ブラウザは知るべき存在だと思う
@zerobase「誰がインタビューを実施し、結果を公表したか(その意図は何か)」への批判的な考察も書かれたほうがよいかも > “回答者の多くの方が「ブラウザ=検索」という認識を持っているみたいですね”
ぜひ石橋さんの意見を伺いたいところですが、私もほうも肯定的に「ブラウザは見えない存在になっているのね。良かったね!」と考えているわけではありません。
利用者がウェブから取得したデータをどのようにブラウザで表示されるかどうかといった仕組みは知る必要はありません。ただし、ブラウザが分からないとなると、セキュリティへの理解も低いのではないかという懸念もあります。特別な知識やセキュリティソフトがなくても、ブラウザという窓口を利用しているのだと理解しているだけで予防出来ることは少なくありません。例えば、アドレスバーの URL を見るとことを意識するだけでも違うでしょう。SSLのサインが表示されているか確認することも重要です。
また、アクセシビリティやユーザビリティの側面からも、ブラウザという存在を知るか知らないかで違いが出てきます。今は随分少なくなってきましたが、サイト内に文字サイズを変更出来る UI が一時期流行したことがありました。文字の大きさを変える機能がブラウザに実装されているにも関わらず、こうした UI が流行したのは、サイトの制作の方針やブラウザのサポート状況による結果だとは思いますが、それでも既にあるものをわざわざサイトのほうでも作るのは非効率でしょう。他にもブラウザがもつちょっとした機能を理解することでサイトのナビゲートが簡単に行えることもあります。利用者の「使い難い」はブラウザの機能を利用することで補助出来ることは少なくありません。
最近のブラウザはセキュリティ面に関しては分かりやすい UI を採用することによって、様々な情報を視覚的に示すようになってきています。例えばフィッシングサイトであれば、警告サインが表示されますし、安全なサイトかどうかもアドレスバーの色が変わるといった見せ方もあります。今後、様々な工夫がブラウザのインターフェイスになされるとは思いますが、すべての機能や可能性を表に出せるわけではありません。
車を運転している人は、メーカーは知っているかもしれませんが、何年のどのモデルなのか覚えている人は少ないですし、カスタマイズしている方はごくわずかです。しかし、どの車に乗っていても、快適に運転が出来ます。なぜなら車を運転するための基本的な知識があるからです。ただ、アクセルを踏めばスピードが上がり、ギアを変えれば後ろに進むといった操縦法ではなく、とっさな状況判断や視野の確認が良い運転に必要とされます。
ブラウザも、車と同様「戻る」「進む」といった基本操作以上のことを知ることで、安全かつ快適にインターネットを楽しむことが出来る思います。IEでもFirefoxでも好きなものを使えば良いと思いますが、ブラウザというソフトウェアを使っているという意識は多少なりとも必要だと思います。