や登壇をしているデザイナー こもりまさあき [http://protean.im/]さん(@cipher [https://twitter.com/cipher])とご一緒させていただきました。当日の様子は Togetter のほうでまとまっている [https:
既に来ている機械化の波とデザイナーができること
デザインをはじめとしたクリエイティブ分野は、自動化・機械化の波に影響を受けない『安全地帯』ではありません。
ドキュメンタリー「Abstract」を観覧して抱いた違和感
Netflix オリジナル作品「Abstract: The Art of Design [https://www.netflix.com/title/80057883] 」を観覧しました。様々な分野で活躍するデザイナーをひとりずつ丁寧に扱った全8回のドキュメンタリーシリーズです。ただでさえ少ないデザイン系の番組なので楽しみにしていましたが、Inspiration(刺激)より Confusion(混乱)の想いが強く残りました。 どのデザイナーも第一線を走り続ける有名人ばかり。登場するデザイナー達が遠い存在に見えるのは当たり前なのですが、デザインですら遠い世界の何か別のものに見えました。トップクラスのクライアントを抱えるグラマラスなデザイナー達。「自己表現」という言葉がところどころに出てくる本編を見ていると、デザインとは一体何なのか余計分からなくなるかもしれません。 デザインは課題解決という定義をする場合もありますが、表現を無視するのはナンセンスです。視覚的な美しさが課題解決に繋がることもありますし、そこには作り手(デザイナー)による『ある視点』が含まれるのは当然だと思います。しか