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すぐに使えるノウハウではなく、「なぜそうなっているのか」を考える記事を書いています。デザインの仕事で感じるモヤモヤに、構造から向き合いたい人のための場所です。
すべては一文字書くことから始まる
「だからなに?」 Web 上で情報発信をしている方であれば、一度は頭に思い浮かべる言葉だと思います。知名度もない実力もない自分が、わざわざ外に向けて発信することに何の意味があるのだと。 今でも自分の文章が上手いとは思いませんが、昔は下手でも気ままに書いていました。2002年の記事を掘り起こしてみたところ、大学の演劇を見にいったときのことを書き残していました。以下はそのとき書いた日記の一部からの引用です。 > 僕が演劇が好きなところのは、ステージという限られた空間の中での演出や場面の変化を一望できるところです。ひとつの『場面』でもいろいろなことが同時進行していて、見方によってはいろいろ楽しめるという舞台ならではの魅力があるからかもしれません。 当時はまだ米国に住んでいて、ある制作会社で Web デザイナーとして勤務していました。ビジュアルデザインだけでなく、 HTML/CSS/JavaScript は毎日何時間も書くという生活をしていました。演劇に関する日記を書いたおよそ 2 年後に CSS の書籍を出版しているので、最先端と呼べる知識はあったと思います。しかし、ブログには仕事
脱ダミー文字から始めるコンテンツデザイン
ダミー文字はリスク ユーザーは読まないと言われているものの、言葉はユーザーとコミュニケーションをするための基盤です。流し読みでも理解できるような設計がされているか。次のアクションへ結びつく動機が提供されているかは、言葉で決まることがあります。ビジュアルが注目されがちな UI デザインですら言葉が重要なデザイン要素 [http://www.yasuhisa.com/could/article/text-is-ui/]になります。 デザインはコンテンツの価値を増幅したり、利用者の欲求を満たしたり目的達成の補助をするためにあります。もし、ダミー文字をつかってデザインすることは、ユーザーとのコミュニケーションを破棄した状態で彼等がもつ課題を解決しようとしているようにみえます。デザイナーはダミー文字をもっと敵視しても良いと思います。 ダミーの情報を入れるのは簡単です。Loren Ipsum [http://www.lipsum.com/] のようなジェネレーターがありますし、日本語でも似たようなものはあります。今は文字だけでなく、ユーザーアイコン [http://uifaces.com
デザイナーにもある詐欺師症候群とその対処法
仕事を続けていくという意味で、こうしたメンタル面のケアも忘れてはいけないことです。
プロセスから学ぶペルソナ活用法
「ユーザーのためにデザインをする」という言葉はデザインの現場ではよく耳にする言葉ですが、ユーザー像が共有されていないこともあれば、それぞれ異なるニーズやゴールを想像していることがあります。また、ユーザーは「お客様」という少し遠い存在になりがちで、感情移入が難しいことがあります。 ペルソナをつかった共有や活用に興味があるけど、どのように始めたら良いのか分からない人は少なくないと思います。そこで「基礎からはじめるペルソナ活用法 [http://growthhack.academy/seminar-all/seminar14/] 」という講座をグロースハックアカデミー主催で開催しました。以前からワークショップ [http://www.yasuhisa.com/could/article/behind-scene-workshop/] でペルソナを扱っていましたが、今回は受講時間すべてペルソナについて深く学べるカリキュラムを組みました。 潜在ニーズや行動が分かるペルソナ ペルソナはユーザーインタビューや Web 解析など様々な調査データを基にして作られます。ワークショップという限られた
デザインを理解してくれないと嘆く前に
分かっていないのは誰か? デザインの評価 [http://www.yasuhisa.com/could/article/starting-design-critique/] は、デザイナー同士でも難しいこと。それが違う職種や背景の方と話をするとなると、さらに難しくなります。プロであれば、仮説を基にして議論をするよう努力しますが、周りがそうであるとは限りません。 人間工学者 Gitte Lindgaard が 2006 年に発表した文献「Attention web designers: You have 50 milliseconds to make a good first impression! [http://www.anaandjelic.typepad.com/files/attention-web-designers-2.pdf] 」によると、ユーザーはわずか 0.05 秒で Web サイトの見た目に判断を下すそうです。
