Latest thinking
すぐに使えるノウハウではなく、「なぜそうなっているのか」を考える記事を書いています。デザインの仕事で感じるモヤモヤに、構造から向き合いたい人のための場所です。
デザインの仕事にある成熟と熟練
デザインの意味とは … といった禅問答のような質問をときどき耳にします。語源まで辿って「記号を表す」といった説明をする人もいれば、「設計をする」と応える方もいます。装飾という意味合いをデザインから離す人もいますが、装飾もデザインの一部として捉えることもできます。 デザインの定義は読者ひとりひとりに委ねますが、デザインを学習したい場合「人それぞれだから頑張って」で済ますわけにはいきません。デザインの『入り口』が必要ですし、どこへ向かっていくのかという目的地も必要だと思います。 デザイナーの成熟度は、以下のような UI を見たときの反応で判断することができます。 あるサイトの UI を基にしてつくったスケッチ デザイナーによって、この UI に対するリアクションは異なります。大きく分けると 4 つあります。 見た目を変えたいインプットフィールドの見た目が良くない。タイポグラフィの選択が良くない。色彩を変えたいといった、見た目をデザインしたいという方。 作り方を見直したいどの技術を使えば実装できるのか。何かツールを活用することで、UI を改善できるのか。どのような技法を採用すれば、
脱PVで見えてくるコンテンツの質
PVが人気を証明しているとはいえない ページビュー(PV)は、とても気持ちいい数値です。自分が作ったコンテンツの反応を分かりやすい数値で示してくれます。また、多くの広告モデルが PV を基に価格が設定されているので、ビジネスに直結している数値といえると思います。しかし、PV が高いから、訪問者が満足しているとは限らないですし、顧客ロイアリティに繋がっていないかもしれません。そこで、ソーシャルメディア … という意見もありますが、そこの評価指標も RT 数、Like 数といった PV と似たような数字に留まっている場合があります。 特にブログのようなメディア配信をしていると、PV 至上主義になりがちです。PV を稼ぐために釣りタイトルを付けたり、手軽なお菓子コンテンツ [http://www.yasuhisa.com/could/article/what-is-reading/] で、人を集めようとしてしまいます。もちろん、それをひとつの『戦略』といってしまえば、そうかもしれません。しかし、それで欲しい読者が獲得できるのかというと、疑問を感じることがあります。 1度訪問するだけの
Webらしいニュース配信UIとは
紙的な情報配信 新聞記事は、印刷されたらそれで終わりです。後の紙面で修正・注釈が入る場合がありますが、記事が世に出た瞬間、そのままのかたちで残ります。また、配信できるタイミングと回数が限られているので(朝・夕、時々号外)、期限までにどれだけ記事の質を高めるかが勝負になることもあると思います。新聞社の Web サイトは、こうした『新聞の性質』を強く残したまま Web コンテンツを配信しているように見えます。 カテゴリやキーワード(タグ)を活用した情報分類をするなど、 Web の特性を活かした手法を取り入れているものの、記事を集めた書庫のような存在です。以前紹介した 公共施設の Web サイト [http://www.yasuhisa.com/could/article/content-webaccessibility/] と似たような状況といえるでしょう。新聞社の Web サイトの記事の特長をみると、記事の形状は、紙の時代とほぼ変わりないことが分かります。 * 配信された記事は、そのままの形で残る * 訂正や追加情報が入る場合はあるが、別記事として配信されることがある * キー
デザインにある繋げること、導くこと
行程の先にあるもの コンテンツ [http://www.yasuhisa.com/could/tag/%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%b3%e3%83%84/] の仕事ばかりしていると、利用者のことを考えていないように思われてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。コンテンツと利用者は切っても切り離せない関係です。以前は 電子書籍としてまとめることができるくらい [http://www.yasuhisa.com/book/exp/] UX のことを書き続けてたわけですから、利用者のことを無視するなんて考えられないわけです。しかし、最近は意図的に取り上げないようにしています。 UX について頻繁に書いていたときからそうですが、「UX デザインを実践したけど、そのあとどうするの? 」という疑問を常に感じていました。プロセスを踏めば、ワイヤーフレームが描けるのかといえば、そうではないことがあります。そのあと、
なぜ緊急時になるとデザインが崩れるのか
本日話題になった銀行サイトの緊急メッセージ。このように緊急時になるとサイトデザインからかけ離れたコンテンツエリアを貼付けるサイトは少なくありません。 サイト運営は大事業 コンテンツの仕事に携わる海外のプロフェッショナルと情報交換をすることがありますが、最初驚いたことが運営人数が圧倒的に違うところ。日本で、ひとりかふたりの「Web担当者」が運営しているサイトの規模だと、海外(特に欧米)の場合、 10 人前後のチームを抱えていることがあります。10人前後の Web チームが存在するのは、メディア・パブリッシングのようなコンテンツの掲載頻度が高いサイトに限らず、様々なジャンルで同じことがいえます。大企業の Web サイトだとおもっと多くの人を抱えていることがあるそうです。 Web チームの仕事は企業によって異なりますが、共通して以下のようなタスクがあります。 * コンテンツ制作から掲載までのワークフローの調整 * Web へコンテンツを掲載するための最適化(マークアップ含) * 掲載に必要な写真や図などの素材制作 * ガイドラインに合わせてデザインを調整 当然、日本の Web
ところでコンテンツは誰がする仕事なの?
