Human Interactionコンピュータと人間の関わりはここ10年で急激に変わってきています。10年前は1人に対しパソコンという 1台のコンピュータがあるだけでしたが、今はそれだけでなく携帯電話をはじめとした小さなコンピュータを 2,3台持つようになっています。そしてこれからはさらに多くのコンピュータを1人の人間が扱う社会になると言われています。

その一例がもうすぐお目見えする Microsoft のSurface でしょう。携帯電話を置くだけで、自分に関連した情報とインタラクションすることが可能になります。つまりキオスクのように単に情報が一方的に流れているコンピュータでなく、いつでも何処でもどのデバイスでも簡単なインプット(Surfaceでは携帯電話を置くだけ)で自分のデータにアクセス出来るようになるわけです。ときにはWebと接続されたコンピュータの可能性もあるので、写真屋にあるデジタルプリントのキオスクも将来的には Flickr や Picasa から直接プリントなんて可能性も出てくるでしょう。

将来は「インターフェイス」と「ユーザー」を別けて考えるのが難しくなるくらい、お互いの関係が近く複雑になってくるのではないかと言われています。BBC News の記事「Computers to merge with humans」はそれを予感させる内容です。2020年にはコンピュータと人間を取り巻く社会は今と大きく異なると言われています。

Surface を開発したマイクロソフトが HCI 2020 というフォーラムを去年開催し、そこで多くのアイデアが交換されたそうです。そのときの内容がダウンロードページから PDF で入手することが出来ます。100ページのレポートで内容もかなり濃いですが、絵も多いので眺めているだけでもおもしろいと思います。テクノロジーだけでなく、社会、福祉、デザインなど様々な角度でコンピュータと人間の関係の未来を描いていて刺激になります。

こうした未来を広告にフォーカスした話が、以前参加した湯川さんのセミナーだったと思います。あのときも思い浮かんだ疑問ですが、プライバシーコントロールが自分自身でどれだけ行うことが出来るのか、そしてその操作がひとつひとつのコンピュータに対して行うのではなく、シンプルな形でコントロールが可能なのか気になるところです。これだけコンピュータと人間の関係が近くなるわけですから、様々な専門家が横繋がりでコラボレーションしながら開発出来る環境も不可欠でしょうね。縦割りの会社ではますます良いデバイスを作るのが難しくなってくるような気がします。

2020年には 今Webデザイナーをしている方は仕事がなくなるかといえば、ちょっと違うと思います。将来のコンピュータが 3Dでアニメーションをたくさんしているものばかりではありません。そして扱っているデータは基本的にテキストです。それらを的確な形で確実に利用者へ情報を提供するためのノウハウは今の Webデザイナーは持っていますし、それは将来貴重な財産になります。それゆえ、単にパソコンに映し出されているページだけをデザインするだけでなく、パソコンというデバイスを使ってどのようにユーザーは操作しているのかを常に想像しながらデザインする意識が必要だと思います。