クリエイティビティとコピーについて
複製、変形、結合。 これらは生物の進化において欠かせない現象です。細胞分裂という原始的な活動だけでなく、私たちのクリエイティビティにもいえることです。活版印刷から World Wide Web まで、私たち人類が作り出してきたものは「複製、変形、結合」を繰り返した結果といえるでしょう。私たちが無から突然生まれたものではないのと同様、クリエイティビティも進化の過程のなかから生まれています。 2011年に「Everything is a Remix(すべてはリミックスである)」というドキュメンタリー映画が公開されました。音楽や映画の歴史を振り返りながらアイデアはリミックスされ続けていることを分かりやすく解説しています。また、知的財産権の課題や、人がもつアイデアを自分のものにしたい欲についても触れています。 このドキュメンタリー映画は、他人のアイデアを好き勝手にコピーしても構わないといっているわけではありません。しかし、極端な知的財産権の行使や、アイデアに対する過剰な所有欲が人のクリエイティビティに良くない影響を及ぼすだろうと指摘しています。 クリエイティビティという言葉に、ど
UXに関する疑問に答えて気づいたこと
8月8日、クリーク・アンド・リバー社主催のイベント「と、コラボ特別編 [http://www.creativevillage.ne.jp/6111]」で UX [http://www.yasuhisa.com/could/tag/UX/] をテーマに座談会をしました(#tocolabo [https://twitter.com/search?q=%E2%99%AFtocolabo])。ポッドキャストで対談した [http://bit.ly/1L4dmlG]ネットイヤーグループ株式会社の坂本貴史さん [http://www.bookslope.jp/blog/] と参加者といっしょに「UXってなに?」という初歩的でありながらも難しい課題について話し合いました。セミナーでもワークショップでもない、話をするだけのイベントでしたが、参加者の満足度が非常に高い有意義な時間になりました。 上図: webディレクターの阿呆な研究
データ中心になると忘れがちな直感の重要性
データだけでは答えは導き出せない チームで工程を進めていく上で、何か根拠のようなものが求められます。そこで、デザイン [http://www.yasuhisa.com/could/article/how-we-talk-about-design/]やコンテンツ [http://www.yasuhisa.com/could/article/creating-content-magic-sheet/] の定量・定性調査は欠かすことができません。「これは本当に使いやすいのか」「集客できるのか」「儲かるのか」といった様々な声に対して応えなければならない状況があります。 最近は解析ツールの発展や A/B テストのような模索がしやすくなったことで、データ収集の敷居が下がりました。そして、データを基に実践するための『プロセス』や『フレームワーク』も幾つかあります。しかし、周りが納得するための十分なデータと、確立した手法を用いてプロジェクトを進めれば成功が約束されるのかといえばそうではありません。 以前、ポッドキャストのリスナーから「UXデザインプロセスを実践しても失敗することはあるのか? [
わたしが広告を掲載しない理由
このサイトに始めて訪れた方は、広告がないことに気付いたでしょうか? 以前から読者である方のなかには、このサイトにはなぜ広告がないのか不思議に思っている方もいるかもしれません。現在の Web 広告には以下 5 つの問題を抱えていると考えており、掲載を控えています。 1. 技術の問題 2. ユーザー体験の問題 3. デザインの問題 4. コンテンツの問題 5. モラルの問題 読者の足を引っ張る広告たち 何度か広告ネットワークから掲載オファーをいただいたことがあります。多くの場合、複数の JavaScript を埋め込む必要があり、パフォーマンスへの多大な影響がでることから掲載を断っています。うちのような小さなサイトであれば大きな変化はないかもしれません。しかし、ちょっとしたパフォーマンスへの負債が積み重なれば読者への影響も多大なものになります。 上記の数値は、ある有名な日本のブログメディアのトップページのファイルサイズとリクエスト数です。広告ブロックを使うことで、ファイルサイズとリクエスト数が著しく変わるところからみても分かる通り、広告はパフォーマンスの大きな足か