専門的だが、専門でする人がいない 昨年は、1 年を通して各地で コンテンツ関連の講演やワークショプ [http://www.yasuhisa.com/could/announcement/content-seminar-workshop2/] をしてきました。アンケートの評価が高い人気講座になりましたが、多くの課題を残すことになりました。「よかった」と仰ってくださった参加者のソーシャルメディアやブログを追っていますが、学んだことを実践に繋げたり、今の仕事との関連付けに苦労しているという印象があります。これは参加者のスキルが足りないのではなく、 そもそも誰がする仕事なのか分かり難いというところに問題があると思います。 コンテンツを扱う講座では、以下のような仕事があると説明しています。 * 自社における『良いコンテンツ』を定義する * そのために、サイトへ訪れる人々の姿や文脈を明確にする * 現状のコンテンツを見直し、品質チェックを行う * 足りないコンテンツはなにか、必要なコンテンツはなにかを洗い出す * 掲載までのワークフローを見直し、必要であれば設計もおこなう * 運
変わりゆく利用者行動と情報の流れ
縮小する Search & Find Google 以後の Web 利用は「Search & Find(検索して見つける)」が根底にありました。情報を見つけるために、キーワードを入力して検索したり、ディレクトリを掘り下げて目的の情報へたどり着くという行動です。 今や『当たり前』となった利用者行動ですが、Web の黎明期からそうだったわけではありません。90年代は、検索するといっても、欲しい情報が見つかる検索エンジンはなく、使わないほうが良いという考えもありました。そうしたなか、Google という優秀なアルゴリズムを実装した検索エンジンが登場したことで、広大な Web の中から情報を探し出すことが出来るようになりました。 このように技術が『当たり前』を作りだすことがあります。私たちの行動や思考は、技術に大きく左右されることがあるわけです。Google のような検索エンジンが登場したことで、Search & Find という行動が助長されたといえるでしょう。このように、技術に影響されるのは私たちの行動だけではありません。広告もマーケティングもすべてそうです。 Search &
カードUIとコンテンツのパッケージング
小さなパッケージとしてのカード 前回の記事 [http://www.yasuhisa.com/could/article/message-card-ui/] で、メッセージのやりとりという文脈にカード UI が組合わさることで、新たな利用者体験を提供できるのではないかという話をしました。コンテンツを『ページ』としてではなく、『小さなパッケージ [http://www.yasuhisa.com/could/article/content-package-design/] 』にして利用者に配信することが主流になりつつある現在。これは、Web 上の情報のあり方を再考せざるを得ないと同時に、利用者にとって理解しやすい(ページに代わる)メタファが必要とされているのだと思います。小さなパッケージの表現方法としてカード UI は、無視できないデザインパターンのひとつです。 カード UI の可能性を最初に感じたのは、2010 年に登場したPinterest [http://pinterest.com/] 。たくさんの画像を全面に出しつつ、概要や操作を統一感を持たせてコンパクトに表現しています。P
ポッドキャスト、再び配信中です
2011年2月から名前を変えてスタートをした Automagic Podcast [http://automagic.fm/]。2014 年 1 月からは、誰かと雑談するという形式で、ほぼ毎週のペースで配信しています。 昨年度は仕事のリズムが変わったことと、さすがに一人で話すのが辛くなてきたので、半年ほど小休止していました。以前から 何人もゲストに来てもらっていますが [http://www.yasuhisa.com/could/announcement/automagic50/]、Q & A 形式のインタビューになりがちで、躍動感のようなものが少ないことがありました。 これは、ひとりでポッドキャストをしているときにもいえることです。台本を作って、それを読み上げているわけではありませんが、話をしている途中で新しいアイデアが生まれたり、予想もしていなかった展開になるといった、不確定要素が少ないのが個人的に物足りないところでした。誰かと対談すときは、(相手によりますが)きちんと質問のリストを作ってから始めることがありました。質問リストは、対談を進める上での安心材料になるものの、特に