コラボといっても平等ではない
2人以上が共通のゴールに向かって協力して進めるコラボーレション。クリエイティブな環境ではコラボレーションが発生しやすいわけですが、複数人がプロセスに参加するだけという形だけのコラボレーションだと、良いアウトプットが生まれません。ただ集まるだけではなく、参加者それぞれの意見やアウトプットがしやすくなる環境をつくるには、以下の条件があると考えられます。
- 信頼関係が築かれているか
- プロセスが透明かどうか
- オープンな対話が可能か
- リスクをとることができるか
- 間違いを許すことができるか
多くの人がプロセスに参加しやすい環境をつくることがコラボレーションの第一歩ですが、ゴールに向かうためのディレクションや最終的な決断を下す人がいなければ、らくだになる可能性があります。皆が平等な立場でプロセスに参加できるコラボレーションですが、ひとりひとりのアウトプットまでが平等というわけではありません。また、時には独裁者のような存在によってゴールに向かうための決定を下す必要もでてきます。誰かが決めなければ、プロセスは踏んだけど結局何だったんだろう・・・みたいなことになりかねません。
Collaborative Leadership という言葉があるように、コラボレーションするからこそ、リーダーシップが求められます。上記に書かれたコラボレーションを促す環境を養いつつ、ゴールに沿った決定ができる人がいてこそ、コラボレーションが完成するといえます。
コラボレーションとリーダーシップについては、仕事だけでなく、オンラインゲームでも多くを学びました。
役割が異なる 10 人が集まらないと倒せない数々の敵。しかし、ただ集まれば倒せるわけではありませんし、無闇に敵陣に攻め入っても自滅するだけです。それぞれが戦術について意見を述べるわけですが、リーダーがどのような戦術で攻めるのかを決めなければいけません。決定の理由をコト細かく説明する必要はなくとも、参加メンバーのスキルや状況によって的確な判断をしなければいけませんし、意思が伝わるような信頼関係も欠かせません。
オンラインゲームは、仕事でもあるコラボレーションや意思決定のプロセスを短時間で何度も経験できる場なので、いろいろ学ぶことがあります。プロセス(敵を倒すというタスク、コンセプトを練るというタスク)は一緒に楽しむものの、随所にあるクリティカルな意思決定をリーダーがしないとタスクが達成することができない、という部分は仕事もゲームも共通しています。
以下がコラボレーション環境に必要と考えられるリーダーシップの条件です。
- リーダーらしい明確な言語と態度をとるよう心がける
- 意思決定の背景が理解できる状態を維持する
- 判断材料の一部に感情移入したり固辞しないようにする
- 決定権や義務分担を体系化し、参加者に達成感が味わえるようにする
自分が上記をすべて出来ているのかというと、そんなことはありません。
まったく足りていない部分もありますし、手法を改善しなければならないところもあります。特に第四点目の体系化には苦労しています。自分の力が及ばない環境ではどうするのか、体系化するためのルール、参加者に対する評価など、課題が多く残されています。また、結果的に良い判断ではなかったときのレビューや、改善をどのように行うのかも無視できない重要な項目です。
今後さらにコラボレーションが必要な状況が増えてくるので、今回紹介したコラボレーション環境の条件や、コラボレーション下でのリーダーシップを吟味しながら進めていければと思っています。